奇跡の欠片 #11
*
「……街を探してもいない、ねぇ…。」
紫髪の少年は、そう言った。
「困ったね、そも、目的がわからない。家出にしてはタイミングが不自然すぎる。」
緑…いや、彼の髪はこう表現したほうがいいだろう。
翠色の髪の、少年はそう言ったのだった。
少年と少年。
ベルーとスイは、とある街を捜索していた。
姿を消した管理人…「ラピス」を捜索しているのだった。
*スイ side
タイミングが不自然極まりない。
ラピスは前日まで、僕たちと普通に過ごしていた。
…ラピスが消えてから、すでに1週間ほどたった。
スフィアとペアが別で行動をし始めたので、僕らも別の行動をし始めた次第である。
ただ、彼女たちの行動は、ラピスとは直接的な関係にない行動だが。
溜まったタスクを少しずつ処理しよう、ということで行動を始めた。
「いやぁ、不思議な街だねぇぇ、スイくん。
まさか、こんなに人が少ないなんて。」
…そう、それだ。人が異様に少ない。
なぜこんなに人が少ない?
家はある。ただ、どこも出払っているようである。
店には「営業休止中」の張り紙がしてある。それが年中無休の公共施設であってもだ。
「…不自然だね。」
人がいない。
これは、きっと…
「誰の仕業なのか…というか、何が起こってるんだ?」
…その言葉を、最後まで紡ぐことはできなかった。
爆音。
それも、地下から。
「…な」
ベルーくんがそう言ったのを最後に。
地面の崩落に、僕らは巻き込まれた。




