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異世界に希望なんてない  作者: 紅月遥香
始まりに希望なんて望めない
10/12

同士

足を運んでいただきありがとうございます。

では、全話の簡単なまとめです。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



元の世界に戻るため徒歩で、願いを叶える竜がいるという西の国を目指した夏瑠亜。

しかし”海”という壁に阻まれ3日間歩き続けた苦労は水の泡となる。

疲れにより倒れてしまった夏瑠亜が目を覚ますと1人の老人がいた。

明らかに力のある老人。

なんと夏瑠亜と同じく”異世界から来た”と自ら言うのだった。


「それは本当か?」


俺は老人に問い質す。


「もちろんじゃよ!前の世界ではほんと苦労してのー。

 でもここは最高じゃ!食べ物が無くなることもなければ厳しい環境でもない。儂にとっての楽園じゃ!もうここへ来て50年は経過するの~!」


「おまえも()()()に連れてこられたのか?」


「何じゃ?ぬしも異界からか来たのか?儂の勘はいいのー。やはり服が怪しいと思ったのじゃよ。」


「俺のことはどうだっていい。質問に答えろ!」


「まあ、そう焦るな、少年よ!」


老人はいつの間にか酒を手に取っていた。

おいしそうにそれを飲む。

一息つくと老人は口を開く。


「おぬしは連れられたようだが儂は変な穴に入ったらこの世界にいたからの。だから何を言っとるのか儂にはよくわからんぞ。」


どうやらあの天使とは関わりのないように思える。

それに嘘の可能性だってある。

半分ほど信じて次の質問を投げかける。


「おまえはこの世界から元の世界に戻る方法を知っているか?」


その質問に老人は驚く。


「ぬし、元の世界に戻りたいのか?こんなにいい場所なのに?」


「質問で返すな。答えろ。」


「戻ろうと思ったことなんぞ少しもないからの。知らん!」


老人は投げ出すように答えてまた酒を飲む。

使えないやつだった。帰ろうと思ったことないなんて頭がおかしいと思った。元の世界に家族や友達は必ずいるはず。何もつながりがないはずはない。


「ぬしもこの世界を楽しんではどうじゃ!そんな思い詰めずに!どうしてこんなところにいるのかはよくわからんが、ちょいと遠くにある町で新しい自分を探してみるのも手じゃぞ!」


「おまえと違って楽しむつもりはない。俺は必ず元の世界に帰る。こんな糞みたいな世界は耐えられない。」


もうすでにできることは全て手を尽くした。

あとは何をしても帰るには時間が膨大にかかる。

その中でも一番の近道。それはあの国で1番になって飛行船に乗る権利を得ること。そうすればこの海の先に行くことができる。


「おまえにもう興味はない。」


俺は立ち上がり森の方角へ向かう。


「どこへ行くんじゃ?」


「おまえには関係ない。」


「町だったら送ってやろうか?」


「おまえに手を借りるつもりはない。」


「そういう答えということはやっぱり町へ行くんじゃの!嬉し、、、、ゴホンゴホン、、、。あ~最近ぼけてきたの~。

 そんなことはさておき、勝手に送ってやるかの!」


俺が森へ入ろうと草むらに足を入れたと思った時だった。

あたりが急に明るくなる。魔法で揺らめく火があちらこちらで浮かんでいる。

地面は石畳。草の感触はない。

並ぶお店、家、酔い潰れる人間、獣人。


そこは俺の見たことある町だった。絶望で叫んだあの町だった。

そう、俺は瞬間移動させられていたのだった。


最後までありがとうございます。

残り2話で前置き編が終了です。

明日も投稿します。

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