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そして俺は空から落ちた




「――これでトドメだ、魔人エイディ!」


 俺は全力で叫んだ。両手にしっかりと剣を握りしめ、魔人エイディの懐へと飛び込んでいく。


「くそっ、この人間風情が……!」


 魔人エイディはうなり声を上げながら、一直線に向かってくる俺に対し右手を構える。黒魔術『ディザイオン』をこちらへとぶっぱなすつもりだろう。

 が、そんなのは計算のうちだ。こっちだって、伊達に一度敗走したわけじゃない。


「させないわ! 白魔法『ホワイトガーディアン』!」


 俺の背後に控える魔法使いエミリの声が聞こえた。魔人エイディの体が急に白く光り輝く。


「なっ――これは、魔封じの魔法か!? ただの人間がそんな魔法を使えるわけが……!」


 魔人エイディの驚愕した声が聞こえる。あいつの言うとおり、白魔法『ホワイトガーディアン』はただの素人が使えるような魔法じゃない。

 だが、エミリなら別の話だ。最高魔法使いの孫娘にして、魔法に関する英才教育を受けてきた彼女なら。

 魔人エイディは回避も出来ず、『ホワイトガーディアン』を真っ正面から食らった。これであいつは、魔法を俺に放つことは出来ない。


「今だ、レナード! いけええええええええ!」


 俺をかばって負傷した仲間、ヴィクトルも声を張り上げている。

 あの屈辱の敗走から対策を練って出直した、今日という決戦の日。

 エミリとヴィクトルが作り出してくれた、この唯一無二のチャンス。

 決して無駄にはしない!


「――聖剣カリブルヌス!」


 旅立ちの時に手に入れた伝説の剣、カリブルヌスをまっすぐに構える。

 狙うは魔人エイディの体の中心――心臓に当たる部分。


 ――あそこを貫けば、こいつを倒せる!


「や、やめろ、来るなあアアアアアア!」


 魔人エイディの叫びにかまわず、俺は走る速度を上げ――。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 ――ヤツの体の中心に、真っ直ぐ剣を突き立てた。


 ドス、という音と、刀身深く突き刺さる剣。

 両手に伝わる、肉を貫く感覚。


 白い光が消える。エミリの魔法の効果が切れたのだ。しかし、魔人エイディからの反撃はない。

 ヤツの傷口からさらさらと白い結晶のようなものがあふれている。魔物が崩壊する前の合図だ。

 俺は確信した。


 ――もう、こいつは確実に助からない。


 倒した。やったんだ。

 俺は世界を蹂躙する魔王の部下、四天王の一角に当たる魔人エイディを、倒したんだ。

 俺の顔をかすめるように伸ばされたままの魔人エイディの右腕が、ぶるぶると震えている。


「――か、か、かっ……き、貴様ァッ…………」

「人間をなめてかかったな、魔人エイディ」


 俺は、決してこいつから聖剣カリブルヌスを引き抜くことなく、言う。


「人間は経験から学ぶんだ。たとえ一度負けたって、そこから相手を知って対策を立てれば――どんなにお前ら魔族の方が優秀な種族だろうと、勝ち目はあるんだよ」

「……だからなんだ、勇者レナード」


 魔人エイディの右腕が、ぼろりと落ちた。しかしそれは地面につくことなく、白い結晶になって空中分解していく。


「お前が私を倒したところで、魔族による支配は終わらぬ。私以外の四天王も、魔王様も――お前らごとき人間が倒せるような存在ではないのだ!」

「最初に出会ったときに、お前は俺たちが勝てるはずがないと言って……そのときは実際そうだった。けど今はどうだ、負けて消えるのはお前の方だ」


 魔人エイディはぼろぼろに崩れていく。

 残っていた左腕が、両足が、体から外れて結晶化し。

 胴体も下から結晶化していく。


「お前たち魔族が世界を支配する時代は、もう終わる。俺たちが、終わらせるんだ!」

「――っはは、はははははは! 愚かだ、実に愚かだよ、旅の勇者!」


 俺の言葉に、魔人エイディはカタカタと歯を鳴らして笑った。

 骸骨のような顔が、結晶となって崩れ落ち始めながらも。その全身が崩れる瞬間まで、魔人エイディは言葉を発するのをやめない。


「できるものならやってみるんだな! この私を倒した程度でそこまで思い上がれるとは、やはり人間は下等種族よ! 我ら魔族の真の恐ろしさを思い知り、絶望しながら死ぬがいい! 死後の世界で貴様を八つ裂きにできるのを、愉しみにしているぞ――」


