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仮面夫婦

「俺はお前を愛すつもりはない」


 そう切り出した。


「・・・・・」

「不満か?だがなこっちにも事情があるんだ、いろいろとな」


 どう反応したらいいものか迷ってたら話が進んでいく


「まず俺には既に恋人がいる、そいつと俺が何しようと文句は言わないでもらおう、ああもちろん聖女殿はここで自由にしてもらって良い、生活は保障するし国からも聖女用の資金が組まれるだろう、俺の金も好きに使えば良いし恋人でも愛人でも好きに作ってくれて構わん、俺だけじゃフェアじゃないからな。」


 私はこくりとうなずく。


「っ!・・・そうかわかってくれて助かる、他の奴等は別れろだのなんだのと、うるさくてかなわん。」


 ヴンシュさんは私がうなずいたことに一瞬驚いた顔をしたが疲れたようにため息をつきながら話す、周りからいろいろ言われてたのかな?。

 まぁ、私だって今日いきなりここに連れてこられて知らない人と婚約だ何だといわれてもいきなり仲良しこよしなんてできっこないし色々整理したいこともある、彼にだって生活があるんだ仕方のないことだ。仮面夫婦でもなんでも双方が納得するのなら良いだろう、私はそれで構わない。


「まぁ、後継ぎ作れと言われたら嫌だろうが従ってもらう、これは国の将来のためだから王命には逆らえない、王が望むのはだからな。」


 うん?


「ああ、俺の家系は聖女の血が混じってるんだ二代目王の王子と初代の聖女が結婚して分家になったんだ、あの頃は聖女と王家の結婚が認められなかったからな、そんでその中で一番濃く遺伝を受け継いだのが俺でこの黒目黒髪と肌はその証拠ってわけだ。」


 私が首を傾げたからか丁寧に説明してくれた、この人なんだかんだ文句は言うがやっぱり面倒見はいいのかもしれない。

 というか黒目黒髪は分かるけどその褐色の肌は日本人にはあまり見ない感じだけども初代聖女は日本ではない別の国の人なのかな?


「そして俺と聖女の間に子ができればその子供は魔力が高い魔法使いになりこの国は安泰になるってことだ、分かったか?」


 私は分かったとうなずく。


「・・・おまえずいぶん物分かりがいいというかなんというか、いきなりここに連れてこられてこんなこと言われて、不満とか文句とかないのか?元の世界に帰りたがるそぶりもないしよ。」


 私がうんうんと赤べこのようにうなずいてるのが不思議なのかそう聞いてきた。


 ・・・・別に私がどこにいようがすることは変わらない

     言われたことだけをすればいい

          逆らわず

          忠実に

     言うことを聞いてればいい

     それに、あそこに帰らなくていいなら

          痛くて

          暗くて

          冷たい

 あの家に帰らなくていいならどこだっていいのだ。

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