トニオふたたび ~ヴェネチアにて~
結婚式は、人前式とし、レストランで皆に囲まれ、幸せに終えた。
本当に東先輩達にも出席してもらい、千葉さんはじめ音楽事務所の皆さんや、谷也さんのお友達の佐々木優治さんや、伴奏の須田さん、理美さんにも、もちろん祝福してもらった。
竹野先輩には、
「こんなイケメン捕まえて、自分から、苦労背負うようなもんだわねぇ。まぁ、牧原さんは昔から、ややこしいシステム開発のほうが、燃えてたもんねぇ」
と、励まされたのか、あきれられたのか分からない言葉をもらい、前川先輩にも
「そう、そう。組むプログラムも、マニアックだったわねぇ。構造化する前は、それでよく怒られてたものね。皆が分かりやすいロジックにしろ! って」
と、大いに昔話に花が咲いた。
「ねぇ、よく分からないんだけど、僕がややこしくて、マニアックって言われてるの?」
と小声でいぶかる谷也さんを
「いえいえ、イケメンだって、褒めてるんです」
と宥めすかしたりして、楽しく過ごした。
「カリリン、新婚旅行、イタリアに決まりそうだよ」
谷也さんがそう言ったのは、それから1ヶ月程過ぎてからだった。谷也さんのスケジュールが一杯で、旅行は全く考えていなかった。
「前園さんのとこで、ドタキャンが入ったらしい。『連隊の娘』で呼んでくれるって」
固まった……。
「本当に……? 本当に!?」
手を掴んで、思わず確認する。微笑んで頷く谷也さんの首に、思わずしがみつく。ぅわー!
とうとう! 本当に! 世界のテノール「谷也修二」が、実現する!
前園さんは、ヴェルディのレクイエムの時の指揮者だ。今年からイタリアのヴェネチアのオーケストラの常任指揮者に就任していた。谷也さんのトニオを画像で見て、代役として急遽呼んでくれるのだそうだ。
「よかった。ほんとに、ほんとに、おめでとう!」
「一緒に行こう。まだまだ、見たことがない景色、いっぱいあるから。僕が、連れて行く」
手を取って誓ってくれた。
本番は2週間後である。手続きを済ませて、2日後に出国した。パスポート残ってて、良かった……。
既に、現地での合唱練習や舞台稽古等は、進んでいる。キャンセルした歌手の稽古風景の画像と、同じ演出の、前回の本番映像が送られてきていた。移動の飛行機の中では、谷也さんはそれを見続ける。頭に入れてしまわなければ、間に合わない。
一日も早い現場入りを打診されていたが、どうしても一日だけ、以前から師事している、イタリア在住の咲先生に見てもらいたいということで、一旦マントヴァで一泊することになっている。
咲先生は、日本で音大を卒業後イタリアに留学し、現地の弁護士と結婚して1児を儲けている。本人はピアニストとして活躍したわけではないのだが、コレペティとしての才能が認められ、日本からの留学生や、現地の声楽家に教えているのだそうだ。教え子が活躍し始め、彼女の評価も高くなってきているらしい。
ミラノに到着後、その足でマントヴァまで鉄道で移動し、先生のご自宅に向かった。時差の関係で声を出すのが危ぶまれたが、谷也さんは大丈夫と言っている。先生も、そこのところは良く分かっていらっしゃるだろうから、私が心配しても仕方がない。ついて行くだけだ。
咲先生は真っ赤なドレスを着ていた。胸の深く開いたフレアースカートのワンピースなのだが、長い巻き髪にすらりとした体系のその人が着ていると、それはやはりドレスと言わざるを得ず、すごいオーラに圧倒された。
到着した早々、打ち合わせが始まる。
「劇場付のソロコレペティと、練習する時間はあるのか?」
「分からないんです。ソロ合わせはできるようですが、立ち稽古はもう随分進んでいると思われるので」
「ふん。そうか。じゃ、まずは聞かせてもらおうか」
という先生の合図とともにレッスンが始まる。最初に、谷也さんの歌をひと通り確認した。
「随分、歌が変わったな。こんなに、愛の歌が歌えるようになったとはね。あの、谷也君がねぇ」
と、なにやらデスられているように見えるが、本人はさっぱりした顔で「そうですか?」と答えていた。
テキストの子音の位置や、フランス語の発音の修正、音符の長さの調整や、和音の再確認、オケとの音でのコミュニケーションを取る位置など、テクニック的な指導が始まり、レッスンが順調に進んでいく。
焦っていた気持ちが、落ち着いていく。
ご自宅のレッスン室はかなり広く、私は、ピアノと少し離れている応接セットに収まっていた。咲先生は、猫を一匹飼っている。その子が足元にまとわりついてきて、人懐っこい。静かにモフモフしていると、