 その言葉が、最期だった。

 声にならなかったのか、ただ歯を打ち鳴らした、次の瞬間。

 魔人エイディは完全に結晶化し、消滅した。


 俺は、貫く対象を無くした聖剣カリブルヌスをだらりと下げる。


 ――倒した。ついに、倒したんだ。


 おおよそ二メートルはありそうな長身だった魔人は、今は俺の膝くらいの高さしかない結晶の山になっていた。

 背後からぱたぱたという軽い足音と、鎧を引きずるような思い足音が近づいてくる。


「――勇者レナード! 怪我は!?」

「倒したんだな、レナード! よくやった! 大丈夫か!?」


 俺は振り返って、この戦いを支えてくれた二人の仲間の顔を見た。

 二人が俺にかける言葉は、どちらも体の安否を問うもの。思わず笑ってしまう。無傷ですんだエミリはともかく、ヴィクトルは自分の傷の心配をすべきだろう。いくら守備重視で怪我になれているからと言って。


「俺は大丈夫! それよりもエミリ、ヴィクトルを治療してやってくれ」

「よかった、勇者レナード……あなたは無事なのですね。あなたと違い、ヴィクトルは頑丈そうなのでついつい後回しにしてしまいました。――白魔法『ヒール』」

「おいおい……魔法使いの嬢ちゃん、そいつはひどいな。まぁ、治してくれるんならそれで万々歳なんだが」


 癒えていく足の怪我を見ながら、ヴィクトルはいくらかほっとした表情になる。

 あっという間にきれいな状態になった足を一度さすって、ヴィクトルは満足そうに頷く。


「あんがとよ、嬢ちゃん」

「お気になさらず。むしろ私がお礼を言わなければならないでしょう、騎士ヴィクトル。あなたがいなければ、私も攻撃を受けていたでしょうから」

「はは、美人に礼を言われるってのは嬉しいねえ。それにしたって……ついに、魔族四天王の一角を落としたんだな、俺たち」


 そう言って、ヴィクトルは俺の背後にある結晶の山を見る。

 俺も再び、魔人エイディの亡骸へと視線を戻した。


「ああ、そうだよヴィクトル。俺たち人間は、百年かけてやっと……魔族の支配からの脱却への、狼煙を上げたんだ」のろしを上げる


 それは誇らしい事実だった。

 魔族の支配に苦しんできた、ヴェーダニア大陸の人間。

 幾度となく繰り返された蜂起も全て鎮圧され、そのたびに多くの勇気ある先人達が犠牲になった。

 今日。そんな彼らの悲願を、俺たちはほんの少しだけ達成できたのだ。


「……けれど、魔人エイディを倒したという事実。これは魔族の間にすぐに伝わるでしょう。我々は今まで以上に魔物達に襲われるでしょうね」

「そうだな、エミリ。俺たちは旅路の邪魔をされるだけじゃなく、本気で命を狙われるようになるだろう」


 俺は、横に並び立った白服の魔法使いの言葉に同意する。

 けれど、と拳を強く握りしめ、仲間達に言った。


「だけど、そうなることで人間にも伝わるはずだ。魔族四天王の一角が殺されたって、それをやったのが人間だって! そうずればきっと――ただただ従うしかないって思ってるような人達も、希望が持てるはずだ!」


 純情な羊のようにしか見なされていない俺たち人間の意識に、変化が訪れれば――きっと、世界は変わる。


 魔族の百年間の安定は、俺たちが魔人エイディを倒したことによって崩れた。これは小さな、けれど確かなきっかけになるだろう。

 やらなければいけないことはまだまだある。他の四天王の討伐、そして魔王の息の根を止めること。できれば行く先々を支配する魔族の親玉も潰したい。


 この世界に平和をもたらすための道のりはまだまだ長いけれど……少なくともその距離は今日、いくらか縮まったのだ。


「ああ、レナードの言うとおりだ。人間が魔族に反旗を翻した……この事実を広げ、この反抗を小さなものから大きなものにしていくんだ。俺とレナードだけでは勝てなかった魔人エイディも、魔法使いの嬢ちゃん、君の協力によって倒すことができた。人間一人一人の力は小さくても、みんな集まれば勝てるんだ」

「……ええ。私一人では、何も出来なかった。だけど、皆が集まって、それぞれの得意分野を発揮して、それで勝つことが出来た」


 二人も俺の言葉に頷いてくれる。


「それこそが俺たちの勝機だ。個々の強さに溺れて、油断しきっている魔族を叩き潰すことのできる力が、それなんだ」


 そうだ。

 俺とヴィクトル、エミリの三人でこじ開けた道が、もっとたくさんの人の手によるものになっていけば――きっとどんな強大な敵だって、倒すことができるはずだ。


 それこそが、俺たち人間の希望だ!




