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俺は「エロ神」じゃない!   作者: 柳原テツロウ
一章 異世界転生編
11/60

11話 噂の氷女は他人じゃない!②

ガチガチに凍った颯太の部屋にて


しばらくして両方が落ち着くと、颯太と雪見はベッドに座って話し始めた。


「お前死んだんだな?何で死んだの?」


「だ、誰が言うもんか!」


「え、そんな恥ずかしい死に方をしたのか?」


「ち、違う!!もういい!」


「まぁいいや。色々と教えてくれ。」


「わかった。私は一週間前、この大陸中央部の最北端の町ホッカイデーへ転生した。」


「俺が来た次の日だな。で、何故ここに?」


「ホッカイデーで色々と情報集めてみて、ここが平和に一番近い場所だと思ったから。」


「なるほどな、俺らと考えは一緒だな。」


「普通野郎のあんたが私と同じ思考回路を?」


「うちのサリーの考えだよ。あいつはお前並みに頭がきれる。」


「道理で気が合うわけね。」


笑顔を見せる雪見。


「お前、少し静かになったな?」


「そう見える?」


「いや、どっちかっていうと疲れてるって感じだな。力のコントロールできないのか?」


「うん…ホッカイデーにいた時も町の人たちに迷惑ばかりかけちゃって…」


涙を堪えるように歯を食い縛る雪見に颯太が横に座り、優しい口調で言う。


「俺もだよ…全然使いこなせなくてさ、勝手に発動しちゃうことも多いんだ。でも、仲間は信じて慕ってくれる。お前も探せよそんな仲間を。」


(俺、なんて良いセリフを!!我ながら感動!!)


「颯太…変わったねあんたも。」


(よくぞ、ご存じで)


「そうか?」


「うん、ちょっと頼もしくなったわ。」


(聞くまでもない)


「ハハ、ありがと!」


「で、あなたの能力は?」


「エロ」


「今なんて?」


「エロと言いましたが?」


「え…ろ」


部屋全体を覆っていた氷が一瞬で溶ける。氷が溶けた場所には蒸気がたつ。そして、雪見はベッドから立ち上がる。


「な、何を怒っている!!!ちょ、待て待て。」


焦る颯太の胸ぐらを掴み、顔を近づける雪見。


「昔から言ってるよね?颯太君。エロいこととか一切するなって」


「は、はい!!いや実はこれはちょっとした手違いがありまして…!!」


「言い訳をするんだ?偉くなったものだね。」


「ひぃぃっ!!てか、この部屋暑くなってねぇか!?お、お前の能力は『雪』とかじゃないのかよ!!」


「黙れ小僧!!」


「ギョエェェェェッッッ!!!!」



10分後

今までのこと全てを話し、やっと雪見の怒りがおさまった。


「なるほど、それで『エロ神』になっちゃったと。」


「そ、そうだ…わかってもらえて、よかっ…た…」


干からびた颯太がベッドに床に倒れる。


「死んだか?」


「死んでねぇよ!」


そしてまたすぐ起き上がる。


「てかお前。力、コントロールできてんじゃん。」


「そ、そういえば。」


部屋はいつもと変わらない状況へと戻っていた。


「ソラからは温度変化と聞いていたが」


「感情がキーだったみたいだな。悲しみで寒く、怒りで暑く。でもなんでそんな地味な能力を希望したんだ?」


「希望なんてしてないわよ。あんなあやしい紙なんてすぐ捨てたわよ。」


「さすがは優等生…で、これからどうするんだ?」


「あんたと一緒よ。平和な世界をつくるのよ!!」


「おぉ!!では、是非うちのパーティーへ。」


(見るところこいつの能力は強い!!うちのパーティーに更なる強化が期待できる!!まぁでも)


「ごめんね、私は自分の仲間は自分で探すわ。」


「そう言うと思ってたよ。」


「さすが。」


「だてに幼なじみやってませんよ。よし、今日は泊まってけよ。それにまだ夕飯もまだだろ?うちのジェスの料理は最高だぞ。」


「ありがと、颯太!」


部屋を出て、リビングに向かうと雪見の温度変化によって干からびたサリーとジェスが倒れていた。


「二人ともし、し、しっかり!!!」


颯太が必死に二人を起こそうとする。


「はぁ…また…やっちゃった…。」


そして、雪見が悲しんだことでまた部屋が凍りつく。落ち込む雪見を見ながら颯太も凍りついていく。


(もうっ!!めちゃめちゃだぁぁぁっー!!)

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