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ゲームの世界は好きだけど転移したいなんて言ってない!  作者: For-rest-one
第三章 中級冒険者『アスピダ』
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試験開始

「今回の試験はこちらのダンジョンで行います」


 ギルド職員は振り返り、その背後に存在するダンジョンの入口を指す。

 ……そう、僕達はあるダンジョンの前に集められていたのだ。

 なので、試験がダンジョン内部で行われることも、ある程度予想はついていた。

 昇格して、より難易度の高いダンジョンへ挑むに値するだけの実力が備わっているかを、実際にダンジョンで測るというならば、こんなに理に適ったことはない。


「試験の主な内容はダンジョンの探索。 生息モンスターの特徴や現在の構造を調査することが基本ですが、ダンジョンの主たるモンスターを撃破したパーティには、パーティ全体を対象とした追加点が発生します」


 探索ということは、無理にモンスターと交戦する必要は無いのだろう。

 モンスターの習性から行動を見極め、遭遇を回避することにも価値があるという訳だ。


「制限時間は8時間とし、装備や消耗品などの持ち込みは自由、試験中にダンジョンで手に入れた魔石や貴重品については、特別な場合を除き自由にしていただいて結構です」


 持ち物を()()()()のも()()()()のも自由。

 万全を期してダンジョン探索に当たれということだろう。

 実際の探索と同じく、利用できるものは最大限利用するのが道理だ。


「ただし、内部には事前に監視員を配置しています。 受験者に”避けられない致命的な危険”が迫ったとき、監視員らが然るべき対応を取りますが、当該受験者は原則として失格と看做すのでご注意ください」


 避けられない致命的な危険。

 想像したくないが、命に関わるような状況のことを言っているのだろう。

 ゲーム感覚で忘れそうになるが、ダンジョンも含め、この世界は危険が多く潜んでいることを、改めて実感した。


「最後に、今回の試験では安全に十分配慮していますが、受験者の身に起きた損害や不利益について、冒険者ギルドで責任を負うことはありません。 これから30分間の準備時間を取るので、準備のできたパーティから順次探索を開始してください」


 ……最後の最後で利用規約のようなことを言ってきた。

 命を落としても文句は受け付けないといった姿勢だが、無責任とは思わない。 冒険者自体が自己責任の塊みたいなものだし、準備不足で痛い目を見たところでそれこそ自業自得なのだろう。


 それで構わない。

 師匠に説得されるまま、なあなあで冒険者になった僕だが、今思うとこれは元の世界に戻るために必要なことだったのかもしれない。

 根拠もまるで無いし、あくまで何となくだが、元の世界に戻る鍵はダンジョンにある気がするのだ。

 命を落とすことになろうと、ここで怖気づいていては一生元の世界に帰れない。



 ――という覚悟を胸に、探索を始めたのがつい1時間前だ。

 現在は、臨時のパーティメンバーであるアスピダが先頭に立って進み、後ろで僕とダリアがそれぞれ周囲を警戒しつつ追従している。

 経過は順調。 ただ思った以上にダンジョンが広い。


 黒い霧と戦ったあのダンジョンでは、大体4時間掛けて二階分の探索を行った。

 制限時間から考えると、このダンジョンの規模はそれ以上だ。

 あの時はダリアのおかげもあって標準より早く終わったが……、今はパーティの人数も増えて三人。

 戦闘は楽になるとしても、歩みはどうしても遅くなる。


 それに、僕達は未だモンスターと戦っていない。

 遭遇していないことは無いのだが……、他の冒険者が相手していたり、回避が可能であったりと、戦いになることが無かったのだ。


 長期戦が予期される以上、消耗は避けるべきだ。

 とはいえ、回避を優先していては時間が足りなくなるのでは……?

 そう考えていた矢先だった。

長くなります↓


説明回なのもあって、久しぶりに字数が千を越えています。 読みにくくてごめんなさい、今後の改善点とします。


そして、

昨日の無断休載、本当に申し訳ありません。

特に深い理由はなく、帰宅直後に猛烈な睡魔に襲われ、翌朝まで半日近く寝てしまったことが原因です(お知らせはその最中に微睡みながら追加したもので、その後再び眠りに落ちてしまいました)。


投稿時間、或いは曜日の調整も検討しつつ、再発の防止に務め、万一の場合にはお知らせを入れるよう心掛けます。

これからもどうかよろしくお願いします。

失礼しました。

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