「――さあ、とりあえず一回麓の村に戻ろう。このことを伝えなくちゃ」

「そうですね、勇者レナード。私たちに休息の場所を与えてくれた宿屋の主人に、お礼をしなければ」

「ここに行くっつったら顔真っ青にしてやがったからな、あいつら。死んで化けて出てると思われないといいんだが」

「縁起でも無いこと言うなよ、ヴィクトル!」


 俺たちは笑いながら、城の出口を目指して歩き出す。

 この一歩が、俺たちの平穏へとつながる一歩になっていることを、確かに感じながら。


 ――そう、確かに感じながら歩いていた。

 歩いていた、んだ。




「――…………?」


 唐突に、俺の足が止まる。

 疲れたからだとか、二人がついてきているかを確認するためだとか、そんな理由など何も無い状態で――足を、止める。


 疑問があるわけでもない。魔人エイディを倒したかどうかが不安になったわけでもない。俺は一直線に、城の出口を目指して歩いていたのだ。そこにしか目的はなかった。


 なのに。俺の足は固まってしまったまま、ぴくりとも動かない。

 いや、動かないのは足だけではない。

 胴体も。腕も。肩も。首も。顔も。瞳ですら。

 全くもって、動かない。

 いや――動かせない!


「――!?」


 まさか、新たなる魔族の攻撃!?

 どこでもいいから動かそうと躍起になるが、俺の全身に動かすことが出来る部分はなかった。


 声を出そうにも、口からは何の音も出ない。

 耳をすませてみても、何も聞こえない。

 後ろについてきていたはずのエミリやヴィクトルの足音もしない。



 そんな何もできない状態で。

 ビシ、という音が響く。

 それは決して鳴り止むことなく、確実に何かが起きていることを俺に伝えていて。

 その正体が何なのかは、視界に入ってきた異常なもので分かった。


「――!!!」


 ――()()()()()()()()()()()()()()()()()!?


 俺の眼前に広がっている光景、開け放たれた城の扉、そこから差し込んでいる光。

 それらに黒い稲妻のような形をした、ひびが入り始めていた。

 音が鳴るたび、それは範囲を広げていく。


 どういうことだ、何の力だ。

 叫ぼうとしても、聖剣カリブルヌスを引き抜こうとしても――やっぱり体は少しも動かない。

 俺はただ、この異常が進行していく様を、見続けるしかない。


 ビシビシビシビシビシビシビシビシ――!


 やがて音の切れ目すらなくなった。

 目の前の光景はもはや、黒いひびと見えていた景色とで半々ぐらいになっていて。

 これが少なくとも良い現象ではないだろうということは、考えるまでもなく分かる。


 ――やめろ、止まれ!


 そんな俺の心の叫びに、絶望をもって応えるかのように。




 ガシャン、とガラスが砕け散るような音を立てて。


 ――()()()()()()()




 足が地面から浮く。

 感じる浮遊感。

 重力に従って、真っ直ぐ下に落ちていく感覚。


 今まで自由に動かせなかった体が、急に動くようになる。

 慌てて何かをつかもうと手を伸ばすけれど、そこには何もない。

 上を見上げる。ガラスに石をたたきつけてできたかのような、穴がある。

 小さくなっていくそこから見えるのは、さっきまでいた城の天井に似ている。


 周囲を見渡す。

 黒、黒、限りなく広がる黒。

 空間があるのかどうかも分からないような、漆黒。

 何もない空間で、唯一見えている穴がだんだんと小さくなっていく。

 服がはためく。

 髪が上に見える穴に向かってなびいている。

 それがどういうことなのか? ――そんなの、考えるまでもない。


 俺は今、落ちているのだ。おそらくはあの穴から、落とされたのだ。


「――うわあああああああああああああああ!」


 あらん限りの声で、俺は叫んだ。必死に手足をばたつかせても、触れる者は何もない。伸ばした右手の先にあるいびつな穴はだんだんと遠く、小さくなっていく。


 ――何で、どうしてこんなことに!


 穴が、遠く、小さくなっていく。

 元いた場所から乖離していく。

 もがいても、叫んでも、何の意味も無く、何の救いもなく。

 だんだんと穴が視界から、消えていく。


 嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ!


「エミリッ! ヴィクトルーッ!」


 仲間の名前を叫んでも、返事はない。

 元いた世界が遠ざかっていく。

 俺の力ではどうしようもなく、遠ざかっていく。

 ハチよりも、アリよりも、砂粒よりも小さく見えるようになって――ついに、その穴が目では確認できなくなったとき。




「――――!!」



 急に、視界が開けた。


 いや、開けたと言うより、これは――。


「…………え」


 さっきまで見ていた真っ暗な空間は、どこにもなくなっていた。

 一面に見えたのは、青。

 触れる空気はひんやりとしていて、体の浮遊感は変わっていない。


 ふっ、と、一瞬時が止まったかのような不思議な感覚があって。

 また、体は重力に従い始める。

 俺は落ちているように思う方向に視線をやり――言葉を失う。


「……なん、だ、これ…………」


 眼下に広がっていたのは、大陸だった。

 大量の木々に覆われた緑色の部分、砂漠なのかだだっぴろい大地なのか茶色い部分、多くの家が建っているのかカラフルな色合いになっている部分――そんなものがごちゃ混ぜになった陸地が、見えた。

