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おまけ3 サオリ

 まもなくアップデートが終わる。さっきからステータス画面が更新されたりスキルツリーなんかが出てきているが細かな操作はまだできない。

 これが分割パッチってものなんだと思う。後もう少しで世界が広がる。

 こんな異常な世界に放り込まれた状態でもゲーム好きな私はちょっとワクワクしちゃう。


 「なんか分割してパッチって言ったけど、何も来ないね?」


 タカシが不意にそんなことを言ってきた、何故かその言葉に言い知れぬ不安な気持ちになる。


 「え? タカシステータスとか更新されてないの? スキルツリーとかは?」


 タカシは返事をしながらコンソールを確認している。


 そして、


 私の不安が現実のものになる。

 目の前からタカシが消えた。


 その後のことを私はあまり覚えていない、泣き叫んでタカシを探す私をダイチさんとヒマワリちゃんが落ち着かせてくれて家に連れて帰ってくれた。

 それからしばらくも発作的にパニックになってしまいそのたびに周りの人が助けてくれて、今ではだいぶ改善した。

 私はタカシが拠点の家にフラッと帰ってきていないか何度も確認しに行くのが日課になっていた。


 そして、タカシが消えて2週間がたった日私は気がついた。

 タカシの部屋のテーブルの上にものすごく薄くなっているけど絶対神の水晶。

 タカシと一緒に手に入れたあのアイテムの姿があることに。


 「タカシ!! タカシ!! ここにいるの!?」


 「落ち着いて! サオリちゃん!!」


 いつも心配して一緒にいてくれるヒマワリちゃんに制止される、


 「違うの! ヒマワリちゃんそこ!!」


 私はそのテーブルの上を指差す。


 「・・・・・・? なにか・・・・・・ある?」


 どうやらヒマワリちゃんもそこにうっすらと存在するモノに気がついてくれた。私の幻覚じゃないんだ!


 「それ! 水晶! 絶対神の水晶!! タカシと90階で手に入れた水晶なの!!」


 そのあとヒマワリちゃんはダイチさんを呼んでくれて一緒にその水晶を確かめてくれている。


 「確かに、すごく朧気だけどここにあるね。さわれもしないしアイテム説明もでないけど・・・」


 ダイチさんはそれがあるところを目を細めながら見ている。


 「たしかコレ、タカシ君が移動するとそのそばに現れてたよね。つまり今たぶん前の世界にいるタカシくんがここにいるってことなんだよね?」


 「うん、うん・・・・・・」


 私はタカシが生きていてくれていることを心の底から喜んでいた。

 

 タカシが消えた後、いろいろな人が絶対神に連絡を取ろうとしたが、

 どうやらDMなどの方法では返信もできない、大声を出そうが何しようが、

 アップデート以降絶対神が声をかけることも活動することもなかった。

 各種族の神様でも絶対神に連絡することは出来ないそうだ。

 ゲーム自体はダンジョンバトルが別次元の物へと変わっており、

 全体的に積極的にダンジョン攻略の波が世界中を包んでいた。


 私はタカシを失ったショックから、何もしていなかった。

 でも、タカシが生きているとわかった以上はじっとしていられない!


 「私が絶対神のところへ一番に行ってタカシを連れ戻す!」


 私を救ってくれたタカシを、今度は私が助ける!

 その日から私の全てはその目標のために存在することになった。


 ときどきタカシの部屋に来て気がついたんだけど、タカシも結構頻繁に移動をしている。長時間水晶が消えることも珍しくなかった。

 タカシも頑張っている!

 それがまた私の頑張る糧になった。

 そして、夜になるとタカシ部屋にいることが多いみたい。

 ただ一週間に1・2日帰ってこない日もある・・・・・・

 どこに行っているんだろう?


 私の戦いの日々も始まったのだ。



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