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おまけ3 ゲーム

 「師匠!! お久しぶりです!!」


 元気に私の部屋に入ってきたのは私のことを師匠と呼ぶ不肖の弟子だ。


 「次目覚めた時は、君の望みが叶うよう最大限努力するよ。」


 驚くべきことに私が初期に作ったゲームをクリアしたキャラにそう告げる。


 「師匠! 僕が作ったゲーム見てくれました!?」


 「僕が作ったって、ベースがほとんどヴェルがつくったやつじゃないか。

 お前はヴェルに甘え過ぎなんだ、ヴェルはヴェルでススクに甘いしな……」


 よこからツッコミを入れているのが僕の友人、といっても年上だがウール。

 キャラの緻密な設定や思想行動プログラムは私なんかよりも遥かに上だ。


 「ウールさんだって甘いじゃないですか。それにススクにも一人でやれーって連絡取れないようにするぐらいは師匠として厳しくやっているんですよ。」


 「まぁ、確かにこの戦闘系の作りこみは褒めてやってもいいな。

 そっちのキャラたちもそれなりに楽しんでくれているし。そこはよくやった。」


 ほら、甘い。


 私達がやっているのはそのままズバリ、世界ツクール(ワールドクリエイター)というゲームだ。

 その名の通り世界を作りそこに自由なキャラを配置したり、

 景観を楽しんだり、時には自らキャラとして遊んだり、

 その自由度は無限と言っていいほどある私達の世界のゲームだ。


 「さっきのキャラを僕の世界に送るんですか?」


 「一応その方向で考えてる。そっちのウロボロスの設定終わったら、リソース回してくれ、さっきの記憶とか微調整する。」


 「わかりました。ところでススク、このキャラそっちにこのままのレベルで送ってもいい?ここまで頑張ったからそれくらいはしてあげようかなって。」


 「全然いいっすよ! 転生したものはチートもってないとね!」


 「そういや、なんでこいつだけ輝石購入チート持ってんだ?」


 「ああ、裏技的にレアスキルみたいなの百万分の一で発現するように仕込んでおいたので。それこそ、転生者はチート持ちが主人公ってお約束です。」


 「おまえら、好きだなそういうの。俺も好きだが」


 「でも、クリアした時の報酬はちゃんと渡しますよ! 約束ですからねこいつらとの!」


 「おー、そうしてやれ。」


 「なにを望むのか楽しみですね。」


 「思いもよらない事をしてくれるのが俺の楽しみだからな、いいことも、わるいことも」


 今はそれぞれ別の世界を管理したりしてるけどススクは新しい世界に夢中。

 私はもっと小規模の市レベルの内政管理ゲームが今は一番期待していて、

 ウールさんは原始的な生活から進化を楽しむのが好き。

 バラバラな3人だけど気があってよく遊んでいる。

 みんなこのゲームが好きで、そして作った世界を愛している。

 それが共通してるから馬が合うんだと思います。


 いくつもの世界をいろんなキャラが彩ってくれる。

 

 ふと、私達も誰かのゲームのキャラなのかも、そんなことも考えたりします。

 それでも、このゲームを与えてくれたことに感謝しています。


 願わくば、私達の作る世界のキャラたちが幸せでありますように。

ご都合主義でございます。

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