「めずらしいな。その子はなかなか人には触らせないんだが」
と、先生から声を掛けられて、驚いた。
「家で猫でも飼っているのか?」
と谷也さんに聞いている。
先生の日本語は、なにやら男っぽい。きっと、もうイタリア語の方が長いせいだろう。その代わり、簡潔で意志がしっかり伝わる話し方をされる。
「へぇ~、特別に触らせてくれてるの?」
と小声で猫に聞けば、ニャ~その子は答えた。
2人は少し休憩時間を取っているようだ。
「ところで、谷也君は彼女に何回逃げられたんだ?」
と、私の顔を見ながら、谷也さんに突然聞く。
「……」
私は、目をパチパチしてしまった。
「2回、いや、3回かな」
谷也さんが答えている。
「えぇ!? どゆこと? 訳が分かりませんが……」
谷也さんを見て、私は目で訴えた。
「ハハ、本人は逃げたつもりはないらしいよ」
咲先生が笑いながら言っている。私にも分かるように、先生がお話してくださった。
「つまりだ。彼がこれほど愛の歌が歌えるようになったのは、それを経験したからってこと。失うかもしれない恐れがなければ、2幕のアリアは歌えないし、手に入れたときの喜びを知らなければ、1幕の重唱もアリアも歌えない。ねぇ」
谷也さんに同意を求めれば、
「はい」
と微笑みながら答えている。思わず、もう一度、谷也さんの顔を見つめてしまった。
「彼女がいたから、谷也君の歌は変わったってことだな。まぁ、これは手放せないな。よかったじゃないか、結婚出来て」
「はい」
谷也さんは、少しテレながら答えている。……う~ん、きっと先生の勘違いだと思います。
ニャ~と猫に合いの手を入れられ、笑いと共に2人はレッスンに戻った。
今回の「連隊の娘」は、ダブルキャストである。そのうちの1人がキャンセルしたのだ。6日間の公演のうち、3日ずつ主要キャストを交代して演奏する。これは、歌手にとっては、大変負担だ。否応なく比較されるのだ。
トニオのダブルキャストは、イタリアの新人ロレンツォである。こちらも、前園さんが選んだ歌手だそうだ。
もちろん、「自分のできることを全力でやるだけ」主義の谷也さんにとっては、大きな問題ではないように思われるが、やはり気に掛かるのは当たり前である。
ヴェネチアに移動した日、そのロレンツォの、舞台稽古を見た。
彼のレパートリーも、ロッシーニやドニゼッティを中心としていて、いわゆる、「レジェーロテノール」である。完全に、谷也さんとキャラクターがかぶっている。やはり、イタリアにはこんな人が何人も存在するのである。
曲が、始まった。とても、いい声だ。張りもあり、若いため多少の無理も利く。アクートも綺麗に開いている。少し力で押すきらいはあるが、後半になれば整ってくるだろう。
トニオの「友よ、楽しい日よ」が始まる。2点Cは、どうなのか……。ヒヤリとした。ほんの一瞬引っ掛かったが、それは一瞬のことで、その後は綺麗に出し切った。
最初は、椅子にもたれて聴いていた谷也さんが、途中から前のめりの姿勢になっていた。口に拳をあて、真剣な眼差しだ。瞬きすら、していない。多分、私がいることも忘れている……。
曲が終わる。谷也さんは小さく息を吐き、しばらく後に、背を椅子に戻した。
そっと、隣から谷也さんの手を取る。一瞬驚いてこちらを振り向いたが、改めて私がいたことを思い出したようだ。優しい笑顔になった。
「相手に不足はないようね……」
「ああ」
と一言答えた谷也さんは、繋いだ手に力を込める。
「僕のできることを、全力でやるよ」
とまっすぐ前を見つめる。私は、手を握り返して「信じている」と伝えた。
その夜、隣で谷也さんが、寝返りを何度も打つ。
日本時間で言えば、今は朝の7時である。1日徹夜したのと同じだ。しかも移動中ずっと勉強をしていて、ほとんど睡眠をとっていなかったのだから、すぐにでも寝られるはずなのだが……。
「寝られない?」
こちらに寝返りをうって、体を向ける。
「さすがにね……。ちょっと、頭が休んでくれないらしい」
と、微笑んでいる顔が、不安げだ。
そっと谷也さんの頭を撫でる。ゆっくり、ゆっくり。頭や顔の筋肉をほぐすと、少し眠りに近くなる。手の動きにあわせて、顔の力も抜いてもらう。目も閉じたまま。
「ん、楽になってきた……」
「ねぇ……、谷也さんなら、大丈夫……。必ず、上手くいく」
谷也さんは、黙って聞いている。
「だって、谷也さんが成功して、舞台の上で、笑顔で、何度もアンコールに応えてる姿しか、想像できないもん……」
本当だ。
「こっちに来て、皆の声を聴いて、素敵なイタリアのイケメンさんも、いっぱい見たけど」
