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ゲームの世界は好きだけど転移したいなんて言ってない!  作者: For-rest-one
第三章 中級冒険者『アスピダ』
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地上への帰還

 地上に戻ると、ダンジョンの入り口から続く広い通りを少し歩いたところにある、そこそこ大きい飲食店で師匠が食事を取っているのを見付けた。

 声は掛けずに、活気のある通りの傍らで師匠が出てくるのを待つ。


 ダンジョンには必然的に冒険者が集まる。

 これまでの小規模なダンジョンはその限りではないが、人気(ひとけ)の多いここのようなダンジョンの周辺では、冒険の必需品を売る店や、酒場などの飲食店なんかが、商売の匂いを嗅ぎつけて場所を奪い合うそうだ。


「よお、今回ばかりは”難無く踏破!” ――って訳には行かなかったみたいだな。 まあ、それでも普通より大分(だいぶ)早えんだがな」


 少しして、食事を取り終え、店の外に出てきた師匠が僕に気付いた。

 いつの間にか、日は既に登りきっている。

 今日の訓練を始めたのが午前、朝くらいのことだったから、それから実に五、六時間が経ったようだ。

 ダンジョン巡り(瞬殺)の分を差し引いても、ここのダンジョンだけで四時間ほど使ったことになる。

 ダンジョンの規模が変わるだけで、こんなにも手こずるとは……。 正直、これまで小規模なものばかりだったのもあって、ダンジョン自体を舐めていた。


 それでも標準よりは早い方だと師匠は言うが……、それは彼女の協力があったのが大きいだろう。

 後ろに目をやる。

 大通りを挟んだ向かい側、往来する人々の間に、深くフードを被り、ローブを身に纏う少女が認められた。

 その傍には、少女の膝元まで届くような大きな魔石がずっしりと置かれている。

 ……言うまでもない。 その少女はダリアだ。

 協力して地上まで魔石を運び出した後、何処からかローブを取り出し、僕が師匠を探す前に身に付けたのだ。

 さながら御伽噺の魔導師のような風貌をしている。 いや、本当に魔法は使えるのだが……。

 とにかく、その変装で以て、師匠の前に姿を現すことを可としたのだ。


 今回の魔石は本当に、――本当に、でかい。

 一般に魔石の大きさはモンスターの魔力量、いわば強さに比例する。

 巨大スライムの時は何とかなったが、今回ばかりは僕が単独で倒したと言うのは無理がある。

 だから、僕と共闘した第三者というのを、ダリアが演じることになったのだ。

投稿した瞬間に時刻が21:01になってかなり焦りました。

ギリギリになってから焦る悪習は断ちたいものですね…


改稿(22/6/27)

・幾つかの不自然な文を校正。 また、描写をより詳しくした部分があります。

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