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ハピネスカット-葵-  作者: えんびあゆ
松岡優里編

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第12話「大胆カットで大変身!?」[10]

ピクシーカットに似合う服やメイク。

目の前にいる人に寄り添う美容師―――藤井葵は笑顔で答える。


「いい質問ですね。ピクシーカットはシャープな印象が強いので、シンプルなデザインの服や、フェミニンなスタイルが特に似合います。メイクに関しては、ナチュラルメイクがおすすめですが、たまには大胆なカラーも楽しんでみると良いですよ。」

私は葵の答えに興味津々で聞き入り、自分自身の外見について考えることが少しずつ楽しくなっていく。


「なるほど!シンプルな服とフェミニンなスタイルか…これからいろいろ試してみたいな。メイクも大胆に挑戦してみるのも楽しそう!」

葵は意欲的な様子の私を見て、満足げに微笑む。

「そうそう、優里さん。自分のスタイルを楽しむことが大切です。これからもどんどん挑戦して、自分に似合うスタイルを見つけていってくださいね」


「それでは」と、葵は微笑んで、「メイク代は私からのサービスにしますね」と言いながらメイクセットを取り出す。

「え、私、メイクなんて……大丈夫です」

そんなことを言う優里の言葉を気に留めず葵はメイクを始める。


「まずは、優里さんの肌の透明感を生かしましょうね」

そう言って、葵はほんのりと明るいベージュのファンデーションを薄く伸ばし、優里の肌を均一に整えていく。

「これだけで、もう十分キレイです。でも、さらに目元を少し華やかにしましょう」


優里の目元に、肌なじみの良いピーチトーンのアイシャドウを薄く乗せ、目尻にかけてほんの少し濃淡をつける。

「自然な感じで目が大きく見えますね」

さらに、まつ毛に軽くマスカラを塗り、カールをつけることで、瞳が引き立つように仕上げた。


「最後にチークとリップで、全体をまとめます」

葵は笑顔で、小さなブラシを手に取り、頬にさりげなく血色感を加える。柔らかいピンク色が、優里の表情をふんわりと明るく見せた。

リップには、ナチュラルなピンクベージュのグロスを薄く塗り、唇にほんのりツヤを添えた。


メイクが終わった優里は、鏡の中の自分を見つめる。

自然な仕上がりでありながら、肌は輝き、目元と唇が引き立った顔立ちに驚きの表情を浮かべる。


「なんだか、新しい自分になったみたい…」

優里は鏡に映る自分の変化に驚く。葵のカットによって、髪はすっきりとしたピクシーカットに生まれ変わり、その新しい髪型に合わせたナチュラルメイクで、顔立ちもより一層引き締まって見える。


「本当に、こんなにキレイになれるなんて信じられない…」優里は目を丸くする。

葵は優里の変化に満足そうな笑顔で見守る。


「優里さん、素敵ですよ。あなたの美しさが引き出されています。」

「ありがとう、葵さん。こんなに勇気を持って変わることができたのも、葵さんのおかげです。」

そして葵は優里の髪を軽くセットし、店内の隅にあるカギのかかった引き出しに向かった。

引き出しを開けて取り出したのは小さな花の形をしたシルバーイヤリング。それを優里の耳にそっと取り付けた。

葵は少し緊張した表情で言った。


「これ、優里さんにプレゼントします。どうか、新しい自分を大切にしてくださいね。」

優里は葵がイヤリングを取り付ける際の表情に少し気づき、そのイヤリングに何らかの特別な思いがあるのではないかと感じる。

しかし、それ以上は葵から聞くこともなく、そのままイヤリングを受け取った。


その瞬間、優里の顔が一段と明るく見えるようになる。

「これで、さらに魅力的になりましたね」と葵は微笑む。

優里も顔を赤らめながら、うれしそうにうなずく。


葵は再び優里を全身鏡の前に連れていき、彼女の変わり果てた姿を見せるために、決め台詞。


「あなたの魅力、引き出しました!」

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