駆け引き
黒い剣士の鋭い斬り下ろしを僕は横に跳んで躱し、横から剣の腹を外側に弾く。
まずは一合。
剣士は一瞬姿勢を崩すが、僕が攻撃できるほどの隙は生まれず、再び睨み合う形となる。
この状況に僕は困惑していた。
知能は無いか、あっても低いとばかり思っていたモンスターと、駆け引きが成立していることもそうだが、それ以上にモンスターの動きが人間臭いのだ。
剣を構えながら偶に軸足を移したり、手に力を入れ直すような動作をすることがある。
よく見ると、微かにだが周期的に肩を上下させている。 ……呼吸しているようにも見える。
この剣士は体が霧からできている以上、それらに意味があるようには思えない。
というか、何となくだがこの剣士自身も、そう動く理由を理解せずに動作している気がする。
なんと言うか……、人間を模倣している?
そんな印象を受けた。
考えていると、僕の不注意を見抜いた剣士は再び斬りかかって来た。
深く踏み込みながらの薙ぎ払いだ。
比較的大きめの前動作でそれを見切った僕は、敵の剣の届く範囲寸前まで下がり、薙ぎ払いを受け流すように剣を弾く。
当然これによって僕に反撃のチャンスが生じることはないが、それで構わない。
この戦いは決して一対一ではないのだ。
敵を後ろに通さないことだけを考えていればいい。
そうしていれば――
「光魔法『ミコ・エクサイプシ』」
――後衛から、頼もしい味方が援護してくれる。
文章を保存しているメモ帳にアクセスできなくなる不具合があり、たいへん遅刻しました。
もし心配かけてたらごめんなさいです
修正(22/04/26)
・一字下げ処理
久しぶりにこのミスしました




