絶望せよ
今日もありがとうございます。
では、前回の簡単なまとめです!
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煌薙 夏瑠亜は幸福な生活を手にしようとしていた。
しかし、朝目覚めると、悪魔のような性格の天使に異世界へ飛ばされてしまう。
不気味な森を歩き続ける一人の男性。
足取りはふらふら。今にも倒れそう。
目には隈ができ、体はボロボロ。
そんな状態のまま男は歩き続ける。
まるで何かに取り憑かれているかのように、永遠の命でも求めるかのように、、、。
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「ん?あれは、、、?」
森に薪を取りに来た少女は遠くになにかを見つける。
近づいていくとなにかはハッキリとする。
「人が倒れてる!!」
少女は駆け寄り脈に手を当てる。
「生きてる、、、、。」
助けるべきだと悟った少女は小さい体を一生懸命に使って倒れている人を持ち上げる。
背中に背負い、重いそれを引きずっていく。
少女は苦言を漏らすことなく、家を目指して長い道のりを進んでいった。
夏瑠亜は3日間の迷走の末に倒れ、そして少女に保護されたのであった。
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「ここは、、、、、、。」
そこは森ではなかった。
ふかふかの布団の上に俺はいた。
起き上がりあたりを見渡す。
そこは木材でできた部屋だった。質素な部屋で、棚と椅子しかなかった。
窓の外を見渡す。
一面に広がる芝生。鮮やかな小川。奥に広がる巨大な森。
高さ的におそらく2階。
自宅のマンションから眺めるあの景色とはかけ離れたもの。
また、自分の体に違和感を感じる。手や足を見渡して理解する。泥や塵が綺麗に落とされていた。
「失礼しま――」
部屋の扉が突如開き、そこから女が出てくる。目と目が合う。
女は口をぽかーんと開けて驚いていたが、すぐに笑顔で話し始めた。
「もう目覚めないかと思いました!2日も寝込んでいたんで。ほんとに良かったです。助けることができて。」
そいつはおぼんを持って近寄ってくる。
俺は一応身構える。
「そんな抵抗しないでください。ただでタダのご飯ですから。毒なんて入っていないんでどうぞ!」
女は俺におぼんを差し出す。
俺のお腹は空だった。知らないやつが渡してきたものでも断ることはできなかった。
無言で受け取り貪り食う。パン、肉、卵、スープ。どれも同じ味のように感じたが、おいしいことには変わりなかった。
腹が満たされたことにより、俺は自分の今ある立場を理解し始める。
「あのー、あなたはどこから来たんですか?森の奥からですか?」
俺はあの悪魔のような天使にここに連れられ、何日か無我夢中で出口を探し歩き続け、そして今ここにいる。
「耳が聞こえない人でしたか、、すみません!文字ならわかりますか?今書くもの探しますね!」
早く出口を見つけて帰らないと行けない。みんなが待っている。みんなに会いたい。琴葉に会いたい。
俺はいつの間にか棚をごそごそとあさっている女に話しかけた。
「おい、おまえ。この世界から抜け出す方法を教えろ!」
女はピクッとしてこちらに振り向く。
「話せるんですね!私の早とちりだったようですね、、。てっきり――」
「うるせー、質問に答えろ!」
この世界の人間とは関わりたくない。俺のいた世界じゃないのだから。
俺は強く睨み付けた。
「すみません。その、私には何を言っているかよくわかりません。でも――」
俺はベッドから立ち上がり部屋を飛び出した。ここにいても何も進展しないと思ったから。
階段を滑り降り玄関を目指す。靴は見当たらないため裸足のまま外へ飛び出した。
あたりを見渡す。奥には森しかないと思ったが、東の方角にうっすらと高い建物が目に入る。それを見て、俺は少し希望を持つ。もしかしたら日本のどこかの町なのではないかと。
本当は異世界ではなくて、日本のどこかではないのかと。
俺は駆けだした。
「待ってくださーい!!」
あの女が背中越しに何やら叫んでいるが、無視して走り続けた。”みんなに会える”と希望を持ちながら。
足取りはまるで最後の力を振り絞るメロスのように軽かった。
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「ここが、、、、、、、、、、日本のどこか、、、、、、。」
夏瑠亜の目に映った景色。
一人せわしく歩く男性がいる。
犬の散歩をしているおじいさんがいる。
楽しそうに会話をしている親子がいる。
空を飛んでいる人がいる。
火を吹いて肉を焼くコックがいる。
じゅうたんが人を乗せて飛んでいる。
獣が二足歩行をしている。
耳のとんがった人間がいる。
鱗のある人間がいる。
「ははっ、、ははっ、、、。ハハハハハハハハハハハハ$’%$%$’&」
夏瑠亜は町のど真ん中で笑い声を上げ、そして奇声を発する。
町にいるもの達は彼に視線を向ける。
彼はお構いなしに叫ぶ。
「どうして、、、どうして俺なんだよ、、、、。今まで苦労してきたのに、なんで、なんで、台無しにされなきゃいけないんだよ、、、、。
なんでなんだよ――――――――――――!!!!!!!」
その声は鐘のごとく町中に響き渡る。
多くのものを振り向かせるがそれは一瞬のこと。
世界はまたいつも通りに動き出す。
夏瑠亜はこの町での景色を見て確信する。
確実に異世界に来てしまったことを。
もう希望なんて持てないことを。
絶望に包み込まれた夏瑠亜は、町の真ん中で一人悲しく涙を流すのだった。
もう、おしまいなのだろうか、、、、、、。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
疲れたので早く寝たいです。




