困惑
「・・・これが」
「・・・聖女」
「・・・・・・・」
「なんとまあ」
「うそだろ?」
最初にいた暗い部屋から移動して今は明るい部屋の会議室らしきところで偉い人達に囲まれてめっちゃガッカリされてます
「まぁ来てしまったのはしょうがない話を戻そう、私はこの国ゲッシロッセンの王ランズベルク・エレステッドじゃ」
この中で一人王冠を被った初老の男性が話す
・・・なんかめっちゃ失礼なこと言われた気がする
「そなたは今代の聖女としてこちらに召喚された、期待しておるぞ」
何にだ?
「さてまず質問をする前に名前を聞こうか、そなたの名は?」
・・・まずい私喋れないんだけれども、どうしようか、じゃぁ・・・
春は手話で『私は佐々木春です』と言ってみるも
「それは何だ?」
と言われてしまう
うーん伝わらないか、まぁ手話って口話と一緒にしないと伝わりにくいし、というか口はマフラーで隠れてるし、そもそもこっちに手話ってないのかな?・・・じゃぁ
今度は通学に使っている大きなリュックの中からさっき買った新品のノートとペンを取り出す。
周りはなんだなんだと興味津々な目をノートに向ける中さっきと同じように『私の名前は佐々木春です』と書き込み王に見せる。
「ふーむそれはそなたの国の言葉か?まったく見たことのない文字だ」
なんてこったい!これでは会話ができないではないか!
どう意思疎通したもんかとうーんと考えていると
「はぁ、普通に言葉でしゃべれないのか?それともその首に巻いてるので封印でもされてるのか?」
左隣に座っているさっき騎師団長と言われた男がため息をつきながらそう言い大きな手を伸ばしてくるので身を引いて取られないようにマフラーをつかみ首を横に振る
「・・・こっちの言葉は分かるのか?」
私は首を縦に振る
「こっちの言葉は分かるが言葉を発することができない?」
首を縦に振る
「・・・だそうですよ王」
騎師団長はため息をつきながら王様に言う
「ふーむ、だとすると困ったのう名前もわからぬし魔法を覚えさせることもできぬではないか」
とがっかりしたように王が言う
すみませんねぇこんなのが来て