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小悪魔は、正義の使い 1  作者: 渋井かな
19/50

モグラ5

俺たちは、避難しているモグラたちの救出に成功した。しかし、天使ミカ子は、全身キノコまみれにされてしまつた。今、まさに正義の使いさまとキノコの戦いが始まろうとしていた。


「デビちゃん!」

「正義ちゃん!」

「正義の使いさま!」


俺、天使、モグラたちが、正義の使いさまに注目している。


「う・・・苦しい・・・。」

(うわぁ!? キノコ気持ち悪いな、さっさと、ミカ子、死んでくれ!)


小悪魔に小悪魔らしさが戻ってきた。


「は!?」


デビちゃんは、周りからの視線に気づいた。


(なんだ!? この感覚は!? 正義の使いさまなら、キノコを取り除き、天使さまを救ってくれるという、期待のまなざしだ!? こうなったら、開き直ってやるしかない!)


デビちゃんは覚悟を決めた。


「これより、モグラを救った天使の体から、キノコを除去します!」

「おお!」


周りのモグラが歓声をあげる。


(やりたくはないけど、仕方ない。)


デビちゃんは、倒れているミカ子に抱き着いた。そしてミカコの体に指で文字を書き始めた。


「魔王、プリンセス、魔女・・・「あの方」の設定は・・・」


その時だった。正義の使いの体に、アツアツの炎が走る。


「ギャア!!!!!!!!!!!!!!!!!」


正義の使いは、真っ黒焦げになってしまった。「あの方」のことをしゃべるのはタブーなのである。


「ゲフ~。」


これで15シリーズ連続の小悪魔の真っ黒焼きの完成である。こうして、ミカ子の体から、キノコがすべて消えた。


「すごい! 正義の使いさまだ!」

「さすが! 正義の使いさまだ!」

「奇跡だ! 正義の使いさまだ!」


デビちゃんの捨て身の行為は、モグラたちに奇跡を見せるとともに感動を与えた。


「み、みなさんが、助かってよかった。ゲフー。」

「どうして、自らを犠牲にして、そこまでのことができるんですか!?」

「正義の使いですから。(ウソ。)」

「おお! 正義の使いさまだ!」

「ありがたや! ありがたや!」


多くの者を騙したので、デビちゃんの体は急速に回復していく。真っ黒焦げから、普通の姿に戻ってく。


「復活!」

「おお! 奇跡だ!」

「真っ黒だったのに、元に戻った!?」

「正義の使いさま、万歳!」

「神々は、いつでも、みなさんを温かく見守ってくれていますよ。(ウソ。)」

「はは! 神様! ありがとうございます!」


いつしか、小悪魔のささやきは、本当に正義の使いとして、神々のささやきとしての効力を発揮し始めていた。


「正義ちゃん、すごい。」

「もう宗教のレベルだ。正義の使いから、奇跡の使いさまにすればいいのに。」

「俺、正義の使いさまの弟子でよかった。感動した。」


俺と天使も、正義の使いさまの活躍に感服していた。


「正義って、いいね。」


真っ黒焦げになっても、めげない、デビちゃんだった。


つづく。

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