 さっきまでいた城らしきものは見えない。そもそも俺が見たことのあった古ぼけたヴェーダニア大陸の地図とは、全く違う。


 そしてその大地は心なしか、だんだんと近づいているような気がして――。

 いや、心なしか、ではない。

 少しずつ、しかし確実に、はっきりと大きくその大陸にあるものが見えるようになってきている。


「……え、ちょ」


 ちょっと待て。待て待て待て待て! それってつまり!


「……っお、落ちてるうううううううう!?」


 俺は叫んだ。先ほどから理解していたはずのことを、改めて叫んだ。

 さっき穴に落ちていたときは底が見えなかったから。それに、戻るべき城内が遠くに見えていたから。

 そっちに意識がいってて必死だったけれど――こうなってくると、話が違う。


 今日何度目の絶叫なんだろう。

 魔人エイディを倒したところから始まりここまで何回喉を酷使したんだろう。

 いや、そんなことを悠長に考えている場合ではない。


 みるみるうちに大地が近づいてくる。ああ、やはり俺の見間違いではない。陸地だ。地面だ。

 後ろを振り返る。真っ青だったのは、言うまでもなく青空。白い雲がのんきにそこを横断しているのも見える。

 さっきまでは分からなかったけど――たぶん俺は、あの雲と同じような高さのところから。

 今、大地に向かって一直線に墜落しているんだ!


 ――いや、こんなん助からないから!


「あああ、なんか、何かっ魔法! 道具!」


 慌てて荷物をあさる。しかし腰につけた小さなバッグから出てきたのはわずかばかりの回復薬と、エミリが決戦前にくれたお守りである、俺に似せた手作り人形のみ。

 魔人エイディとの戦いで邪魔になるといけないから、と、重いものはヴィクトルが、サポートに使えそうなものはエミリが全部持っていた。

 俺の手元にある持ち物はこれらと聖剣カリブルヌスのみだ。

 ならば魔法、と思い返してみるも――元々補助魔法系統は苦手だった俺、現状使えるのは攻撃系の炎魔法と雷魔法のみ。現状を打破できるものは、その中にはない。


 つまりは、絶体絶命だった。


 すでに地面はかなり近づいている。

 俺の落下しようとしている場所がどんな風景のところかもはっきりと見えるほどに。


 ああ悲しいかな、このまま行けば俺はあの灰色と白と黒で構成されたゴーストタウンのような場所に墜落するだろう。

 まだ砂漠だったら地面が柔らかそうだし、森なら木に引っかかって奇跡的に一命を取り留める、なんて夢も見れるというのに。あんな石や岩だらけのところなんて最悪でしかない!

 速度は緩まない。落ちればどうなるかなんて考えたこともないが、常識的に考えれば死ぬだろう。


 ――けど、そんなわけにいくかよ!


 俺は拳を握る。せっかく――せっかく、人間が解放される世界への第一歩を踏み出したところなのだ。

 何がどうなってこの状況になったかは分からないけれど、それでも。


 ――俺は今、死ぬわけにはいかないんだ!


 どうする。俺は考える。魔法もない、アイテムもない、あるのは落下していく身体のみ。どうすれば一番生き残れる確率が高い?

 今の俺の思考では、墜落を回避する方法は思いつかない。だとすれば――一番生き残る確率が高い墜落方法を、選択するしかない。

 ならばどこから落ちる。

 足や手? 無理だ、そんなことをすれば全身使い物にならなくなるだろう。

 仰向けかうつぶせになって、地面と平行に落ちる? いや、頭になる部分の下に堅いものがあったら終わりだ。それにそんなに器用に落ちることが出来る気がしない。


 ならば――今まで生きてきた十五年間、怪我をしても一番軽くすんだ場所はどこだった!?

 時間が無くなる中、焦る脳みそは一つの回答を導き出す。


 転んだとき。

 倒れたとき。

 青くなることはあっても、傷を負うことのなかった唯一の場所。


「――お尻だ!」


 地面との距離をはかっている暇はない。

 俺はとにかく落下方向へお尻を向け、両手両足を上空に向けてめいっぱいのばす。

 外部から見たときに不格好だとかどうかは関係ない、これは俺が導いた唯一無二の起死回生の選択肢なんだ!


 きつく目をつぶり、祈る。

 神様、俺を勇者だと言ってくれた神様!


 どうか俺を救ってくれ!

 生き残れたら嫌いだったにんじんもレバーも食べられるようになるため努力するから!



 かくして――俺、レナードは空から落ちた。


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