第3刺客
ここは魔界のあるお部屋。そこに女性が1人。今時レトロだが、水晶玉で下界の様子を見ている。
「あなた~! カッコイイ~!」
「あの方」は、俺がドラゴンを退治して喜んでいた。しかし、ふと我に返る。
「違~う!? 早く私のことを思いださんかい!?」
水晶に写る、俺に怒っている。
「はぁ・・・、記憶を失っているから、仕方がないか・・・。」
「あの方」は、俺が記憶喪失だという、事情を知っているようだ。
「それにしても、スーデビの奴め! うまいことやってるな。うん。」
小悪魔のくせに、正義の使いとしての振る舞いに、「あの方」は感心していた。
「違~う!? おまえの役目は、私の元に帰ってくることだろうが!?」
闇の魔法陣を描き始めた。辺りで闇色の光が輝く。
「いでよ! 悪魔!」
闇の精霊、悪魔を召喚した。
「お呼びでしょうか。」
「よく来た。本物のデビちゃん。」
悪魔なので、デビちゃんである。あれ? 正義の使いさまのデビちゃんと、同じでややこしい。本物と偽物で表記しよう。
「地上で、偽のデビちゃんが正義の使いと言って、天使に寝返ろうとしている!」
「なんですって!?」
「行って、あの小悪魔を私の元に連れて帰って来て!」
「小悪魔のくせに、悪魔と謀ったばかりか、正義の使い!? ふざけるな!」
「頼んだぞ!」
「はは! 悪魔と小悪魔のレベルの差を見せてやります。」
こうして「あの方」は、第3の刺客として、悪魔の本物のデビちゃんを、神ってる正義の使いさまの小悪魔のデビちゃんの元に送り込んだ。
俺は、そんなこととは知らずに、平和に暮らしていた。俺とデビちゃんは、学校に登校中である。なぜか、ナイトメアとドラゴンもいるのである。
「ナイちゃん、ドラちゃん、魔界に帰らないの?」
「帰ったら「あの方」に殺されます・・・。」
「口癖が、「敗者には死あるのみ!」だからな・・・。」
ナイちゃんとドラちゃんは、あの方に恐怖していた。
「わかります。「あの方」は鬼のように怖い・・・。」
その時だった。正義の使いの体に、ビリビリ電撃が走る。
「ギャア!!!!!!!!!!!!!!!!!」
正義の使いは、真っ黒焦げになってしまった。「あの方」のことをしゃべるのはタブーなのである。
「ゲフ~。」
「ここまでは、お約束です。」
「なぜ冒頭に、エンディングに変わったはずでは!?」
「ツカミは、早めに持ってきた方がいいんだって。」
「ガーン。」
これで13話連続の小悪魔の真っ黒焼きの完成である。
俺は記憶喪失で自分の性能を理解していないのだが、神人間として、精霊をかなり装備できることが分かった。竜の精霊のドラゴンの精霊を装備した。俺はドラゴンのマスター称号を手に入れた。
「みんな友達ということで、ドラちゃん、よろしく!」
「仕方ないですね。」
ドラちゃんは、竜の魔法陣を描く。
「大きくなあれ!」
小さな精霊の体が、巨大化した。リアルドラゴンである。
「やった! さぁ! みんな、乗ろう! 乗ろう!」
俺たちは、ドラゴンの背中に乗り込んだ。
「学校に向けて、出発だ!」
「おお!」
俺は、ドラゴンに乗って学校に登校するのが好きだった。空を飛んでいる爽快感、まるで勇者になったような気分だ。俺はドラゴンライダーの称号も手に入れた。
「おはようございます! 正義の使いさま! とお供たち。」
「おはよう、みんな。」
「おはよう。正義ちゃん。神人間くん。ナイちゃん。ドラちゃん。」
「ドラちゃんは、疲れてるね?」
「こき使われてます・・・バタ。」
教室にやってきたら、いつものように、天使4人組と挨拶を交わした。
「うわぁ!? 小悪魔のくせに、天使と仲良くしているだと!? 本物の悪魔の恐ろしさを教えてやる!」
その様子を見ていた悪魔のデビちゃんは、今までに見たことの無い光景に衝撃を受けた。
「でもさ、正義の使いさまと悪夢と竜、それに神人間でパーティーを組んだら、そこそこの所までは、簡単に進むことができるんじゃない?」
「そんなことは考えたことが無かったな。」
「かなり強いんじゃないか?」
「闇と竜の精霊だもんね。」
「そういえば、光の精霊さんは、出てこないわね?」
