おまえは弱い
今日もありがとうございます。
今日はピアノの練習をしなければならなかったので少し疲れています。
誤字があったら済みません。
では、前回の簡単なまとめ!
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絶望の状況。
夏瑠亜は諦めず、帰る方法を探す。
役所に行くと、老人に願いを叶えてくれる水竜が遠くにいると聞く。
夏瑠亜は飛行船の搭乗口を目指す。
夏瑠亜は飛行船の搭乗口を目指し、長い長い鉄の螺旋階段を駆け上がった。
風が吹き荒れている。
飛ばされないように彼は鉄の手すりを手に取りながら全力で高見を目指す。
かれこれ30分、夏瑠亜は上り続けていた。
地面の金網の隙間から覗く景色は、建物が豆粒に見える程。
不思議にも彼は一定のペースで階段を上り続けた。
息はあまり上がっていなかった。
それは元の世界に戻りたい意志が強いおかげだろうか?
いや、違う。きっとそれだけではない、、、、。
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「やっとついた、、、、。」
俺は頂上、飛行船の乗り口にたどり着いた。
人の気配はない。
感じるのは強い風と太陽の光、そして飛行船のエンジン音だった。
これに乗って、フィラルデンとかいう場所に行って、水竜に会えば帰れる。
あと少し、あと少しで、、、、。
俺は強い気持ちを持って飛行船に足を踏み入れた、その途端だった。
「ラインセンスの提示をお願いします。」
突如、飛行船の中から女に声を掛けられる。
俺は無視して中へ進もうとする。
すると、女は俺の前に立ちはだかる。狭い通路なので通り抜けることはできない。
「お持ちでないのなら搭乗できません。お帰りください。」
「金は後で払う!」
そう言って押し切ろうとするが腕を強く掴まれる。
「お金は必要ありません。ラインセンスが必要です。」
何を言っているかわからなかった。
だから力で押し切ることに切り替える。
「どけよ!俺は元の世界に帰るんだよ!」
俺は女のすねを足で強く蹴る。
卑怯だろうとかまわない。この世界は俺にとって偽物で、どうでもいいのだから。
女はよろめく。と同時に俺は強く押し入る。
「なりません!」
意外にも女は手強かった。少しずつは進んでいるのだが振り切ることはできない。
「放せよ、放せよ!」
もう一発蹴りを入れて、完全に女はよろめき、振り切ったと思った時だった。
「ごちゃごちゃうるせえな、、。」
何者かの声、そして腹部に大きな衝撃を受けたかと思うと、俺は宙にいた。
目の前には巨大な飛行船。どうしてか全体像が見える。
そして、風を感じる、太陽の光を感じる。
下に目を向けると豆粒のような家々。
俺は搭乗口から平行に、遠く遠くに飛ばされのだ。何かに、何者かに。
「なんで、、、あと少しだったのに、、、誰なんだよ――――――!」
俺は怒り狂い、叫びながら垂直落下していくのだった。
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「大丈夫か?立てるか?」
男前な金髪の男性は、倒れている女性に手を差し伸べる。
「ありがとうございます。恩に着ます、ダイン様。」
女性は手を取り立ち上がる。
「あいつはなんだ。賊か?」
「おそらく違うと思われます。”元の世界に戻る”などとおっしゃっていたので。」
「あー。薬にでも手を出した頭のおかしいやつか。」
「それはそうと、ダイン様。彼を殺してしまってもよいのですか?いくらあなたといえども殺人は――」
「問題ない。」
ダインは女性の横を通り抜け、外へ向かおうとする。
「あいつからなんとなくだが、強い魔力を感じた。ここから落としたくらいじゃ死にはしない。骨にひびが入るぐらいだろう。
もう少し痛めつけてくる。俺が戻ったら出発にしてくれないか?他の人には待たせて迷惑になるが。」
「かしこまりました、ダイン様。手配しておきます。しかしながら、できるだけ早く戻ってきてくださるようにお願いします。」
「ああ。」
ダインは柵を乗り越え、吹っ飛ばした男めがけて落ちていった。
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「いてえ、、、、。」
俺は運が良かったのだろうか?
