一方的な戦い
暗闇の中でこちらの位置を把握している敵を迎撃することは簡単ではなかった。
いや、正確には、迎撃できなかった。
敵は僕たちとの位置関係を常に変化させながらも、距離を保って魔法での攻撃を仕掛けてくる。
それも、さっきの黒い球に限らず、地面と平行に飛んでいく真っ黒な刃や、威力こそ低いが速度が段違いの黒い小さな矢など、多様な攻撃方法で、だ。
それを視界の制限された中、様々な方向から使われ続けたら分かるだろう――要するに、攻撃を避けるだけで精一杯なのだ。
止まない攻撃の中、使える魔法はないだろうかと、幾つかの魔法を試してみたが、そのどれもが失敗に終わった。
試してみて分かったが、僕たちだけ魔法が使えなくなっているのは、発動前に邪魔が入るためだった。
魔法の発動に重要なイメージの構成。
それが敵の何らかの干渉によって、強引に書き換えられ、魔法は失敗に終わる。
そしてその”干渉と書き換え”は、仕組みは分からないけれど、魔法だなんて綺麗なものでは決してない気がした。
「……見えました」
飛んできた闇の球を悠々と避け、ダリアは呟いた。
「見えた……? 何がですか」
次の攻撃に備えて警戒しつつ、彼女の意中を問うた。
「左前方やや上空、十五歩ほど先です」
そう言ってダリアは、言った通りの方向を指差した。
……何がだ? いや、訊くまでもないか。
確信した様子で一点を指すダリアは、しかし闇に目を凝らすことをしていない。
つまり彼女は、視覚に頼らない方法で敵の位置を掴んだのだ。
どのようにそれを成功させたかは分からない。
けれど、敵の場所が分かった以上、僕のすることは決まった。
書きながら3回くらい寝落ちしちゃいました…
順調に行けば(ちゃんと書けば)次回で倒せると思います
修正(22/11/22)
・発動後に邪魔が入る→発動前に邪魔が入る
発動に必要なイメージに干渉されるので、発動前とした方が正しいと思いました。




