剣士の名は
「はい、何でしょうか?」
ダリアが話しかけてきた剣士に臆せず答える。
初対面で、相手は武装までしているのに、全く動じていないのは大した度胸だ。
そもそも、この国で武器の携帯はそれほど不自然ではないのだが。
「お二人、見たところ前衛と魔法職ですよね? よかったら、あたしとパーティを組んで欲しいです」
僕は未熟な剣で仕方なくだが前衛を務めているため、この赤髪の冒険者の推測は当たっている。
いや、正式には遊撃兵と遊撃兵だから外れている……?
どちらにせよ、こちらとしてもちゃんとした前衛は欲していたところだ。
見たところ、年齢は僕やダリアとそれほど変わらない。
だが、目の前の少女が長年訓練を積んできていることは、隙の少ないその佇まいを見れば僕でも分かる。
剣術を習ってまだ日の浅い僕と比べれば、遥かに優秀な前衛を務めてくれるだろう。
「ええ、構いませんが――、名前と戦闘スタイルをお聞きしても?」
ダリアは振り返り、僕の目配せを確認してから承諾した。
訊かれた赤髪の少女はどこか自慢げに剣を掲げ、ガチャガチャと鎧を鳴らしながら快活に宣言する。
「あたしは”アスピダ・アーティチョーク”、剣士です! 魔法使いの姐さんも、そこの前衛の兄さんもまとめて護ります!」
パーティ分けが決まったのと同時に、ギルド職員が話を再び始める。
「今回の試験は、パーティ全体ではなく、各個人を対象に評価します。 単純な強さ、すなわち戦闘力だけでなく、探索能力や協調性なども観点の内ですのでご承知おきください」
悪くない仕組みだ。
パーティでの評価だと、たまたま強い人がパーティに居た冒険者が不相応に昇格し、危険な目に遭ってしまうかもしれない。
それを防ぐ目的もあるのだろう。
それでは、と前置きして、ギルド職員が続けた。
「今回あなた方が試験を行うのは――、こちらのダンジョンです」
新キャラが出たから遅れたのではなく、単純な確認不足です。 申し訳ない…
修正(24/6/26)
・悪くない仕組みだと〜危険な目に遭うことも減る。
→悪くない仕組みだ。〜それを防ぐ目的もあるのだろう。




