優しい存在
今日もありがとうございます。
昨日にこれを投稿しようと思ってたのですが、無理でした。
今回は新しいキャラの登場、ヒロインの思いといった内容です。
ブクマ―クと評価、どうぞよろしくお願いします。
では、前回の簡単なまとめ!
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おそいかかる食虫植物の大群。
フォルテは捉えられ、食べられそうになる。
しかし夏瑠亜は助ける気などない。彼はフォルテに残酷な目線を向ける、、、。
ナナセ・シャルルカンはあまりイケてない男だった。
また、彼は女性のおねだりに弱かった。
さらに、それを自分への好意だと勘違いしてしまう自意識過剰な男であった。
ナナセは今日、ギルドで女性の先輩にこう言われた。
「この依頼、用事ができて行けなくなっちゃったから代わりに行ってくれないかな~?私、ナナセ君のこと信じてるよ!」
嘘であってもそんな一言でナナセは了承してしまうやつである。
「もちろん!先輩のために頑張ります!」
ナナセはギルドを飛び出していったのだった。
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「俺の最強の魔法を受けてみろー!!」
ナナセは一人で盛り上がっている。
彼は森の奥地で食中植物と戦っていた。
依頼の内容は、”夏になって増えすぎた食虫植物を駆除してほしい”というものだった。
依頼者は”森の生き物を守る会”。
ナナセの魔法は「氷」。
彼は尖った氷の刃で次々と食虫植物を切り刻んでいく。
彼の働きにより200匹くらいいた食虫植物はあっという間に死に絶えていった。
「俺様にかかればこんなの楽勝だぜ!」
彼は鼻を高くして死体の山を見上げていた。
ついでに彼は、先輩に褒められて告白される妄想までしていた。
空想の中で彼がデレデレしているときだった。
「ん??」
ナナセは遠くで誰かが戦っているような気配を感じた。
なんとなく彼は気配のする西側の方へ行ってみることにした。
1キロほど移動したときだった。
「助けて!!!!!!!!」
ナナセはすぐ近くで少女の叫び声を聞き取った。
女の子に敏感な彼は”助けたい”と心から思い、魔力でターボをかけ、声のする方へ猛ダッシュで飛んでいく。まるでミサイルのように。
生い茂る植物が視界から離れ、全体像が理解できたときだった。
彼の目に映った光景。
一人の少女が絶望の表情を浮かべ今にも食虫植物にかみ砕かれようとしている状況。
ナナセは咄嗟に魔法を放った。
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無慈悲にも、食虫植物の口は閉ざされた。
そしてナナセは勢いが止まらず目の前の木に衝突する。
口からもぶつかった彼からもとてつもない音を立てる。
間に合わなかったのか?彼の魔法は、、、、。
すると、機械的な食虫植物の叫び声と共にスルリとブロック状の氷塊が食虫植物の口から出てくる。
砕けた歯と一緒に。
中には少女が入っていた。
「なんとかセーフ、、、。」
イタタタタ、、と腰に手を上げながらナナセは立ち上がる。
彼は咄嗟に魔法を放ち、少女を氷の箱の中に閉じ込めたのだ。
氷はとても硬かったので、代わりに食虫植物の歯が折れて一緒に出てきた。
ナナセは叫ぶ食虫植物にトドメを刺し、少女の氷を解いてやる。
「大丈夫?お嬢ちゃん?」
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お嬢ちゃんは俺が氷を解くやいなや、仰向けの状態からゆっくりと四つん這いになり、なにやら遠くの方を見る。
俺もそれに合わせて視線を遠くに向けてみる。
一人の男がいた。
雰囲気に見覚えはない。
「待っ、、、て、、、いか、、な、、いで、、、。」
お嬢ちゃんはそいつを見てそんなことをつぶやいていた。
俺はそれを聞いてなんとなく理解した。
あいつ、お嬢ちゃんが死にそうだったのに、そんな近くにいたのに見捨てたんじゃないかと。
俺はいらついた。
足に力を入れて、俺はそいつ目掛けて飛んでいった。
「貴様、、、よくも!!!!」
そいつをあと少しでぶん殴れるというところだった。
急に目の前に剣が3本ほど現れる。
”やばい、刺される”と思い咄嗟に地面から氷の壁を剣の前に繰り出した。
俺は氷の壁に思い切りぶつかる。
すげー痛い。
だが怯まずに、すぐに体勢を立て直し、氷の壁を解く。
その直後に、そいつが襲ってくるだろうと思っていた。
しかし違った。
そいつは何事もなかったかのように先へと歩き続けていたのだ。
「おい、待てよ!無視するのかよ!貴様何者だ!」
そいつはこう言っても歩き続けていた。
殺してしまいたいくらい俺はむかつき、叫んでやる。
「お嬢ちゃんと知り合いじゃないのかよ、貴様!
