小女神たちのプロローグ
暗闇の中
「×××××××」
「どうしたの、お母さん?」
「×××××××、あなたには大きな役目がある。それは、みん××××××をす×××と。」
「大変だと思うけど、体に気をつけて頑張ってね。私は、×××××××を愛してるわ。」
「うん、私もだよ、お母さ…」
いきなり目に光が差し込んできた。周りは明るい。
もふもふのマット、その上の小洒落た小さめのテーブル、そのまた上にはお菓子をいれておくボウル。
ここまでは昨日と何にも変わらない。んだけど…
「あれ、なに?」
私の隣でごもっともな疑問の声。
朝起きると“それ”は菓子入れボウルの上にいた。…いや、“それ”というか恐らく私達と同じ存在。
体は小さくその大きさは人間の1/100程しかない。人間によって生み出され、しかし認識はされず、そのほとんどが一週間ほどで息絶える。
彼女は運がいい、生まれたすぐ近くに私達がいたのだから。
「まずは名前だね」
さっきとはまた別の隣から一言。
「名前か〜」
今度は後ろから。
「その前に起こさないと」
そう言って私は彼女を揺すった。
最初の目覚めは時間がかかるってよく聞くけど…
そんなことを考えていると彼女はもう起きていて、ぽかんとした顔をしていた。
後ろから手が伸びてきて彼女のほっぺをつく。
「わ~!ぷっにぷにだ〜!」
「「「えっ、」」」
私を含む3人が反射的に手を伸ばす。
「はもったねぇ〜」
後ろから、からかってくるような声。
何を言われようと気にならない。そのくらい彼女のほっぺはさわり心地の良いものだった。
他の2人もそう思ったのだろうか、誰一人として手を止める気配はない。
・・・
4人でしばらくぷにぷにしていると、彼女は笑い、そして私達にぷにぷにされながら口を開いた。
「おはよう?」
続けざまに可愛らしい声
「ここは?私は?」
私達4人の手は止まり、私はほっぺから手を離した。
そして、ここにいる4人を代表してその質問に答えた。
「おはようございます」
「ここはとあるお家のリビング、詳しくは私達も知らない。ただここにいれば安全っていうことは確か。」
「あんぜん?」
またぽかんとした顔に戻る。
いつの間にか他の3人も彼女から手を離してなにか話し合っている。
「そう、私達もいますし、とりあえずは安全です。」
納得したのか今度は笑顔。
「そうしてあなたは、…いいえ、私達とあなたは『小女神』という存在です。」
「こめがみ?」
「そうです。名をもらい、その名を呼んでくれる者がいて成り立つ存在。それが小女神です。」
ふと、彼女は悲しい顔した。
「どうし…」
「「「ポニ!」」」
話し合っていた3人の声が私の言葉を遮った。
「ポニ?なんですそれ?それに私の言葉を遮っ…」
「「「『名前』だよ」です」。」
また遮った。今度は語尾バラバラだし…
「それでどうしてポニに?」
3人曰く本当は“ぷにぷに”や“ほっぺ”の要素を入れたかったけど、いい名前が思い浮かばず、語感も“ぷにぷに”の“ぷに”に似ているし、何より彼女の髪型がポニーテールなこともあったので、『ポニ』という名前に収まったとのこと。
それを聞いたからか彼女はまた笑顔に戻っていた。
「この笑顔を見るに、名前は『ポニ』で良さそうですね。」
ポニが、
「ポニさん、ここで、この5人で一緒に暮らしましょう。」
ここにいる5人全員が頷いた。
そうして小女神たちの日常は始まるのですが、それはまた別のお話。…ではなさそうです。
まずは「小女神たちのリビング」を読んでくださりありがとうございます。
かる~い気持ちでX(旧Twitter)で書き始めた「小女神たちのリビング」ですが、まさかスマホでポチポチしてXにポストして、それでプロローグが書き終わるんだから、すごいものですね。
これからもXで書いたものに少し手を加えて小説家になろうに投稿しようと思います。
またスローペースになるかもしれませんが小豆乃こまめの作品をどうぞよろしくお願いします。