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 ゲーム中では毎年恒例だった『トットリ砂漠ダンジョン』一月の砂鉄取りで三十キログラム入る俵二十個の砂鉄を集め、それを鉄の不足している『領都マツエ』に売ったりしている間に、三月になった。

 そして村長のヨシオカが予想していた通り、『サンイン地方』東部に『港町コウベ』『地方都市ヒメジ』からの難民が押し寄せただけでなく、『王都キョウト』からも難民がやって来た。これに対し、『サンイン地方』の領主『サンイン辺境伯』は、それらの難民の『地方都市トットリ』以西の流入を禁止する一方で、各都市や村々に支援を命令した。

 コヤマ村からは食用キノコの乾物を三十キロと、『下級傷薬』を十キロ、薪を五十キロ提供することになった。これらは、冬の間に集め、作っていたものだったので、あまり懐は痛まなかった。

 一方、春を迎えた村では、防砂林の拡張工事を行い、コヤマ池側に昔畑を作ろうとして失敗した空き地に栗の苗木を植え、漁を再開しと忙しくしていた。だけでなく、手の空いた村人、特にカズマとカケルは空き時間『練習ダンジョン:森』に潜って薪とキノコを集め、私は手が空けば『トットリ砂漠ダンジョン』に潜って魔石や素材を集める。今は『農村都市トヨオカ』に留まっている難民達も、このまま増加を続ければ再度の支援命令が下るかもしれなかったからだ。

 別に「これ以上出せるものは無い」と命令を突っぱねても良いのだけれど、それをすれば難民達が暴徒化するのは目に見えており、そうなった際真っ先に狙われるのは『地方都市トットリ』であり、その次は位置的にコヤマ村になるのだ。

 難民の受け入れは団栗の量の関係で出来ない以上、薪やキノコ位は提供したい、と言うのは、ヨシオカの言で、私達は誰もそれに反対しなかった。同じ人間なのだ。余力のあるうちは救いたい。

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