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10章 天狗の鼻をおる

中央に祠のような神殿のような建物の中に女神の泉が神々しい姿を映している。

女神の泉を中心に放射状にまっすぐとした石畳の道が伸び

商業区、工業区、行政区、住居区、軍事区、娯楽区、正面門そして

城へつながっている。

街全体が白を基調とした中世ヨーロッパのような美しい町並みになっており

街灯や花壇なども所狭しと街全体を華やかに演出している。


昼には昼の美しさがあるが夜の美しは圧巻であった。


「それにしても、これは・・・」

城での宴に招待されていたのでホテルから外に出ると、

「「「「「勇者様ばんざーーーーーーーい!!!」」」」

女神の眷属による熱烈な歓迎とパレードであった。

転移門や泉、ホテル、冒険に必要な道具、武器、防具、素材などを扱う建物は

中央に集まっており、そこから城に伸びる道の両側に

発展によって戻ってくることが出来た住民が

ぎっしりと集まっていた。

俺たちはオープン型の馬車に乗せられて城に向かってパレードを行っていた。

「は、恥ずかしい・・・」

サオリさんはとなりで小さくなってうつむいてる。

「イヤーーーーどーーーもどーーーーも!」

一方俺は調子に乗ってはしゃいでいた。


「ようこそおいでくださいました勇者様方」

執事のような初老の男性が入り口の大きな門の前で

後ろにメイドを率いて待っていた。

「主様がお待ちです、どうぞこちらへ・・・」

ビシっとして思わず見惚れてしまう、執事なんて見たこと無いもんなー


謁見の間、王座には女神が座っていた。

俺の知っている女神ではない、

たぶんこれが本来の女神ヴェルダンディなんだろう

美しい純白のドレス、威厳に満ちた姿、なんとなく後光も見える。

そして何よりその表情、なんというか自信に満ち溢れているというか

うん、なんか溢れすぎててなんか自分以外を見下しているような・・・


「よく来たな勇者たちよ、お主たちのおかげで我が眷属も眠りから目覚め

我が王国もここに再建した・・・!」

感極まったように天を仰ぐと

「く・・・くく・・・くっくっく・・・・ファーーーーーハッハッハ!!!

ついに!ついに蘇ったぞ!さらに過去よりも強大になって蘇った!!

赦さぬぞ下賤の種族どもめ!コノウラミハラサデオクベキカ!!」


あ、だめだこれ・・・


「あのー・・・」

「おお、貴様にも感謝しておるぞ、さぁ今宵英気を養い

明日からは他の種族を血祭りにあげるのだ!!

(よその種族のダンジョンを攻略しろ)」

「なんかいまのヴェルダンディさん嫌なんでもう協力しなくていいっすか?」


「え?」


「いや、前のヴェルさんなら協力しますけど、なんか協力する気が失せました」

「・・・・・・・・・」


見事に顔色が青くなっていくものだ


その日俺は生まれて初めてジャンピング土下座を見た。


「大変申し訳ございません、一種の熱病のようなもので

私の思考が狂っていただけなのでどうか、どうか、勇者様の

ご助力をお願い致します!」

目の前で土下座する女神が頭をゴリゴリ擦りながら訴えてくる

「取り敢えず謙虚にいましょうよ、そして他の種族を見下すのもやめましょう。楽しくやっていきましょう」

「ありがとうございます、そのお言葉を胸に刻み今後とも勇者様のお手伝いをさせていただきます!」


それからは普通に復活祭という宴を楽しんだ。

日常生活では見たこともないような料理をたっぷり楽しんだ。


朝起きると部屋の扉をノックする音が聞こえる

扉を開けるとサオリが立っていた。


「マップ開いてみて 」


そう言われてマップを広げると女神の地域にたくさんの吹き出しが出ていた。


「サブクエがすごい増えたね」


サブクエストダンジョン、通称サブクエ

便利機能を解放したり素材を得るためのクエストみたいなダンジョンだ


「サブクエ出来る限りやろう、

そうすれば私も輝石をてに入れられるし色々と協力できるようになる。」


「領地クエとかもでたし、でもまぁ100階クリアしてからにしよっか」


50階までが楽勝すぎて女神に謙虚にーなんて言っておいて

俺は調子に乗っていた。


そのことを51階以降俺は思い知らされた。

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