綺麗なHS
扉を開くと、大広間の中心に、やはり何か佇んでいる。
今度のダンジョンの主は……、重厚で堅牢そうな鎧を着た骸骨だ。
既に骸骨はこちらに気付いており、間合いを維持したまま臨戦態勢に入っている。
流石に魔素飽和を起こした巨大スライム程の脅威ではないだろうが、油断ならない強敵には変わらなさそうだ……。
「ふむ……、『ミコ・ディアペルノ』」
――え?
何の前触れもなくダリアが魔法を発動する。
放たれた光線は骸骨の頭を精確に目指し、守る鉄兜もろとも貫き、吹き飛ばした。
避けることが出来ず、頭部を失った骸骨は後ろに倒れる。
完璧なまでのヘッドショット。
……いや、そこじゃない。
「あの、ダリアさん」
既に霧散を始め消えかかっている骸骨を尻目に、犯人の名前を呼ぶ。
「はい、どうしました?」
全く意に介していない様子だ。
しかし、僕の目的も思い出してもらわないと困る。
「ええ、主の討伐ですよね? そこの魔石を持って帰るといいですよ」
ダリアが指差す先には、既に魔石と成り果てた骸骨だったもの。
……敵ながら、余りにも不憫だ。
「それはそうですが……、せめて共闘というか、僕も戦うつもりだったんですけども」
基本的に、ダンジョンの主は倒してもいずれは復活する。
しかし、即座にではなく、数時間、場合によっては数日待つ必要があるのだ。
そのため、すぐに再戦は出来ない。
その事は当然ダリアも知っているというのに。
「この程度の敵なら、召環者であるあなたが戦うまでもありません。 早く次のダンジョンへ行きましょう」
時間が勿体ないからと、瞬殺したというのか……。
僕には強敵に見えたのだが、ダリアに言わせれば有象無象に過ぎなかったらしい。
中級試験を受けるだけだと言うのに、一体僕達は何処を目指すつもりなんだ……。




