人並み外れた感知能力
「うおおおっ!」
声を張り上げながら剣を腰辺りに構え、ダリアの指した方向へと駆ける。
意味もなく叫んでいるのではない。
僕の位置を伝えるためだ。
それは味方だけでなく敵にも僕の居場所を教えることになるが、既に僕たちの位置が敵に捕捉されている以上、この行為にデメリットは存在しない。
敵の魔法を躱した直後に走り出したので、次の攻撃が来るまで時間がある。
当然その隙を突かれまいと、魔法使いは移動を開始したようだ。
せっかくダリアが捉えた敵を、そう易々と見失う訳にはいかず、僕は耳を欹てる。
……けれど、僕の足音を除いて、耳に届くのは無音。
ダリアの情報によれば、敵の魔法使いは今、この部屋に僕たちが入った時と同じように、少し宙に浮いている。
それを何らかの魔法で、――例えば風の基礎魔法なんかを使って移動したのだとすれば、音が殆ど出ないのは当たり前と言えば当たり前だ。
結論だけで言うと、僕は敵の追跡に失敗した。
しかし、ダリアは違った。
「……右に動きました。 お兄さんの右斜め前の上空、六歩先に居ます」
この暗闇の中でも敵を捉え続け、僕との位置関係までも把握し、精確に指示を出してくれた。
……およそ人間業とは思えない。 魔力感知みたいなものを使っているのかもしれないが、それでもその情報処理能力は驚異的と言える。
……本当に味方でよかった。
ダリアの言葉を信じ、歩は緩めずに方向転換して――、タイミングを見計らい、少し小細工をした剣を振り抜く。
その剣もまた、確かに魔法使いを捉えた。
投稿時間が遅くなってきている…?!
叫び声を書くのが苦手みたいです…
修正(22/5/26)
・完治能力→感知能力
※サブタイトル




