悪夢を見た少年少女達
13歳の誕生日、3年の寿命と課題を神に告げられる。それが「悪夢」。「悪夢」は死の宣告に等しい。神に与えられる課題は解き明かせば力と命を手に入れられる。何故死の宣告か、それは解けないからである。ただし、絶対にではない。ルールは簡単なのだ。
1、寿命は3年。2、他人の力を使っても構わない。3、神への挑戦権は5回。4、力は課題に比例する。
これらに則り、神に勝利することが生存の道。それらを課せられた少年少女を「天使」と呼ぶ。天使は固有能力を有する。尚、現在の生存者は世界でも身体能力2倍が3人しか見つかっていない。死亡者は毎年50万人に及ぶとされている。
この謎は未だ解明されていない・・・
目覚ましの音が頭に鳴り響く。叩いて止めようとしたとき、爆音と共に壁に穴が開いた。
「ああ!?」
思わず叫ぶ。親がこっちに来る足音が聞こえる。さあ、ここで脳内整理だ。
まず自分の名前を思い出そう。俺は「神野業」だ。そして次に考えたくないことの整理だ。ああ、俺は悪夢を見た。絶対自分だけはないだろうと思っていた。だが世界は無慈悲だ。与えられた力は身体能力17倍と「起死回生の一手」。ここまで忘れたいのに明確に覚えている。神から言い渡された「17倍」というのは天使の中でも恐らくトップクラスに高い数値であろう。だが数値が高いということは課題のハードルも高いということ。俺の課題・・・・・・「悪夢とは」。
・・・まったく神はふざけてやがる!勝手に試練を与えて殺して、悪夢って何なの?って聞いてくるわけですか。挙句答えなかったら殺すだ。
いっそ狂ってしまえば楽になれるだろうか?この時点であと3年の命はいつ捨てても同じなのではないのか?そんなことを考えて学校にも行かず、ただ引きこもった。親もずっと泣いている。地獄のような光景だった。
ある日コンビニにカップ麺や飲み物を買いに行った帰り、銀行強盗に出会ってしまった。犯人は15歳程だろうか、凶器を持っている様子はないのだが、ハンマーで思いっ切り叩かれたかのように机がへこんでいた。この時俺は確信した。やつが「天使」であると。本来の俺ならここは逃げるのだが、この時は違った。
「おい....」
「ああ?なんだてめえ?邪魔するってんなら殺すぞ?」
目が完全に狂ってる....
「自分が不運だからって他人に不幸を押し付けるのは違くないか?」
あれ?俺何言ってんだろ?
「俺はあと1年で死ぬし、挑戦権も0だ!もういまさら何やったって変わんねえんだよ!」
そして殴りかかってくる。だがこんな俺でもトップクラスの力を授かった天使である。やつのグーパンを避けつつ、反撃する。自分だって何も努力していないのにやつの言っていることに無性に腹が立つ。天使に選ばれた以上希望は捨てなければならないのか、少しの可能性でも信じてはいけないのか、その事実に腹が立つ。この時だっただろうか、今の残酷で最悪な世界にしやがった神を『殺してやる』と決心したのは。
初心者です。アドバイスお願いします!