ここで、谷也さんがクスッと笑う。
「やっぱり谷也さんが1番。その声も、笑顔も、演技も、谷也さんは世界級です。安心して……」
目を閉じて聞いていた谷也さんが、少しだけ、そっと目を開ける。
「カリリン。もうカリリンも『谷也さん』だよ」
そのまま、また目を閉じる。
「ひゃっ、またやっちゃった」
なかなか、名前で呼ぶことができない。やはり、15年は長いのだ。
「じゃ、練習するから、付き合って」
「うん……」
そっと撫でていた手を止めた。
「修二さん」
「はい」
ゆっくり、谷也さんの呼吸に合わせて、ささやく。
「修二さん」
「はい」
愛を込めて。
「修二さん」
「……はい」
静かに。
「修二さん」
「……」
ゆっくり、谷也さんが眠りに落ちてゆく。そっと、手を繋いで、身を寄せる。手があったかい。
「大好き……」
「……ん」
谷也さんの体の力が、抜けていく。ほんのひと時の戦士の休息です。ゆっくり、休んで下さい。
初めてのオケ合わせである。やっと、ロレンツォに追いついた感じだ。私もリハーサル室の隅の方で見学していたが、途中休憩になり、谷也さんに呼ばれた。
マエストロの前園さんと、初めて挨拶を交わした。小柄で、一見優しいおじさん風なのだが、やはり一歩踏み込めない強いオーラに包まれていた。
「奥さん? 初めまして、前園です。ん~、どこかで、お会いしたことがありましたか?」
すごい。ヴェルレクで一度帰り際に挨拶しただけなのに、記憶の片隅にあるのだろうか? 谷也さんといい、こういう人たちの頭の中はどうなっているのだろう? などと、凡人の頭で考えながら、挨拶した。
「花梨と申します。この度は呼んで頂いて、本当にありがとうございました。どうぞよろしくお願い致します」
なかなか「主人がお世話になっています」とは慣れてなくて、言えません。ごめんなさい、ご主人様。
「花梨さん……? ん~、あぁ、カリリンさんね」
と、突然思い出したようにマエストロがおっしゃった。思わず谷也さんと2人で、顔を見合わせてしまった。
「それ、どっからの情報ですか?」
谷也さんが慌てて聞く。
「高橋さんだよ、ヴェルレクの時の。あの時、谷也君ちょっとまずかったんだよね」
今更のようにおっしゃる。さすがに、分かっていらっしゃったのねぇ。
「それが、第3曲で奇跡の復活だったから、ちょっと驚いたんだよ。本人に聞こうと思ってたんだけど、確か2人で早く帰ったでしょ」
と、これまたスラスラとおっしゃる。本当に、すごい記憶力だ。
「高橋さんからね、谷也君にはものすごく強力なサポーターがいて、その人のお陰であの復活だったって聞いたんだよ。それが、『カリリンさん』ってね」
はぁ~、ビックリする情報をお持ちです。
「で、どんな方法であの復活劇は叶ったのかな、奥様」
お茶目な顔でお聞きになった。ちょっと困ったが、しょうがないので「…企業秘密です」と、答えておいた。谷也さんも笑っている。
前園さんは、おやっという顔をされた後、とても楽しそうにおっしゃった。
「では、トニオで確認させてもらいますよ」
晴れ男の谷也さんを祝福するように、眩いばかりの星空の初日となった。
日本とは違う、オケの音がする。日本の音を「端正」と表現するならば、このオケの音は「生きている」と言うべきだろうか。前園さんのタクトに呼応し、歌手たちの声に寄り添い、ある時は引っ張っていく。呼吸をするように歌を受け入れているのだ。まるで、ピットから舞台の隅々まで見えているかの様な演奏だ。これが「イタリアで歌う」ということなのだろう。
ダブルキャストの前半が、谷也さんだった。トニオが舞台で縦横無尽に躍動している。とても、2週間で身に着けたとは思えない、自然で力強い演技だ。連隊の皆と絡み、マリーと愛を交わす。
このマリーが、またとてつもなく良い。オーストラリア出身の、エレナだ。コロラトゥーラは当たり前のようにこなすが、なんといっても物腰が、知的に情熱的なのだ。だけど、トニオの前ではべらぼうに可愛くなる。連隊の皆が、もう2人を許さなければしょうがないと思わせるほどの、愛おしい演技である。
これは、本人の持っているキャラクターの一部なのだろう。それが、谷也さんのトニオを更に情熱的にする。とても、すばらしい相手に恵まれたと言わざるを得ない。
「友よ、楽しい日よ」も、日本の時よりさらに力強さが加わっている。咲先生のアドバイスにより、力を抜く場所ができ、全てで声を張り続けなくなったので、肝心な時に強く歌えているのだと分かる。