俺は仲間を大切にしないやつは嫌いだ!死ねばいいと思う!
そう、だから貴様も――」
「うるせー。そいつはただ着いてきただけで仲間でもなんでもない。それに仲間だろうとどうだっていい。この世界のやつは俺にとってゴミ同然なんだよ、、、。」
そいつは俺のその言葉でやっと振り返る。
そしてその時のそいつの目、、、やばかった。
俺は恐怖を感じた。謎の威圧がある人間を見るのは初めてだった。
これは殺すべきだと思った。
「七星」みたいな化け物になる前に!
俺は手に冷気を蓄え、それを放とうとする。
「だめ!」
背後からお嬢ちゃんに腕を掴まれた。気付かないうちに近くにいた。それになにやら必死だった。
危ないので俺は力を引っ込める。
そしてお嬢ちゃんに抗議する。
「あいつはお嬢ちゃんを見殺しにしようとしたんだろ?たとえ赤の他人であったにせよ、1番近くにいたお嬢ちゃんを見捨てたんじゃないのか?」
「そう、、、です、、。」
お嬢ちゃんは暗い声でそう答えた。
「じゃあなんでお嬢ちゃんは俺を止めるんだ?あいつは放っておいたらきっとやばい犯罪者に――」
「それは絶対ないです!」
お嬢ちゃんは俺に叫んだ。
「彼は、先ほど私が死んでもいいと思っていました、、。
私のことなんて眼中にありませんでした、、、。
でも、それでも私は彼を信じたいんです、、、。
だって、彼は昔の私とそっくりなんです。あの頃の私と、、、、。
でも私は変われた!
だからきっと彼も変われると思うんです、似てるからこそわかり合えると思うんです!
だから、傷つけないでください、、、彼を、、、。」
お嬢ちゃんは涙を流しながらそう言った。
あの糞は”仲間じゃない”と言っていたのにお嬢ちゃんはまるで知り合いみたいな発言をしている。
2人の関係が俺にはよくわからなかった。
でも、そんな顔されたら断れなかった。
それに、はじめて女の子を泣かせてしまったし、、、。
「わかった、、。お嬢ちゃんのいうことを信じよう。それにあいつ、視界からもう消えちゃったし、、、。」
目の前にはうっそうとする木々しかなかった。
それと食虫植物の死骸。
俺は今も”えんえん”と泣きじゃくるお嬢ちゃんの側で、泣き止むまで待つことにした。
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「もう、大丈夫です、、。すみませんでした、、。大胆に泣いてしまって。」
私は数分間泣き続けた。
泣きすぎて頭が痛かった。
「気にしてないよ、お嬢ちゃん。帰ろっか!」
彼は私に手を差し伸べる。
私はその手を取る。とても暖かい手だった。
彼とは、まるで正反対のような人だった。
「あの、言い忘れてましたが、助けてくださりありがとうございました。
それから、色々と勝手に自分の意見を押しつけてしまい、すみません。」
「いいよいいよ、今お嬢ちゃんのかわいい顔が見られるだけで俺は幸せだからさ!
そういえば名乗り忘れてたけど、俺はナナセ・シャルルカン!
いつでも頼って!」
とても眩しい笑顔だった。
私はナナセさんの背中に乗り、森を駆け抜けていった。
彼とは離ればなれになってしまった。
でも、今はそれでよかった。
彼のあの時の目が未だに怖いのだ。
”彼の心を救ってあげたい”という思いよりもそれは勝っていた。
”またいつか、きっと会える。そしていつかわかり合える。
神様、彼の命を守ってください。
そしてまたいつか会わせてください、彼に、、、。”
私は強く願った。
また会いたいのだ、彼に。
最後までありがとうございます。
次回からは主人公ベースで話を進めます。




