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俺は「エロ神」じゃない!   作者: 柳原テツロウ
二章 魔法世界編
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46話 頂魔四天王は悪じゃない!

 ドーム状の競技場内に響く数万人の歓声を受けながら、俺を含めたヤンドル村代表チーム総勢12名はゆっくりと一列に歩き、ヤンドル村のプラカードが浮いている場所に並んだ。



〔どうも皆さんこんにちは、魔法テレビ魔導大会中継のお時間です。実況は私ソックス、解説は私の弟、スックスがお送りします。〕


〔お願いします!〕


なかなか卑猥な兄弟だな…。てか、実況と解説をその場で放送しちゃうんだ…、まぁ分かりやすくて良いとは思うけど。


〔次は準優勝チームの入場です!〕


『エントリーナンバーTwoぅぅぅ!!!!ワァープラァァ!!!!』


気合いの入った入場コールに俺たち同様の大歓声が巻き起こった。そして、俺たちが入場した所とは逆のゲートから、小柄な赤髪の青年を先頭に十数人の選手たちが現れた。


〔開会式前のインタビューでは今年こそヤンドルを叩き潰すと言っていました、エースのレッドガード選手。〕


〔いやぁ、今年もヤンドルと共に優勝最有力候補ですね!…ん?〕


〔どうかしましたか?〕


〔あんな選手、いましたか?〕


恐らく、実況者が指しているであろう異様な雰囲気をかもし出す大男が列の後ろを巨大な槍を片手に歩いていた。


〔た、ただいま情報が入りました!!あ、あの男はジンスラ・ノースト、頂魔四天王の一人、『龍槍のジンスラ』です!!!〕


〔な、なんと!?〕


実況者がそう言うと、会場がどよめいた。観客一人一人が隣の者たちと落ち着かない様子で話し始めた。


〔これはルール上、OKなんでしょうか?〕


〔はい、大会規約には『村の代表』としか書かれていませんので、大丈夫でしょう。〕


「嘘でしょ…なんでそんな奴がいるのよ…」


「頂魔四天王…」


最後尾の俺の前の兄妹二人も慌てた様子だ。


「なぁサリー?『頂魔四天王』って何?すげぇ奴っていうのは凄く伝わってくるだけど。」


「「知らないの!?」」


いや、知らねぇよ。


「ソータ、よく覚えとけ。この大会中、奴には近づくな。」


「どうして?」


「バカ!少しは察しなさいよ!彼は世界最強の四人の一角よ!!!」


「せ、世界最強!?」


世界最強、え?なにそのヤバそうな称号、待てよ、この大陸最強はサーリスさんなんだよな?


「サーリスさんより…」


「強い」


「圧倒的に?」


「強い」


「オゥーマイガァ!!!!!」


頭を抱えていると俺の横を赤髪の青年が通っていき、ゾロゾロとそれに続いて他の選手が並んだ。そして、俺の隣に例の大男が立った。


で、よく見ると俺を睨んでいる。


「ひ、ひぃ!」


お、落ち着け、別に悪いことはしてないはずだ。相手も決して悪役じゃない(と思いたい)。ここは堂々としよう。


「その仮面、面白いな。」


あれ?なんか思ってたのと違う。


「そ、そうか?ちょっと最近、仮面着けるのハマってて…」


「おぉ!そうなのか!!俺もコスプレが趣味でさ!!なぁなぁ!今度、俺のコスプレ見てくれよ!!」


「お、おう…。」


「うるせぇジンスラ!!!黙って並んどけ!!!」


「す、すまんレッド!!」


先頭に立つ赤髪に怒られてる…

なんか、割と優しい系?


「ごめんな、また後で話そうな。俺ジンスラ、お前の名前は?」


「ソータだ、よろしくジンスラ。」


「おぉぅ!!!!」


「うるせぇジンスラ!!黙っとけって言ったよな!!」


「ご、ごめんなさい!!!」


なんか面白ぇやつ。



その後、続々とチームが入場し、最後のチームが並び終えると審判席にマイクが用意された。そして、ボス感溢れるお爺ちゃんがゆっくりとマイクの前に立った。


『今年もよくぞ集まってくれたな勇敢な魔法使いの諸君、私は審判長のリン・リンリンだ。元はヤンドル村とワープラ村間の喧嘩から始まったこの大会、今年で52回目になる。』


あーこの大会、そんなくっだらねぇことから始まったんだ…。村長同士が仲悪いのも納得。


『第一回大会、私は観客席から様子を見て、感動したんだ。。いつか、この大会に出て活躍したいと!しかし、そう現実は甘くなかった。私の村では選抜大会があって、私はそれに負けてしまった。結局その大会は皆の応援を観客席からしたのを今でも覚えている。しかし、第二大会で私は………


ーーーーー10分経過ーーーーーー


で、今に至るというわけじゃ。』



「話…長すぎる…あの爺さん…」


「お前は初めてだから良いよな俺らなんて毎年聞いてんだからな。おーい、サリー起きろぉ」


「ん…終わった?」


『なぉ、ルール関しては特に変更なしだ。例年通り、使用可能なのは本人の魔力のみ、他人の魔力やポーションを使うことは禁止だ。しかし、神魔法は使用可だ。』


爺さんはコンパクトサイズにルール解説をすると、席へと戻っていった。


『以上で開会式を終了させて頂きます。選手はアナウンスに従い、種目開始5分前には指定場所への集合をよろしくお願いします。』


並んだ選手達が飛行魔法で観客席へ戻り始めた。


「なぁなぁサリー、神魔法ってどんな仕組みなんだ?」


「んー、なんて言うんだろ?神の力を受けとる感じ?」


「わかんねーよ!!」


「まぁ詳しくは後で兄さんに聞いて」


「おぅ!任せとけ!」


「お願いしまーす。」

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