街路樹に落ちた後、地面に強く叩き付けられた。
枝により衝撃が弱まったものの、かなりのスピードだった。
背中から落ちたため、かなり痛む。骨折しているかもしれない。
そんな宙から降ってきて、地面に横たわる俺を見て町の人々は苦笑いを見せる。
「空から降ってくるなんて面白い人だね。」
とこそこそ話しながら。
俺は痛みに耐え立ち上がる。そして町の人々を睨み付けながら叫んだ。
「うるせえ、、。何が面白いんだよ、、何が楽しいんだよ、、、。望んでもないのにここに連れられて、、、、おまえらに何がわかるんだよ!努力しても、あがいても叶わない気持ちなんてわからないだろ、おまえらには!!」
「勝手に決めつけるな、ガキが!」
気づけば男が目の前にいた。一瞬だった。
察知したときにはもう遅い。胸ぐらを掴まれ持ち上げられたかと思うと地面に強く叩き付けられた。
背中に激痛が走る。思わず声を上げる。
そして馬乗りにされる。
それも一瞬のこと。
「わめくな、男のくせに。」
頬を掴まれる。
抵抗しようとするが体全体に力が入らない。まるで体全体におもりで物でものせられているかのように。
「何が努力しただ?女の子を蹴ることが努力か?もしそれなら、人として最悪だな、おまえ。」
冷酷な視線を向けてくる。
俺も負けじと睨み返す。
「おまえが知るはずもない。俺の努力なんて!楽しい未来が待っていたはずなのにこんな場所に連れられて、こんな目に遭って、、、、。ふざけるなよ!俺の気持ちなんて、おまえには、わからない――」
「はあ?」
男は呆れた顔でそう言った。
そして、どうしてか、俺はおののいてしまう。不思議な威圧感に。
「おまえがどれだけ苦しんでいるか知らないが、少なくとも俺はおまえの比ではない。おまえ、大切な人を失ったことあるか?」
その問いには目を背けてしまう。
俺の場合、失ってはいないから。
男は様子を悟ったようで、俺から手を放し、立ち上がる。
「なら、もう少しあがいてみろよ!壁があるなら乗り越えてみろよ!わめくのはせめて俺を超えてからにしろ、ガキが!おまえの苦しんでいることなんてしょうもないんだよ!俺にとっちゃあな!」
そう言い残し、男は目の前から一瞬にして消えた。
それと同時に、体から重さを感じなくなる。
俺は這いつくばりなんとか立ち上がる。あいつがどこへ消えたか確認しようと思って。
立ち上がった時だった。
空に浮かぶ飛行船が動き始めた。
動いたと思ったら一瞬。ワープでもしたかのようにすぐにそれは視界から消えた。
「くそ、、くそ、くそくそくそくそくそくそ、、、、」
地面に倒れてしまう。悔しくて。
”おまえは大切な人を失ったことがあるか”
その言葉が脳裏によみがえる。
「うるせえよ、、。」
「うるせえよ、、、、、、偽物の世界のまがい物が、、、。」
俺は自然と涙を流していた。
「失うのも、会えないのも、、一緒なんだよ、、今の俺にとっては、、、。」
夏瑠亜は道の端で独り涙を流す。簡単には帰れないことを目の当たりにして。
しかしながら、こういう気持ちもある。
”まだ失ってはないから会うことができる”という気持ちが。
でも、彼に向上心はなかった。
なにせ、彼には力がないのだから。
いくら戻りたいと思っていても、あの力を目にしてしまっては、無理なように思えたのだ、、、、、。
”力があるものが頂点に立つ存在”夏瑠亜は天使の言葉を思い出す、、、、。
最後までありがとうございます。
次のお話は、多分ヒロイン出てきます。
明日も頑張ります。




