少しばかりの休息
教室の外は特段変化なく、全体の半分ぐらい見える田んぼは、黄色く色づき始め、残り半分の街並みは然程変わらない。
空を眺めると青く晴れた空の中を白い雲がゆっくりと泳いでいく。
黄昏ているつもりもないが、外を眺めている方が人が視界に入るよりはマシだからそうしている。
久しぶりな気もするが、実際四日ぶりらしい。
けど結構長く学校に来ていなかった感覚だった。
正直行きたくなかった。
現に俺が何をしたかわからないが、教室の生徒の視線がいつもより多い気がする。まあ対して変わりはないが。
昼休みに入ると先公に呼び出された。
無断欠席と金曜日の出来事についてだった。
はなっから信用はされてないのはわかってはいるがとりあえず有りのまま話した。
何か文句を言われるかと思ったが、特に追求されなかった。
違和感があったが、特には気にしなかった。
放課後、俺はオカルト研に足を運んだ。
禍々しい雰囲気の部屋作りに、悪趣味な髑髏。本当にどうやって手に入れたのか。
まあ。どうだっていいが。
ドアを開け、暗幕を開いた。
「はあー。シケた顔している」
薄暗い部屋の中にいた丸椅子に座る女性の第一声がこれとか、相変わらず俺の回りは変なやつばっかりだな。。
「お前もやつれた顔してるぞ」
「そりゃ。そうでしょ。昨日激しく暴れまわって疲れてない方がどうかしている」
「否定はしないが、それなら俺の顔を見てげんなりした表情を見せるな」
「うるさいわね」
「ああ!?」
癪に触るやつだな。でも少し安堵している自分がいる。酷い話だな。
「まあいいか。そんなことより説明はしてくれるのか。髪の色が左右に二色になったことを踏まえてよ」
俺は赤色と紫色の髪色になったホシは、口をへの字に曲げている。
「ああ。また言い争っている。そんなにいがみ合ってると皺ができるよ」
置くから禍々しい赤い飲み物を持ってきたのは、額に絆創膏がついた久江であった。
「心配する相手間違えてるだろ?」
「何が言いたい?」
「そういうことだろ」
「どういうこと?」
「自分で考えろ」
「えええええええええ」
ジュースをテーブルの上に置くと気に食わんと言わんばかりに、俺の回りでウロチョロする久江。
その久江の頭をガシッとつかみ動きを止める俺。
「こうしてみると兄と妹ね」
「のぞみちゃん。それは酷いよ」
「おうおう。もっと言ってやれ」
上から見下ろす俺。足掻く久江。酷い光景だな。
……また懐かしいと思ってしまう。
「んで、どうなってんだ。あの二人は」
俺は親指をある方向に突き立てる。
「ああ。そうね」
ホシはゆっくりと視線を動かした。その先には二つのベットがあり、そこに二人の女性が眠っているのである。
カジと佐嶋であった。
「未だに眠ったままだよ」
「そうか」
簡単に説明すると昨日の事件……。あ、いややっぱり事件でいいか。大袈裟かと思ったけど、負傷した人数を考えると、あれはもう事件か。
あのあと起き上がったのは三人。久江とホシとソラだけ。
佐嶋とカジは全く起きる気配はなかった。
カジが起き上がらない理由は何となく察しは言ったが、佐嶋が起き上がらない理由は見当がつかない。
まあ。それも全て彼女が話してくれるだろう。
「なに?」
「全部話してくれるんだよな」
「さあどうしようか」
「ははあん」
俺は拳をポキッと鳴らすと、ホシは「ひっ」と顔をひきつらせたのである。
「わかった。わかった。だからなにもしないでください」
「急に饒舌になって、敬語になるとか何だよ」
頭の上に手を合わせて、ペコペコと頭を下げる。情緒不安定さも元のまま、いや前より酷いか。
「まあまあ。これでも飲んで」
久江がスッと俺の横から差し出した赤い飲み物。
あの何とも言えない不味い味の飲み物を見せるとか何だよ……。
「ん?」
不思議だった。いやどういうことだろうか。ふと何故か飲めるのではないかと思った。いや気のせいか。
俺は試しに飲み物に口を付けた。
「ん。何でだ。旨い」
甘くて美味しい飲み物になっている。どういうことだろうか。前飲んだときはこの世のものとは思えなかったはずなのに。
「久江、なんか入れたか」
「入れてないよ。いつもの赤いオカルトジュースだよ」
「そ、そうか」
俺は全く理解が追い付いていなかった。
「じゃあ私も飲もう。あー。これは旨い」
ホシはごくごくと喉を鳴らして赤いジュースを飲み干す。もう光景が血を飲むバンパイアのように。
「すみません。遅くなりました」
のんびりとした声でソラが暗幕を開けて現れた。
「いやいや。丁度今集まったところだよ」
久江はトコトコと歩いていくと、ソラに飲み物を渡す。するとソラもイッキに飲み干した。
もう光景が酷い。俺も半分ぐらい飲んで、後々飲むために置いておく。こいつらと同じように飲みたいとは思わないからな。
そんな茶番があったあと、俺らは椅子に座りホシに注目した。
「それで全てを話してくれるのか」
「話すよ。こんなことになって話さない訳にはいかないからね」
ホシは目を閉じて「ふう」と息をついた。
そしてゆっくりと目を開き、今まで起きたことを話し始めた。
これにて第5章終了となります。
第6章ですが、すみませんがしばらくあとになります。再開の目処がたち次第、あらすじの欄にてご報告致します。
よろしくお願い致します。