「視線は、感じますよ。」
俺の生活はこうだ。記憶喪失で覚えていないことは、正義の使いのデビちゃんが教えてくれる。夜寝る時は、ナイトメアのナイちゃんが、いい夢を見させてくれる。登下校は、ドラちゃんの背中に乗る。快適な毎日を過ごしていた。
「人間や天使とはしゃいでいるとは、それでも悪魔か!? 恥を知れ!」
悪魔の本物のデビちゃんは、闇の魔法陣を描く。
「バナナの皮で、滑って転ぶがいい!」
闇の魔法陣から、バナナが現れ、偽物のデビちゃんを襲う。
「危ない!」
ガブ子が異変に気がついた。飛んでくるバナナに対し、光の魔法陣を描く。
「いでよ! バリア!」
光のバリアがあらわれて、みんなを包み込む。バナナは、バリアに当たって消滅していく。それを見たデビちゃんは驚いた。
「こ、これは、バナナの皮!?」
「その通りだ! 正義の使いさま!」
「おまえは!? 誰だっけ?」
「ズコー!?」
俺たちの前に悪魔が現れた。もちろん人間の顔と同じくらいの大きさである。デビちゃんたちと同じ大きさである。
「私は、本物の悪魔のデビちゃんだ!」
「デビちゃんが2人!?」
「ハハハ! 正義の使いさまと同じ名前とは、不埒な! ややこしいから、今から、貴様の名前は、デーモンのデーちゃんだ!」
「はぁ!? 改名するなら、そっちをさせろよ!」
「私は、天使ミカエル。神から剣と裁きを与えられた者だ。私の決定は、神の決定と同じなのだ。私のジャッジメントを変えることは不可能だ! ハハハ!」
「しょうがない・・・デーちゃんでいいよ。」
「ミカ子、押し切った・・・。」
こうして、本当の悪魔デビルのデビちゃんは、悪魔デーモンのデーちゃんに改名したのだった。名前すら変える、ミカ子のウザさである。
「「あの方」のご命令だ! 正義の使いには一緒に来てもらおうか?」
「な!? 「あの方」お呼びになっているというのですか!?」
「そうだ! 生死は問わないそうだ!(悪魔のウソ。)」
「し、死体でもいい!? ギャアアアア!?」
「ククク! これが悪魔の実力だ!」
「「あの方」が、私に危害を加えるはずがない!」
「なんだと!?」
「だって、デビちゃんカワイイもん! キャハ。」
「ズコー!?」
デビルとデーモンの舌競り合いは、白熱していた。
「ハハハ! リハーサルは、そこまでだ! 我ら、4大天使が相手だ!」
「おお!」
4天使が悪魔と対峙する。
「おお! 神よ! デビちゃんをお守りください! 4人の天使に祝福を!」
正義の使いさまは、本当は小悪魔なのだが、デビちゃんに、少しづつだが聖なる光の神々の力が蓄積されていく。
「ハハハハハ! 悪魔よ! 天使の強さを見せつけてやる!」
「逆に、悪魔の恐ろしさを、その身に刻め!」
ミカ子は、デーちゃんに襲い掛かる。剣を振り回し、攻撃する。デーモンのデーちゃんは、闇の魔法陣を描く。
「いでよ! 天使の靴の裏にガム!」
ミカ子は、踏んでもいないのに、靴の裏にガムがつき、動けなくなる。
「しまった!? 動けない!?」
「天使を陥れるなんて簡単よ! ククク!」
そこへ、ウリ子が光と火の魔法陣を描く。
「いでよ! 神の光! 神の火! 悪魔を焼き払え!」
光と火がデーちゃんを襲う。しかし、悪魔は、闇の魔法陣を描く。
「いでよ! 悪徳商法のツボ!」
うさんくさいツボが現れ、ポンっと、光と火を吸い取ってしまう。
「なんだって!?」
「悪魔には、そんなものは利きませんよ。」
ウリ子の攻撃は効かなかった。そこへ、ガブ子が光の魔法陣を描く。
「闇のアイテムには、光のアイテムよ! いでよ! 悪魔ホイホイ!」
「なに!?」
ゴキブリホイホイならぬ、悪魔ホイホイを呼び出した。ガブ子は、地面にセットした。悪魔のデーちゃんは、徐々に悪魔ホイホイに引き寄せられて行く。
「へへへ。」
「か、体が勝手に引き寄せられる!? うわぁ!? なんだ!? ベタベタ!?」
ベチャっと、強力なのりの粘着に、デーちゃんは悪魔ホイホイに囚われてしまった。逃れることはできないのだ。そこに、ラファ子が近づく。
「悪い子は、お仕置きです。ニタ。」
