表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺は「エロ神」じゃない!   作者: 柳原テツロウ
一章 異世界転生編
7/60

7話 俺達はグラディエーターじゃない!

ジャングル生活3日目に突入した。出口まで5キロとなった。


「なぁサリー、モンジル教団には『神の力を持つ者』は何人いるんだ?」


「聞いた話だと2人よ。天神と火之神、司教は天神の方だけど地位は同等らしいわ。今回私たちが会うのは火之神の方よ。」


「火を使う神ってとこですね、強い人感が出ますね!


「さて、とりあえずジャングル抜けるわよ!」


手に塩を塗ったジェスが二人を抱え、木々を避けながら進んでいく。1時間後、ついに出口についた。


「ここまでの道のりなんもなかった…結構ばっさりカットしちゃったわね…」


「平和すぎるってのも悪いことだよな。」


そのまま、ジャングルに別れをつげるように外のまぶしい光を浴びながら外へと出た。


「な、なんだこれぇ!!!」


颯太の目に映ったのは武器を持ち、戦う男たちの姿だった。ジャングルの出口はコロシアムと繋がっていたのだ。そして司会が颯太たちを見つけ、ナレーションをする。


『おっと!!新しい挑戦者があらわれたようだ!!男一人に女二人!お、あの服は魔法使いだ!』


観客も競技者も盛り上がりをみせていた。


「魔法使い!?」


「魔法使いか、倒しがいがありそうだぜ。」


颯太の足がプルプルと震えている。


「颯太しっかり!ここで勝たないと天神には会えないってことよ!!」


「そ、そんなこと言われてもさ…」


一斉に競技者30人が颯太の方へ顔を向ける。


「無理だ!!!こんなの勝てるわけ!」


「では、私が行ってきます。颯太その代わり条件です。私が20人以上倒したら最近発売された高級塩『シーオ』を買ってください。サリーのではなく、颯太の金で。」


「俺にバイトしろってんのか?そんなことやりたくねぇよ!!しょうがねぇ!やってやる!」


「やるわねジェス。」


「そろそろ飼い慣らし方もわかってきました。」


ジェスが塩を塗り、近くに落ちていた二本の剣を持つ。


「いざ!!」


「殺すなよー」


「峰打ちですね、本当はこの人たちを捌きたい気分なんですけど…」


競技者たちの体をすり抜けながら、ジェスが競技者たちを次々に倒していく。


「私も負けられないわね!オリジナル魔法!イカヅチ砲!!」


雷で競技者を痺れさせ、動けなくする。


「やっと自分の考えた魔法使ったな…俺は見物でも…」


「あなたパーティーのリーダーね?」


2メートル近い巨体を持つ女が颯太の前に立ちはたがる。


「い、いえ違いますけど?…」


(やっべぇってこいつ!絶対このコロシアムで一番強いって!)


「あらそうなの?まぁここはコロシアム。誰であろうと殺す!!」


手に持った金棒を颯太に振りかざす。


「ヒィッ!!!」


間一髪よけるもすぐ女は体制を立て直した。


(こいつやっぱやばい!逃げないと)


走りさろうとする颯太だが、女は先に回り込み、逃がしてはくれない。


「さぁ終わりだ諦めなさい。」


絶対絶命のその時、颯太の目が光り始めた。


「おい、あんまし調子のんじゃねぇぞ?」


颯太の目は青色に光り、両腕に電気のようなものをまとっていた。


「諦めるのはてめぇだ。」


ジェスとサリーもその様子を見て、驚いていた。


「ピンクじゃない目!それにあの口調とか」


「颯太ってかなりの多重人格?」


金棒女も雰囲気の変わった颯太を見ると再び身構えた。


「それって魔法?見たこともないけど」


「ペラペラしゃべってんじゃねぇぞゴラ?このデカブツが!」


「で、デカブツですって?殺すわよ糞ガキ!!」


「やってみろよ。おい!!サリー!てめぇの雑魚雷とは違う俺の力をよく見とけ!!」


「何が雑魚よ!!」


「いくぜ、全員まとめて沈め!!」


颯太の両手から無数の青色の光がコロシアム上空へ上がる。


「くらぇ!!!雑魚ども!!」


数百発の電気の玉が降り注いた。次々に競技者が倒れていく。サリーとジェスはコロシアムの端に避難していた。そして、金棒女以外が全員倒れた所で玉が止まった。


「まだ耐えるのかデカブツ。」


「正直限界だわ…だけどね!あんたみたいなガキに負けるなんて嫌なのよ!!」


ボロボロの体を奮い立たせ、渾身の拳の一撃を颯太にくらわせようした。しかし、


「さっさと倒れろ!雑魚が!」


金棒女の拳をよけ、そのまま電気をまとった拳で腹に打ち返した。金棒女はそのまま倒れた。


『決着!!勝ったのは挑戦者だ!!』


観客も歓声を上げ、ジェスとサリーもかけよる。颯太の目から青い光が消えた。


「あ…俺、やらかしたかも。」


「あなた割りとチートキャラかもね。全員を一撃よ。」


「記憶あんまないな…いたっ」


ビリビリビリ


まだ両腕に電気の感触が残っていた。


「違う人格とはいえ危ないですよ!!私たちにまで雷があたるとこだったじゃないですか!!」


「し、知らねぇよ!急に出たんだから!!」


勝利した颯太達の元へ司会者がやったきた。


「君たちを司教様が呼んでいます。」


「司教がか?」


「てかなんだよこれ!なんで俺たちが戦わされているんだよ!!」


「まぁそれも司教から聞いてください。」


「はぁ…」


無事、コロシアムでの戦いに勝利した一行。モンジル教団領土に入ってから1日目、これから約半年間のモンジルでの生活が始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