オケが谷也さんのフェルマータに合わせて終わった、と思うほんの1拍あとまで、圧倒的な声量で歌い切る。息が長い。これも谷也さんの強みのひとつだ。そして、その1拍が、観客のブラボーコールを誘発する。続けて会場が、爆発する。
その熱狂ぶりは日本の比ではない。谷也さんが、胸に手を当てて挨拶を繰り返す。次の演技に移ろうにも、ブーイングまで出る始末。結局ここでも、劇中にも関わらず、アンコールが歌われて、観客を歓喜させた。
なんて、誇らしい笑顔なのだろう。こんな日が本当に来たのだと、胸がいっぱいで、ただただ、拍手を送り続けた。
「今回特筆すべきは、見事なオクターヴCばかりではない。何より、第2幕のアリアの切なさが、胸に強く響くのである。彼の魅力は、あの抑制された情熱を、均整のとれた力強い艶のある声で、我々に訴えかけてくることだ。「愛を歌う」それが、今回日本から来たSyuuji Taniyaによるトニオである。明日からのトニオは、どう太刀打ちするのか、楽しみである」と、批評がUPされることにより、谷也さんの成功が確約された。
千葉さんが飛び込んできて教えてくれた時、皆で手を取り合って喜んだ。
後半のロレンツォによるトニオも、大きな破綻なく歌われた。が、2回程Cが割れた日があった。なので、劇中のアンコールも当然されなかった。まだ若いこともあり、やはり力で押してしまうことを制御しきれなかったことが、大きな原因だろう。
しかし、それは「失敗」とまでの批判には至らず、彼のトニオもまずまずの好評を得ていた。それでもやはり、谷也さんの歌う愛のアリアの評価を超えるものは、聞かれなかった。
これが、ダブルキャストの怖さである。次のオファを確信しつつ、千葉さんは意気揚々と、先に帰国した。今回の成功を日本でプロモートすべく、「忙しくなるな」とこぼしながら。
最終日の演奏後、2人で楽屋を訪れた。前園さんにお会いした際「今回は、谷也君とカリリンさんの勝利だな」と耳打ちしてくださり、2人で破顔した。また、一緒にやろうと言っていただき、楽屋を出た。
もう1人、どうしてもお会いしたいと谷也さんにお願いしたのが、マリー役のエレナさんだ。舞台を見ていて、この人には間違いなく愛する人がいると確信した。でなければ、あんな風にトニオとの愛を、演技で表現できない。愛することも、愛されることも、十分に知っていて、それが自然ににじみ出ているのだ。谷也さんに聞いてみたら、やはり、昨年夏に彼女も結婚したばかりだという。
彼女達も、最後の挨拶に楽屋に来ていた。
「あなたが、Syuujiのマリーさんね。キュートだわ」
と、会った途端にハグされる。本当に、可愛らしい人だ。隣には、旦那様が寄り添っていた。彼女のために休暇を取って、オーストラリアから聴きに来たとの事だ。
谷也さんも、その旦那様としっかり握手をしていた。とても知性的な男性である。エレナと、お似合いだ。
「本当にSyuujiとは、お芝居がやり易かったの。優しいハズバンドね」
と言われ、
「今回のマリーがあなたでよかった」
と拙い英語で伝える。
「彼は、あなたをとても愛しているわ」
と耳打ちされ、顔が赤くなる。思わず谷也さんを見てしまったが、訳が分からない谷也さんは「何?」と首を傾げている。
「あなたも、旦那様をとても愛してらっしゃいますね」
と返すと、彼女は天使のような笑顔で微笑んだ。
私もエレナさんの旦那様と握手をし、また必ず「連隊の娘」で会いましょう、と分かれた。
と、そこへポメラニアンを連れた、綺麗なイタリア女性がやって来た。
「うわっ、楽屋に『犬』ですか~」と、驚愕していると、ダブルキャストのロレンツォの部屋に入っていく。と同時に、彼女の叫び声がこだました。
イタリア語ですごい剣幕で彼にまくし立てている。「da mangiare」とか、「cagnolino」とか聞き取れるのだが、よく分からない。
演奏会が終わり、ロレンツォもかなり疲れていると思われるのだが、美しいイタリア女性は容赦しない。言うだけ言って、憤懣やるかたないといった風情で、楽屋部屋から出ていった。開け放たれたドアから、中をそっと覗くと、ロレンツォがぐったり、うなだれていた。
「うわ~、アリーチェが来たんだ。彼女なんだよ、ロレンツォの」
と教えてくれたのは、何事かと自分の楽屋から出てきた前園さんだった。気の毒そうに、ボソッと言う。
「今日、犬のエサ、あげるの忘れたでしょー!」
と叫んでいたらしい。
「僕の奥さん、カリリンでよかった……」
私の手を繋なぎながら、谷也さんがこっそり呟いていた。