ラファ子は、光の魔法陣を描く。
「ラファ子の愛情のこもった、回復魔法を受けなさい!」
「ギャアアアア!?」
ラファ子は、連続で回復魔法を悪魔のデーちゃんに撃ち込み続ける。悪魔に天使の回復呪文は、毒なのである。
「と、止まった!?」
正義の使いのデビちゃんは、小悪魔なので、悪魔ホイホイに引き寄せられる。
「悪魔ホイホイ!? ヤバイ!? デビちゃん~ピンチ!?」
しかし、あと1ッ歩の所で、止まることができた。
「ふう・・・、助かった。」
これはデビちゃんが小悪魔だからなのか、神の聖なる恩恵なのかは分からない。ただ言えることは、悪魔ホイホイで、ホイホイいかないのは、悪魔失格である。
「もう、やめて下さい!」
その時、正義の使いのデビちゃんが、ラファ子を止めた。
「デーちゃんは、ただの使い魔です。デーちゃんが悪い訳ではありません。」
「正義ちゃん・・・。」
「もう許してあげて下さい。」
「デビちゃんが、そういうなら・・・。」
ラファ子は、デビちゃんの優しさに、回復魔法を辞めた。
「俺たち、忘れられてるよね?」
「みんなに悪夢でも見せましょうか?」
俺とナイトメアのナイちゃんは、出番が無いのでいじけてた。
「そこのいじけてる、あなた。こっちへ。」
「出番が来た! わ~い!」
「ナイちゃんの出番は? 置いて行かないで!?」
正義の使いに呼ばれた俺。
「もうキャラが多いので、性格のセコイ、闇の精霊の悪魔のデーちゃんは、いらないので、浄化しましょう。」
「え!? 俺、そんなことできないよ!?」
「神々が、あなたに力を貸してくれます!(ウソ。)」
「ありがとう! 神様!」
本当の所は、魔界の悪魔と戦うために、教会でエクソシストととしての特訓をし、悪魔の浄化魔法も修得したのである。俺は、聖なる魔法陣を描く。
「バナナ、ガム、悪徳商法のツボ・・・セコイ悪魔よ! 消えてしまえ!」
「そ、それは聖なる光!? やめて!?」
「悪魔退散! エクソシズム!」
「ギャアアアア!?」
聖なる光が、悪魔ホイホイに捕まってラファ子に回復魔法を注入されて、フラフラのデーちゃんを包む。光の中に悪魔は消えて消滅されてしまった。
「やった! 悪魔を退治したぞ!」
「わ~い!」
俺たちは、闇の精霊デーモンのデーちゃんを倒した。
「私と弟子、4天使に、2精霊・・・8人でも出番が回って来なくなってるので、パーティーの登場枠は、限界ですね。どうしましょう?」
「ハハハ! そんなことかい!」
「私たちは、呼んでくれれば、いつでも戦うわよ。」
「その方が良さそうだし、カードでも、スロット装備でいいんじゃないかな?」
「正義ちゃんと神人間くんは、友達だから。」
「ありがとう! みんな!」
「あ!? そう考えるとデーちゃんも回収しなかったのは、惜しかったですね。」
「いいよ、別に。セコイ悪魔のデーちゃんとミカ子は召喚しないから。」
「そうですね。ハハハハハ!」
こうして、俺は4天使と3精霊を装備した。俺は、天使マスターにもなれた。精霊はともかく、天使も装備できる俺って、いったい何者なんだろう? 記憶喪失の俺には、自分のことが分からなかった。
「俺の記憶を取り戻す旅に出発だ!」
正義の使いさまは、俺の方をジーっと見てくる。
「どうしたの?」
「やっぱり、あなたは強いですね。「あの方」が認めただけ・・・。」
その時だった。正義の使いの体に、ビリビリ電撃が走る。
「ギャア!!!!!!!!!!!!!!!!!」
正義の使いは、真っ黒焦げになってしまった。「あの方」のことをしゃべるのはタブーなのである。
「ゲフ~。」
「エンディングのお約束です。」
「この話で2回目ですよ!?」
「初の1話2回おめでとう! 次は1話3回に挑戦ですね!」
「もうヤダ!」
これで13話連続の小悪魔の真っ黒焼きの完成である。
つづく。
あらすじ。
「おまえは何を忘れた?」。女性の声で夢から覚めた俺は、名前も、どうやって生きてきたのかも、全ての記憶を失っていた。そんな俺の前に、正義の使いが現れた。小悪魔のデビちゃんに騙されているとも知らずに・・・。「あの方」とは、いったい誰なのだろう!?
