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異能力バトルの世界で  作者: 悪死姫
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覚醒と無くした記憶

伯東麗奈Side


『…美咲…美咲っ…お前が悪いのよ!海に行こうなんていいだしたからよ!』

ードサッー

床に倒れ込む私。

美咲が死んでからお母さんは可笑しかった。

お母さんは私を殴っては泣きながら謝る。

私のせいで美咲は死んだのかな?

私は怯えながら自室へ戻った。


その日の夜の出来事。

『先生。麗奈の左目と美咲の左目をくり抜いてくれませんか?』

『どうしてですか?理由を聞かないと』

『私は今、球体関節人形を作っていまして、麗奈の左目を人形に入れ美咲の左目を麗奈に入れようと』

『なる程…。分かりました。明日、伺います』

お母さんと誰かの話声が聞こえて盗み聞きをしてしまった。

「お願い…朝が来ないで」

そんな願いも虚しく朝は来た。

『麗奈~。来て頂戴』

「はい」

大広間へ行くとベッドが置いてある。

「っ!?」

ベッドには美咲の死体。

透明な瓶には目が浮いている。

『麗奈。貴方の左目を頂戴?美咲は我慢したのよ。だから』

『麗奈ちゃんだっけ?大丈夫だよ』

そう言われると床に押し倒された。

「嫌っ!止めて!離して!」

『言う事を聞きなさいよ!』

お母さんに怒られた。

『麻酔打つからね』

これは夢だ。これは夢だ!

悪い夢なんだよ。

起きたらきっといつも通りに左目はあるから…。


「夢…?」

やっぱり夢だったんだ。

ホット胸をなで下ろし左目に触れる。

「えっ…嫌だよ…嫌ああああああああああああああああああああああああ!」

悲痛な叫びが部屋に広がる。

左目には空洞が出来ていた。

なんで夢じゃないの。

私の大切な左目が。

『麗奈…よく我慢したわね。1ヶ月ぐらいには美咲の左目が貴方の左目よ』

お母さんは私の部屋に入り囁く。

お母さんは私を抱きしめて言う。

『お母さんの話を良く聞いて』

「うぐっ…なんでっ…左目が」

『美咲の左目が入ったら眼帯を付ける事。美咲はね操り人形の異能を持っているから』

「うっ…操り人形?」

涙は枯れ果てていた。

もう、思う事はただ一つ。

死にたい。

でも美咲の分まで生きないと。

『お母さんが作る人形に一体だけ操り人形があったの。でも、不注意で壊れちゃってその呪いかな…』

「うん」

『美咲が生まれてすぐに能力者って分かったわ。麗奈は両目とも黒なのに美咲はオッドアイ』

美咲が眼帯の理由は能力を封じ込めるため。

「美咲はだからいつも…眼帯を付けていたんだ…。だからって、私にその左目を入れるだなんて!」

『美咲に普通の世界を体験して欲しいの。双子なのに美咲だけ右目は緑。左目は赤だなんて可哀想』

「分かったよ…お母さん」

そんな会話から1ヶ月。

私の左目は美咲の左目が埋め込まれた。


『操り人形の呪いかも知れないわね。本当に』

「その操り人形の目の色は?」

『瞳って言うのよ?お母さんの中ではね。操り人形も右目は緑。左目は赤』

「お母さんの腕の傷ってまさか」

『麗奈は感がいいわね。美咲は我が儘を言うとすぐに能力を出しちゃうからお母さんは死にかけたわ』

お母さんの寝室には人形を作る道具が沢山。

別の部屋には人形専用ルームがあるぐらいお母さんは人形が大好きだった。

左目が埋め込まれてから私の身体は可笑しい。

体中が痛くて寝込んでた日もある。

慣れれば平気に生活出来た。

お母さんに言うと身体から糸が出るからね。と言われた。

そんなある日、日常が崩壊。


私の住んでいるお屋敷が燃える。

業火に包まれながらお母さんは叫んだ。

『麗奈!麗奈は何処っ!?』

もう遅いんじゃないの。

全てはお母さんが悪いんだから。

「うっさいなぁ…黙ってよ」

『麗奈…?貴方は麗奈なの?』

手から糸を出してお母さんの首を絞める。

『うぐっ…!?麗奈…麗奈!止めて…あああああああっ…』

お母さんは無気力にぶら下がって死んだ。

床に落ちた美咲を抱きかかえて業火の中燃えさかる屋敷を歩く。

ふと、大きいドアに目が止まる。

お母さんの人形専用のルーム。

「…溶けてる」

熱風を浴びて人形は溶けている。

ドロドロに溶けて気持ち悪い。

美咲は無事みたい。

「あはっ…誰も居なくなったわ」

燃えさかる屋敷の中には私だけ。

美咲を抱きかかえて屋敷を出た。


我に返った時には何があったのかさえ覚えてない。

燃えさかる屋敷を見て泣いている私だけが居るだけだった。

そこで、出会ったのは長髪で銀髪の人。

行く当てもない私に場所をくれた。

でも、私は何もかも覚えてないまま自殺をしてしまう。

私は記憶を思い出せないまま、宮辻さんに助けられ新しい人生を送る。


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