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小悪魔は、正義の使い 1  作者: 渋井かな
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壁に穴!?

「あなたがしたことは、思い出さないで。」


女性の声が聞こえる。


「ん、んん?」


俺は、その声で目を覚ました。夢の中の女神さまは、思い出すなと言う。俺はいったい何をしたのだろうか? しかし、記憶喪失なので、自分が何者なのか、分からない。


「今日は忘れ物はないでしょうね?」

「あ、ラファ子ちゃんの友達の名前を忘れた!?」

「それはいいですよ。」

「ズコー!? 忘れていいの!?」

「天使の名前なんか、どうでもいいです。」


忘れ物が多いのは、記憶喪失のせいだ。俺は、正義の使いの小悪魔のデビちゃんと一緒に、学校に向かっている。


「夢の中の女神さまが、「あなたがしたことは、思い出さないで。」って言うんだ。」

「そりゃそうですよ、あなたがしたことを思いだしたら、生きていられません。」

「ええ!?」


正義の使いは、俺がしたことを思いだすと、生きていられないと脅してくる。俺はそんなに酷いことをしたのだろうか・・・。


「俺は、記憶を失う前に、何をしたんだろう?」

「そんなに考え込まないで下さい。あなただけでなく「あの方」も共犯・・・。」


その時だった。正義の使いの体に、ビリビリ電撃が走る。


「ギャア!!!!!!!!!!!!!!!!!」


正義の使いは、真っ黒焦げになってしまった。「あの方」のことをしゃべるのはタブーなのである。


「ゲフ~。」

「ここまでが、お約束です。」

「そろそろ、この件はやめませんか・・・。」


正義の使いは、本当は、小悪魔のデビちゃんなので、俺を欺いている、天罰が下っている。


「おはよう。」

「おはよう。」


俺は学校にやってきて、席に着きカバンを机に掛けた。そして、隣の席のラファ子ちゃんに挨拶をした。隣にラファ子ちゃんの昨日の友達もいるのだが、記憶喪失の俺は記憶力が悪く、思い出せない。