「自分の名前も思い出せないのか?」。サタン、俺の名前が決まった。正義の使いさまが、神々と交信をしてつけてくれたらしい。この正義の使いさまは、「あの方」のことを話そうとするとイカズチが降り、書こうとすると炎で燃える、そして人を騙すと傷が回復する。人を騙すことは、まさに! 悪魔のささやきだった!?
「私のことは覚えていないのか?」。学校に、転校生として転入した俺。記憶が無いので、分からないことだらけである。忘れ物が多い俺に、隣の席のカワイイ女の子がペンや消しゴムを貸してくれた。忘れ物も悪くはない!? しかし、この状況に正義の使いさまは、「あの方」がお怒りになると、気が気ではないのだった!?
「私を忘れたら、許さない!」。俺は、学校生活を楽しんでいた。俺の席の隣のカワイイ女の子、天使ラファエルのラファ子ちゃんがいるからだ。俺は、忘れ物を記憶喪失のせいにして、ラファ子ちゃんに近づくという。まさに! 悪魔も驚く、外道ぶりを発揮していた俺の前に、正義の使いさまが立ちはだかる!?
「あなたは、○○なのよ!」。まだ俺の記憶は戻らない。「あの方」についても謎。まさに、ミステリーである。ラファ子の友達のウリ子が現れて、正義の使いさまの正体を悪魔と見破った!? 正義の使いさまと天使ウリエルとの命をかけた戦いが繰り広げられる!?
「あなたがしたことは、思い出さないで。」。俺は、なにをしたというのだろう? 正義の使いさまは、呼びにくさから、正義ちゃんに改名。あくまでも、天使のラファ子とウリコに遊ばれる!? ガブ子とミカ子も名前だけ登場し、俺は、天使に囲まれた!? これを「あの方」が知ったら、怖すぎる!?
「早く、私に会いに来て。」。この物語は、元○○の俺と「あの方」の壮大なストーリーだったはず!? それなのに、小悪魔のデビちゃんを正義の使いさま化して遊ぶ方がおもしろいなんて!? ついに見た目まで正義に目覚めてしまった!?代わりに俺の存在が、ついに忘れ去られた!?
「おまえ、しばくぞ!」。俺が、かわいい天使4人とハレーム状態で「あの方」が怒っている!? ついに現れた最強の天使、ミカ子。ミカ子のウザさは、ウリ子を越え、他の天使も巻き込んでいく!? 俺の名前もサンタに変えられた。そんなミカ子を天使の使いさまは乗りこなしていく!? 恐るべし、正義のチカラ!?
「私より、天使の方がいいのね・・・クスン。」。「あの方」が泣いた。俺は通常生活のはずなのに!? かなり感情の起伏か喜怒哀楽が激しいらしい・・・。俺はついに、モンスターと戦うことになった。「あの方」との契約に基づき、俺は痛恨の一撃を繰り出す!? 俺は人間のはずなのに!?
「もうすぐ、会いに行くね。ウフ。」。ついに「あの方」が始動宣言。記憶を取り戻せない俺は、ウザいミカ子と決闘することに・・・。正義の使いさまは、俺の記憶が無いことをいいことに、神の剣、浮遊魔法を全て、神のおかげ(ウソ。)と言いまくる。少しづつだが、俺の性能が公開されてきた!?
ついに「あの方」が登場。俺のことを水晶玉で監視していた!? そして、小悪魔なのに、正義の使いさまとなって、調子に乗っているデビちゃんに、抹殺命令が下る!? 第1の刺客として、送り込まれたのは、悪夢のナイトメアのナイちゃん。デビちゃんは天使たちを悪魔のささやきでたぶらかし防衛する!?
第2の刺客として、ドラゴンのドラちゃんが、「あの方」から送り込まれた。ドラゴンの皮膚は固く、天使たちの攻撃をことごとく跳ね飛ばす。ピンチに、正義の使いさまが、神々から救いの手を差し伸べてもらう。俺は前回の神の剣、浮遊魔法に続き、ドラゴンスレイヤーとドラゴンキラーの二刀流で立ち向かう!?
第3の刺客、正義の使いさまの因縁のライバル、セコイ悪魔の本物のデビちゃんが現れた!? ややこしいので悪魔デーモンのデーちゃんに改名させるミカ子のウザさ!? 俺はエクソシストスキルで悪魔を浄化する。人数が膨らんだので、俺は天使も精霊同様、装備し召喚して呼び出すカード売りつけ商法に手を出した!?
終わる。