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47章 四天王

 8階層に侵入した俺達は息を呑んだ。

 8階層は神殿であった。

 巨大な大理石を思わせる柱が立ち並び、随所にステンドグラスや調度品によって彩られている。


 「壮観だな……」


 ダイチさんも感激している。

 ヒマワリちゃんとアンリさんも周囲を興味深そうに見渡している。

 サオリは冷静に周囲を警戒している。でもチラチラとステンドグラスとか見ているので興味は深々のようだ。


 「なんか雰囲気が違いますね。」


 「そうだね、敵の気配がしない……」


 その言葉を裏付けるように一番奥にある扉まで敵の来襲はなかった。


 「罠じゃないといいけど……」


 サオリのつぶやきにみんな緊張感を高めて扉に手をかける。

 木製の重厚な扉を開けるとそこは大広間になっており、中央に漆黒のフルプレートを身に着けている騎士が立っていた。


 「よく来たな勇者よ! 我は四天王が一人 ガーランド!

 この場までたどり着いたことに敬意を示し、我が相手を致す!

 尋常に勝負!!」


 背後から巨大な幅広の剣を抜く、その刃まで漆黒。


 「いいね! こうじゃなくっちゃ!」


 名乗りからの戦闘に滾らない男の子は居ないのである。


 「燃えてきたニャー!!」


 滾らないウーニャもいない。


 「行くぞ!」


 「まずは慎重に出方を見てね!」


 サオリさんは冷静だった。

 いつものようにウーニャが突っ込みそれを俺が追う、

 ダイチさんはガンナーの上位職リベリオン、ヒマワリちゃんはレンジャーの上位職天弓、アンリさんはプリーストの上位職ホーリープリンスまで成長している。

 基本的には浮気することなく一直線に上位職へ進んでいる。スキルとか職とかはもちろん自由に選んでもらっている。サオリも助言はするけど強要はしない。

 ガンナー系の職業はハッキリと火力特化、普段は冷静なダイチさんも戦闘中はそりゃーもうぶっ放しまくる。小さな声で「シネ、シネ」と呟きながら。

 レンジャー系の中でも天弓という職は弓に特化している。レンジャーは罠をつかったり動物を使役する仲魔に似た攻撃もあるんだけど、天弓はそれらを排除して弓だけだ。その分対個人、対軍勢までこなせる。

 特にアローハリケーンはとんでもない攻撃範囲にとんでもない量の弓を降り注ぐ恐ろしい技で、何が恐ろしいって前衛にも降り注ぐ、

 フレンドリー・ファイアーがないからいいけど身体に降り注ぐ雨はわかっていても恐ろしいのです。

 ホーリープリンセスは回復、支援のエキスパート強力な回復だけでなく、各種属性攻撃に対する耐性を上げたり、状態異常を未然に防いだり、遠距離攻撃を阻害したり、もちろん身体強化魔力強化と支援系スキルも目白押し、スキルポイントがいくらあっても足りないってアンリさんは嘆いている。

 基本的に何度か戦闘していてアンリさんは固定メンバーになっている。

 やっぱり回復が安定するのは全てにおいて大事。

 サオリも大賢者になっているけど、支援も回復も攻撃も妨害もとオールラウンダーを目指しているのでそれぞれは一流ではあるが超一流ではない。

 特化している人には勝てない、それでもかなり強い。

 知識や使いドコロを的確に判断するからってのが大きいね。

 さすが俺の嫁。

 ウーニャは、忍者だね。うん。忍者。

 俺は基本は日本刀二刀流、一応徒手空拳、鈍器、両手剣、盾両手持ちを使い分けるようにしている。こんなの俺じゃないとJob経験値が足りるわけがない。

 これでもまだ経験値は残してある。

 スキルもそれぞれの上位スキルまでは抑えているが、スキルポイントには余裕をもたせている。

 まだ明らかにされてないスキルがたくさんあるからね。

 

 戦闘は、今までで最高に楽しいです!


 「ほほう、やるではないか! 我にこれを使わせるとはな!

 ミラージュボディ!」


 「ガーランド! さすが四天王! って分身!?」


 「卑怯なのニャ!」


 「ただのマヤカシではないぞ、我と同等の力を持つ! 

 だが、まだ底が見えぬお主ら、我を飽きさせるなよ!!」


 「抜かせ! その余裕いつまで持つかな!?」




 「男の子って好きよね、こういうノリ。」


 「しかたないよね~。」


 「楽しそうで何より……あ、マキシヒール」


 ノリノリの男性陣と一匹。冷静な女性陣であった。

 

 「グランドザッパー!!」

 両手剣スキル強力な振り下ろし、そしてそこから派生する剣戟に下段からの打ち上げによる剣戟を重ねて敵に叩き込む技、必殺技は口に出す派です。


 分身のガーランドに渾身の一撃を食らわせると鏡が砕けるかのように消えていった。


 「ば、馬鹿な! おのれこうなったら我が本気を見せてやろう!!」


 ガーランドは剣を高々と構えると鎧がうぞうぞと蠢き剣へとまとわりつく。


 「今隙だらけなんだけどなぁ……」


 「変身中に攻撃とか絶対だめ!(ニャ!)」


 「はぁ……」


 大剣は禍々しい姿に変わり、ガーランドの鎧は重厚なフルプレートから軽装なチェインメイルのように姿を変えた。


 「今までこの姿を見て生きているものは四天王の長ただ一人!!

 行くゾ……ニンゲン!!」


 今までの華麗な剣技から一転、荒々しく防御を捨てて苛烈な剣戟を浴びせてくる、鎧が減ったことでスピードも段違いだ。


 しかし、防御を捨ててかかってくるのは愚策、そもそもスピードが上がっても俺とウーニャの方が速いのだ。

 

 「止めだー!! 次元断!!」


 「食らうニャー! 千手猛撃爪!!」


 「マキシマムミリオンショット!!」


 俺とウーニャ、ダイチさんの集中砲火がガーランドを捉える。


 「ミ……ゴト!」


 ガーランドは満足したように灰になって消えていった。


 「ガーランド……お前の名は忘れない……」


 ドヤ顔で灰をつかむようなしぐさをしながらそうつぶやく。



 「オマエノナハワスレナイ」


 その後しばらく飲み会でこのネタでいじられるようになったけど、

 悔いはない。オトコとはそういうものだ。

 ウーニャはマスターかっこ良かったニャってほめてくれたし、

 ダイチさんがヤラナクテヨカッタってつぶやいていたのもちゃんと聞こえてたもんね。

 サオリはちょっと引いてたけどね。


 なんにせよ、大きな壁をまた一つ超えられた。


 




 

 

 

 

 

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