奇跡の欠片 #6
ラピスの部屋には様々なものがある。
ラピスの「趣味」のグッズ。
骨董品とか、アクセサリ。…中二病の趣味。
でも、そんなものは微々たるものだ。
ラピスの部屋の大半を占めているのは、「仕事」「宝石」の本だ。
土地、財産、管理、宝石、鉱物、宝石精霊などのジャンルの本が壁の2面を埋めている。
そして、ベッドが一つ。
そんなラピスの部屋の真ん中には仕事用の机がある。
普段からそこには本や書類などが置いてある。
今日。
ベッドはきれいに整えられていた。
そしてあの大きな机に、小さなメモ用紙が一枚。
「さようなら。」
それだけしか書いてなかった。
*ベルー side
お昼過ぎ。
最初にそのメモに気がついたのはスフィアだった。
「ど、どうしよう…!ラピスが!ラピスが!」
スフィアは走って階段を降りてきた。
取り乱した彼女をなだめ、話を聞く。
「……え」
アメストさんの行動は早かった。
すぐに、このシェアハウスの中からラピスを探し回る。
そして、アメストさんと共にこのシェアハウス内を探したが…。
どこにもいない。
館中を探し回った。俺はリビングにいたが、そこへホープさんが玄関から入ってきた。
館の庭などにもいなかったらしい。
「…い、いない…ラピスさんが……」
俺は意識せずそう呟いた。
でも、どうしてだ?
昨日まで、ラピスさんは普通だったはずだ。
昨日の話は衝撃的だったが…その日、ラピスさんが精神的に荒れていないことを俺らは見ている。
“クリスマスイヴの夜…我の誕生日だな!“
どうしてだ?
どうして、こんなことになったんだ?
「…なあ、さらわれたとかは?」
ホープさんにそう聞かれる。
「…ベッドはきれいに整えられていたし…そうじゃないんじゃないかなぁ…やっぱり、ラピスさんは自分で…」
自分で。
自分で出て行ったのだと。
そう言葉を紡ぎそうになるが…何を言おうとしてるんだ。
そんなわけがない。
なのに、どうしてだ?
どうしてなんだ。ラピスさん。




