部屋いっぱいの魔法
冗談だと願いたい。
初心者向けのダンジョン、そこの主のスライムでさえ手に負えないほど凶悪になっていた。
それがこの規模のダンジョンで起きたとなると、想像すらつかない。
とは言っても、実際目の前で起きているのだけれど……。
「あの、逃げた方が……」
今だってこの闇に紛れて、何処から攻撃を仕掛けてくるか分からない。
いくら何でも危険すぎる。
どれほど不味いのかは、正確には分からないが……。
だからこその提案だった。
しかし。
「いえ、逃げません。 というか、逃げれませんよ。 だって、ほら」
ダリアが来た方向を指差す。
その先は……、完全な暗闇になっている。
おかしい。 入ってきた扉はおろか、この部屋を囲む壁の一面すらも全く見えないのだ。
それほどの距離を歩いた覚えは無い。
ダリアの出した光球もある分、少しくらい見えても不思議じゃない筈だ。
となると、この不自然な暗さは……、
「部屋を覆うほどの闇属性魔法。 これほどの魔力は上級ダンジョンでも珍しいですね……」
思った通り、あのモンスターが原因らしい。
これでは帰ることもままならないじゃないか。
やはり何とかして倒すしかないのか……?
「闇属性を使う敵、しかも霧タイプとなると、物理はほぼ無効。 魔法で仕留めたいところですが、この視界の悪さでは……」
ダリアは冷静に敵と有効な攻撃手段とを分析している。
しかし、モンスターが部屋に展開していた闇魔法による視界妨害がネックとなってしまっている。
闇雲に魔法を放っても誤射や魔力切れの危険があるし、現実的な作戦ではないだろう。
この闇を晴らす方法があれば一気に状況は好転するのだが……。
ん……? 魔法……?
ファンシーなサブタイトルになりました




