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異世界に希望なんてない  作者: 紅月遥香
始まりに希望なんて望めない
11/12

老人

今日もありがとうございます。

たくさんの閲覧誠にありがとうございます。


では、前回の簡単なまとめです。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




”転生者”だと言う老人に夏瑠亜は興味を持つ。

しかし、夏瑠亜と同じようにあの天使にこの世界へ連れられたわけではなかった。

それにこの老人は夏瑠亜と違ってこの世界を楽しんでいた。

帰るすべを何も知らない老人に興味はなくなり夏瑠亜は元いた町へ帰ろうとする。

すると老人は魔法を使う。

夏瑠亜は気づくと、あの町にいたのだった。


場面は変わり日は改まる。

翌日のこと。


「姫様、起きてください、姫様!」


「なんじゃブラド、もう少し寝ててもいいじゃろ!昨日は夜に出かけてて眠いんじゃ。」


ここは夏瑠亜のいる南の国、カラリナにある城の中。

40代くらいの付き添い執事が大きく立派なベッドに引きこもる若い姫に声を掛けている。


「なりません!今日は五賢との相談の日です。これからの国の計画を立てなければなりません!

 姫様は王なんです!しっかりしなければ、、、、」


「うるさい!そんなことはわかっておる!」


ベッドから姫は勢いよく飛び出す。掛け布団が一瞬宙を舞う。


「だいたいいつも何なんじゃ!わしは王なのか姫なのかどっちなんじゃ!紛らわしいぞ!」


姫は寝起きでイライラしている。ちなみに寝癖で綺麗な黒髪はボサボサ。

すると執事が机に置いてある物に目を付ける。


「姫様なんですか、この汚い服と尖った帽子は!なぜこんなものがここにあるのですか?」


「昨日変装して海に行ったんじゃ!この前読んで面白かった本の”転生者”という設定でじゃ!なにか文句あるか!?」


ベッドの上に座り左手から霧のような水、右手から熱波を放ち髪を整える姫。


「もちろんありますとも、姫様。変装して市民の様子を偵察するのは私の役目です。姫様のすることではございません。」


「いいじゃろ別に!儂だって出会いを求めたいんじゃ!

 しかもまあ、今回はいい出会いがあったんじゃがな。」


ベッドから勢いよく飛び降りる。

寝巻きのまま窓辺にある椅子に座り、執事にも向かい側に座るように促す。


「実は昨日、転生者にあったんじゃ。」


「何を言っておられます姫様。そんなことは空想上の話しですよ!嘘に決まってます。」


「儂の目がおかしいとでも言うのか、ブラド?あのまっすぐで誰も寄せ付けない彼の目を見れば一目瞭然じゃ。嘘をついているようには少しも思えん!」


「はいはい、わかりました、姫様。それで、その方がどうかなさったんですか?」


「そうじゃな、単刀直入に言うとじゃな、、、、」


恥ずかしがることもなく姫はこう言った。


「儂はそいつの妻になりたいんじゃ。」


「はい、、、?頭でも打ちましたか、姫様?」


執事は一瞬凍り付いた。まさか姫の口からそんな言葉を聞くとは思わなかったから。

いままでお仕えしてきているのでぶっ飛んでいることは承知のことだが、今回は今まで以上だった。

恋愛の相談は今まであったが、姫から”妻”という言葉を聞くのは初めてだった。


「儂をからかっておるのか?儂は本気だぞ!本命の相手ができて何が悪い?そこは執事として褒めるところじゃろ?

それに儂はもう25じゃ。王の座についてからもうすぐ4年、頃合いじゃろ?」


姫は上からものを言う。


「僭越ながら姫様、その方のどこに惚れたんですか?」


「そうじゃな、ブラドは会ってないからわからんじゃろうな。ほれ、写真じゃ!」


執事は1枚の写真を受け取る。


「まず容姿じゃ!儂より背が高いし、顔も好みじゃ!1番大事なところはクリアしておる。」


ちなみに姫の身長は150センチ。

小柄で王とも姫とも思えない見た目。かわいい中学生のような容姿である。

口調は少し残念ではあるが。


「それから中身じゃ。やつはとてもまっすぐな男であった。

 儂は浮気は構わんと思うが中途半端な浮気は嫌じゃ。だがやつはそんなことをするようには見えん。一途な男じゃった。

 そこにも儂は惹かれたんじゃ!」


執事は話しを聞きながら写真を見る。

確かに雰囲気はそんな感じがしたのだった。

ただ姫の言っていることがよくわからなかった。一途なら姫を好きになることもないかもしれないのに。


「じゃが、まだ魔法が弱いところがあれだの~。儂は強いやつが好きだからの!

 ただ、やつはきっと強くなる。儂にはなんとなく感じた。秘めた力を持っておるなと。この国で1番強い儂が思うのだから確実じゃ!

 でじゃ、そいつを見張っておいてくれないか、ブラド?もし死んでしまったらいかんからの!

 嬉しいことにやつはなぜかはわからんがこの国に来ようとしていたからの。そして儂が強制的に送ってやって今実際におるし。んじゃ頼むぞ。

 そろそろ会議の時間じゃな!」


姫はそう言って立ち上がりパジャマのまま部屋を飛び出した。

執事は言い返す隙もなく、気付いたら1人になっていたという感じだった。


「はー、、、。」


ため息をつきながらも写真をポケットにしまう。

ブラドは姫に対して色々とは言うが、逆らえず、また従ってしまう人であった。反対にそんなブラドを姫は信用している。

執事は部屋を見回した後、今日も掃除を始めるのだった。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

明日も出すかもです。

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