覚醒し始めた能力
久しぶりに明るい外に出た。
いつも行動は夜だったから。
可愛いアクセサリーのお店に目が行ってしまう。
「可愛い…」
『おや、こんな物が好きとは意外ですな』
「…懐かしいから」
『買いましょうか?』
「いいのですか?宮辻さん」
『これぐらい安い買い物じゃ』
お店の中に入ると可愛い物が目に入る。
ルビーのネックレスを眺めて欲しいと思った。
エメラルドとか綺麗なダイヤが沢山。
「これ…欲しい」
『ルビー。瞳の色と同じですな』
店員を呼び普通にネックレスを買ってくれた。
「ありがとうございます」
『初めて出会った頃より生き生きしておる』
「居場所をくれたから。美咲も喜んでいますよ」
『時間ロスじゃが相手も来るのが遅いのぉ』
誰かと待ち合わせしているのかな?
美咲を抱きあげて囁く。
「大丈夫だから」
数分が経ち待ち合わせをしている人物が来た。
『来るのが遅い人間は嫌いなもんでな』
『俺だって忙しいんだぜ?って、そこの嬢ちゃん遊びに行くか?』
えっ、嫌だ。
「い、嫌っ!」
『そう言うと思ったよ。さて、どうする?宮辻』
『殺るに決まっておる』
喧嘩?
すると、路地の裏で拳銃を構えている人の気配を感じた。
マークされているんだ。
『うんじゃ、お構いなしに』
二人同時に複数の警官に襲いかかる。
この光景何処かで…。
待って、嫌だ。
考え事をしていて背後の警官に気づかない私。
振り返った時には遅かったらしい。
『見ない顔だが、お前もマークする』
冷たい声で言う警官にイライラしてしまう。
「初めて会ってその態度…嫌いなのよ」
そう言うと背後で血か飛び散る。
振り向けば脳漿と血をまき散らして頭が半分ない警官。
私の首から出ているのは糸。
最悪。
こんな場所で異能が出るだなんて。
『伯東!』
宮辻さんの叫び声が聞こえて我に返る。
警官は即死。
眼帯を付けているのに能力が出ちゃった。
『宮辻、俺に任せろ。嬢ちゃんを連れて逃げろ』
『後は頼んだ』
すると私は抱きかかえられて、路地に潜りこんだ。
「私っ…」
まさかと思った。
恐れていた事が…
そのまま私は意識を失った。