第15話「大胆カットで大変身!?」[13]
ファッションショー会場に到着した優里と結衣は、興奮しながら様々なデザインの服を見て回っていた。
会場内は華やかな音楽とスポットライトに包まれ、ランウェイの上を堂々と歩くモデルたちが、最新のファッションを身にまといながら観客の視線を集めている。
ドレスの裾が風を受けて揺れるたび、観客席からは拍手と歓声が湧き上がった。
「わぁ……すごい!」
優里は思わず足を止め、目の前で輝くステージに目を奪われる。
彼女の目に映るのは、自信に満ちたモデルたちの姿と、それを見つめる観客たちの熱い視線だった。
優里が笑顔で言った。
「結衣ちゃん、ファッションショーって初めて来たけどこんなに楽しいものだったんだね!」
結衣も目を輝かせながら答える。
「でしょ?見て、このドレス!すごく綺麗だよね」
結衣が指差す先には、真っ赤なドレスをまとったモデルが堂々と歩いている。優里はその姿に息をのんだ。
「こんなに自信を持って歩けたら……私も少しは変われるのかな」
優里がつぶやくと、結衣は軽く肩を叩いて微笑んだ。
「変われるよ。だって、優里ちゃん、もうその髪型ですっごく変わったじゃん!」
その言葉に優里は思わず頷き、再びステージに視線を向けた。
友達と一緒に楽しむことができるだけでなく、自分の個性を大切にすることの意義も理解するようになった。
ステージでモデルたちが輝く姿を見つめる優里の瞳には、新しい自分への期待と、これからの人生に対する希望が宿っていた。
ランウェイの端で一人のモデルが振り返り、次のポーズを取ると、スポットライトが彼女の顔を浮かび上がらせた。
その瞬間、優里の胸に何かが湧き上がった。
「私も、こんな風に堂々と自分を表現できたら……。」
短く切りそろえられた髪がふわりと揺れ、優里はふと自分の耳元に輝くイヤリングに手を触れた。
ふと葵の言葉が優里の頭をよぎる。
―――「新しい自分を楽しむ気持ちが、自信を作っていくんです」
優里の唇に自然と笑みが浮かぶ。
ステージの輝きが、まるで自分を誘っているように感じられた。
それを見ていた結衣も隣でにっこりと笑っていた。
一方、梓と美咲は、そんな2人を横目に、互いに複雑な表情を交わした。
梓はふてくされた顔で言った。
「フン、優里なんて、本気を出せば私の方がずっと可愛くなれるわ」
美咲は苦笑しながら言った。
「そうだね、梓の本気って怖いもんね」
しかし、美咲の心の中では、梓の負けず嫌いな性格に少し呆れていた。
それでも、お互い同じ穴の狢だと理解し合っているため、二人は親友であり続けた。
梓は優里を見て、心の中で固く誓った。
「(次は私が見返してやるわ)」
美咲は梓のそんな姿に内心苦笑いしながらも、表面上は彼女を応援することにした。
「(―――梓、頑張れよ)」
葵にもらった花のシルバーイヤリングを輝かせ、大胆カットで大変身した優里はその日以来、明るく外交的に変化していく。
これも葵がもたらした"ハピネスカット"の効果なのかもしれない。
こうして、優里は新たな人生の扉を開く一歩を踏み出した。
彼女は自分の魅力を大切にし、人生を楽しむ力を手に入れたのだ。
―――新しい髪型、新しい物語。葵が紡ぐ、幸せのカットはまだまだ続く。




