ここには今、全員居る
足音と共に現れたのは、最後のパーティメンバーだった。
「アスピダさん、その言葉は、今言わないといけませんか?」
ダリアは昂るアスピダを宥めるように、優しく尋ねる。
やはり、話し合いというのは全員揃わなくては駄目だ。
――彼女の連れて来た、もう一人も含めて。
「ダ、ダリアちゃん? どうしてここに……、あっ、ソフィアちゃんまで!」
先程置いてけぼりにされたソフィアが、こそこそと隠れるようにダリアの背後に立っていた。
ダリアはそのことを気にしない様子で、アスピダに向き直る。
「どうしたも何も、アスピダさんが中々戻らないから迎えに来たんですよ。 それとも、私が"友達"を心配するのは変でしょうか?」
迎えという言葉を聞いて、アスピダは彼女と買い物の約束をしていたことをようやく思い出したのだろう。
しまった、という表情を浮かべ、慌てて頭を下げた。
「あっ、ご、ごめんなさい……! でも、どうしてここが?」
逆に質問を返されたダリアは、そのまま視線を後ろに回す。
全員の視線が集まっていることに気付いたソフィアは肩を跳ねさせるが、すぐに観念した様子でダリアの横に並んだ。
「わ、私がこの場所を案内したのよ。 アスピダ姉、何かあるとここに来てたから、もしかしてって……」
驚いた様子のアスピダ。
この場所のことを彼女に直接教えたことは無かったのだろうか。
……どうやら、事態は思ったより簡単に収束するかもしれない。
「アスピダさん、あなたがもし本当に、心からパーティを抜けたいのであれば、僕もダリアさんも止めることはできません」
そう前置きした上で、本題に入る。
――思えば、ここをはっきりさせておかないから、収拾がつかなくなったのかもしれない。
「でも、まずはアスピダさんが、ソフィアさんと一緒に冒険したいか、否か。 そこから教えてくれませんか? 今、ここには全員居ます」
ソフィアはアスピダを仲間にしたがっている。
それどころか、彼女が冒険者を目指すのは……、いや、行き過ぎた推察だ。
しかし、例えアスピダが彼女を避けようとも、強引な彼女は決して退かないだろう。
はっきりノーと言われるまでは。
アスピダは、僕の発言の意図に気付いた様子で、頭を抱えた。
彼女の中の葛藤が、苦悶の表情と呻き声として滲み出る。
しばらくの沈黙を経て、彼女は覚悟を決めた。
気付いたらいつも書いてる文量を超えて、投稿時刻も越えてました。不甲斐ない…
今年初登場のダリアですが、こんな口調でしたよね…?
改稿(24/5/29)
・何かあったら→何かあると




