夢じゃない!?
初めての投稿。なんとなく思い浮かんだので。
続きそうですが続きません。もしも続きが浮かんだら連載するかもしれません。
魔法使いに憧れていた。魔法があればなんでもできる。それこそ奇跡のようなものも自在に起こすことができるなんて思って自分で魔法陣を作ってみたり呪文を書いてみたり。自分が魔法使いになったあとの妄想をしたりなんかしていた。
でも、所詮魔法使いは空想の存在だった。
……だった、はずだ。
だから、きっと僕は夢を見ているんだ。目の前で輝いている魔法陣も、それを産みだしている少女も夢だし、その少女に突然
「君には私の弟子になってもらう」だとか「私の世界へ共に行こう」だとか「魔法は女のほうが扱いやすい。だから君には女に変わってもらう」なんて言葉も夢だ。だから僕は。
「わかりました。僕を貴方の弟子にしてください」
そして、僕の身体は光に包まれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ん……っ」
目を開けるとそこには知らない天井が。
「……はっ!?何処ここ!?」
周りを見渡す。当然のように見知らぬ光景が広がっていた。僕の家は普通の一軒家だ。宙に浮く炎を持ってるなんてこともなく、全身映るような鏡を持ってるわけもなく、こんな上等なベッドを持っているわけもなく。隣に美少女が寝てるなんてこともある訳がない訳で。
よく見ると隣の美少女は夢に出てきた少女だった。
待て、あれは夢じゃなかったのか……?
「ん〜……なんなのよ……うるさいわね……」
目を擦りながら隣の少女が起き上がってくる。捲れた布団から白い肌が……って
「全裸あっ!?」
つい叫んでしまった。全裸で寝る人なんて初めて見た。ってそうじゃない。眼福です。じゃない……!!
ちょっと名残惜しいが身体ごと視線をそらす。女の子の身体に興味がない訳じゃない。寧ろ興味がありありである。でも無防備な少女の全裸を見るのは何か犯罪臭がして。てかなんで全裸なのさ。もしかして事後、事後なのか!?僕は知らない間に初体験を終えてしまったのか!?
「私は男と交わるつもりはないわよ。あとある意味では寝てる間に初体験終えてるわね」
「はうあ!?これが読心術!?」
「声に出てたわよ」
「なんだ、そうだったのか。て、初体験?」
「自分の身体を観てみなさい。あそこに鏡があるわ」
少女の指した先を見ると先程見つけた全身鏡が。
……今更だがなにか声おかしくない?高くない?そして自分も全裸じゃない?
冷静になってみると自分の身体に違和感を感じる。
……どうしよう。自分の姿確認したくない……。
嫌な予感しかしない。そういえば夢で僕を女にするとか言ってた気がする。いや、まさか。そんなわけ……。
ゆっくりと鏡の方向に歩いて行く。うん。まだ鏡からは離れてるけれどわかる。このシルエット、女だわ。それも華奢な。男なら腰のくびれなんてないし、胸が膨らんでるわけもない。ははは……。
「女になってるゥゥゥ!!」
うるさいという声と同時に何か硬い物が飛んできて頭に命中し悶絶した。痛い。
拙作を読んでいただきありがとうございました。