「おはよう、ラファ子ちゃんの友達。」

「ズコー!?」


ウリ子は、見事にズッコケてくれた。


「ウリ子だよ。昨日、自己紹介しただろう?」

「記憶喪失のせいで、記憶力が悪いんだ。」


そう、俺は何でも記憶喪失と言えば、許されるのだった。


「正義の使いさま。」

「なんですか?」

「私たちで正義の使いさまの愛称を考えたんです。」

「だって正義の使いさまって、長くて言いにくいんだもん。」


天使たちが、本当は小悪魔のデビちゃんに、名前を付けてくれるというのだ。


「本当は小悪魔のデビちゃんにも、愛称がもらえるなんて、生きててよかった! ありがとう、神様!」


この小悪魔、悪魔失格である。


「正義ちゃんっていうのは、どう?」

「正義ちゃん!?」

「そうそう、正義の使いさまだと、なんだか堅苦しいだろ。親しみを込めて、正義ちゃん。どうですか?」


デビちゃんは、1瞬で自分のカワイイ愛称を気にいった。


「今までの歴史上で、こんなに天使に愛された悪魔がいたでしょうか!? 正義ちゃんか・・・カワイイ! 悪魔を辞めて、天使に就職しようかな?」


この小悪魔、本当に悪魔失格である。


「あれ? ガブ子は来てないね?」

「ガブ子?」


ガブ子とは、天使ガブリエルのことである。死者を甦らせる能力を持っている。


「ガブ子は、ミカ子が人間界で汚染され、堕天使になってしまったので、浄化してるから今日は来ないんじゃないかな?」

「ミカ子死んだんだ・・・。」

「勝手に殺すな!」


ミカ子とは、天使ミカエルのことである。剣と裁き行う能力を持っている。


「天使が堕ちるなんて、よっぽど悪いことをしたんですね。」

「さすが、正義ちゃん。わかってる。」

「正義の使いに分からないことはありません!(ウソ。)」


本当は、小悪魔です。


「ねえねえ、正義ちゃん。」

「なんですか?」

「教室の壁に穴を開けてみてよ?」

「ええ!?」


突然、ウリ子が無理難題を言い出した。


「な、なんと天使とは思えない、なんて悪魔のような、破壊的な発言を!?」

「正義ちゃんなら、簡単にできるでしょう?」

「教室の壁に穴を開けるのは、良くないと思いますが・・・。」

「神々の使いなんでしょ? 教室の壁に穴を開けるくらい簡単よね? それとも、本当は悪魔なの?」

「ギク!?」


ウリ子は、まだ正義の使いのことを悪魔ではないかと疑っていたのだ。


「ははは! そんなことは、余裕です! なんたって正義の使いですから。」

「正義ちゃん、すごい!」

「見たい! 早く、見せて!」

「それでは、サタン。やりなさい!」

「え!? 俺が?」

「そうです、こんなことは正義の使いの私がしなくても、弟子のあなたで十分です!」

「弟子!? 俺は、いつから弟子になったんですか?」

「今からです!」

「ズコー!?」


俺は、天使の使いさまの弟子になったらしい。


「正義の使いの私の弟子になれば、あなたの記憶を取り戻すことが、きっとできるはずです!(ウソ。)」

「き!? 記憶がよみがえる!?」


俺は、記憶を失う前の自分が何者なのか、何をしたのかを知りたかった。


「分かりました! 私がやります! やらせてもらいます!」


俺は、壁に穴を開ける決心をした。


「いいぞ! やれやれ!」


ウリ子は、おもしろそうなので、誰でも良かったのだ。


(なぜだろう? 不安がない。俺は、壁に穴を開けることができると思える。)


俺に不安も焦りもなかった。


「いきます!」


俺は、深呼吸して息を整え、拳に力を入れ、壁をバン! と叩いた。教室の壁は見事に穴が開き、外が見えている。


(さすが記憶を失っていても、元○○。高レベルの身体能力は、そのままですね~。さすが「あの方」がお認めになった人間・・・。)


デビちゃんは、サタンなら、教室の壁に穴を開けることぐらい容易いことを知っていた。記憶は失えても、体の能力は失っていないのだ。


「穴が開いた!?」

「サタンくん、すごい!」

「よくやった! さすが天使の使いの弟子です!」

「やった!」


俺は、みんなが褒めてくれるので、うれしかった。そこに先生がやって来た。


「誰だ!? 壁に穴を開けたヤツは!?」

「コイツ。」

「え!?」


天使の使い、ラファ子、ウリ子は、冷たい表情で、俺を指で指さした。


「サタン!? おまえか!? 壁に穴を開けたのは!?」

「はい。俺がやりました。」

「壁に穴を開けたらダメだろう!」

「え!? ダメなんですか?」

「ズコー!?」


教室中の人間がコケタ。だって、俺は記憶喪失だから、壁に穴を開けることが悪いとは知らなかったのだ。


つづく。


あらすじ。


「おまえは何を忘れた?」。女性の声で夢から覚めた俺は、名前も、どうやって生きてきたのかも、全ての記憶を失っていた。そんな俺の前に、正義の使いが現れた。小悪魔のデビちゃんに騙されているとも知らずに・・・。「あの方」とは、いったい誰なのだろう!?


「自分の名前も思い出せないのか?」。サタン、俺の名前が決まった。正義の使いさまが、神々と交信をしてつけてくれたらしい。この正義の使いさまは、「あの方」のことを話そうとするとイカズチが降り、書こうとすると炎で燃える、そして人を騙すと傷が回復する。人を騙すことは、まさに! 悪魔のささやきだった!?


「私のことは覚えていないのか?」。学校に、転校生として転入した俺。記憶が無いので、分からないことだらけである。忘れ物が多い俺に、隣の席のカワイイ女の子がペンや消しゴムを貸してくれた。忘れ物も悪くはない!? しかし、この状況に正義の使いさまは、「あの方」がお怒りになると、気が気ではないのだった!?


「私を忘れたら、許さない!」。俺は、学校生活を楽しんでいた。俺の席の隣のカワイイ女の子、天使ラファエルのラファ子ちゃんがいるからだ。俺は、忘れ物を記憶喪失のせいにして、ラファ子ちゃんに近づくという。まさに! 悪魔も驚く、外道ぶりを発揮していた俺の前に、正義の使いさまが立ちはだかる!?


「あなたは、○○なのよ!」。まだ俺の記憶は戻らない。「あの方」についても謎。まさに、ミステリーである。ラファ子の友達のウリ子が現れて、正義の使いさまの正体を悪魔と見破った!? 正義の使いさまと天使ウリエルとの命をかけた戦いが繰り広げられる!?


「あなたがしたことは、思い出さないで。」。俺は、なにをしたというのだろう? 正義の使いさまは、呼びにくさから、正義ちゃんに改名。あくまでも、天使のラファ子とウリコに遊ばれる!? ガブ子とミカ子も名前だけ登場し、俺は、天使に囲まれた!? これを「あの方」が知ったら、怖すぎる!?


終わる。

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