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ほら、アレ

あけましておめでとうございます(^-^)


第十六部、ありがとうございます!


ゆっくりしていってください!

放課後、彼の家に行くため早めに帰る準備をした。だが私の計画など、一筋縄ではいかないようだった。


『こっち来なよ。セ・ン・パ・イ。』


黙ってついていくしかないだろう。このいかにも漫画に書かれそうないじめ。くだらない。早く彼の元に行きたいのだ。


『どーお?センパイから離れる気になった?』


「敬語の使い方が成ってない後輩だな。どんな指導を受けてんだよ。」


『いいから答えろよ!』


ビシャッ


左側で人が動いたと思ったら、液体が勢いよくかかってきた。甘い匂いがする。


『アンタおしるこ好きなんでしょ?こんな甘ったるいもんよく飲めるよね。』


最悪だ。ヤツから貰ったブレスレットにまでかかってしまった。それに制服も汚れた。これで明日からどう登校してこいと言うのだ。


『早くセンパイから離れてよ気色悪い。』


『アンタがいるから今日だってセンパイ帰っちゃったんだよ。アタシ達が荷物届けるからアンタは来ないでよ。』


「あんたらが行ったって迷惑なだけだよ。どうせ突き放されるだけ。」


『は?お前何も知らないくせにうざいんだよ!』


『ほんとウンザリ。もっと楽しいことしようよ。』


『ほら、アレ。』


そう言われ上を向くと、また液体が降ってきた。


バシャッ


次は水だった。またおしるこじゃないだけ良いだろう。さっきのおしるこが流された。だが水浸し。風邪決定だ。


『キャハハハハハ!!』


『チョーウケルんですけど!!』


『指図されて上見るとかバカじゃね??』


「はいはい…。」


『汚ねぇんだよ。』


ドンッ


腰を押された。いや、多分蹴られたんだと思う。不意に蹴られたため転んでしまった。手と膝を擦りむいた。


『さっさと消えてよ、ゴミ。』


水浸しで地面に座り込み、擦りむき血が出た手を見つめる。あいつらはいなくなった。このまま彼の家に行くのは恥ずかしいが、すぐ行かないとあいつらに先を越されてしまう。さっき下駄箱を見たが、荷物は既になかった。さっさと行くに限る。


「何でこんな目にあってんだっけ…。」


自分の行動を振り返るが何も悪いことはしていない。なんだか自分が馬鹿らしく思えてきた。


ピンポーン


誰も出てこない。彼はいないのか?どこかに出かけていたりするのだろうか…。


ドタドタ


ガチャッ


『ごっ、ごめっ…。』


『センパァイ、そんな人ほっといて遊びましょうよぉ。』


『そんな人ほっといたって良いじゃないですかぁ。』


『はっ、離してくれよ君達より俺はこいつに会いたかったんだ。』


「大丈夫?無理そうなら私帰るよ。」


『待っててくれ。』


「う、うん。」


『さっさと帰ってくれ!良い加減君達にはうんざりだ。こいつをいじめることもやめろよ!!』


『センパイ落ち着いてくださいって!もっと楽しい話しましょお?』


『離せ、帰れ!!!』


彼はものすごい形相で女たちを睨んだ。ひどく興奮している。


「落ち着いて、…。」


『もうっ、なんなのよ!!!』


女たちは忙しく荷物を持って出て行った。私さえ視界に入れず、顔を赤くして。


『き、来てくれたんだね。上がってよ。』


「ありがとう。後輩ちゃん達は大丈夫だった?」


『ちょっとうるさ…へっ!?』


「へ?」


『どうしたの、雨降ってたっけ?』


「あっ…あぁ、これ…。」


『…後輩たち?』


「まあ。大丈夫だよ!」


『ごめん、…。入って、着替え出すよ。』


「そんな悪いよ。」


『大丈夫。入って。』


中に入れてくれた。ずっと私の顔を見ていた彼は、視線を下にずらして驚いたようだ。まだ濡れていた。


『こっちこっち。風呂場まで来て!』


「お邪魔します。」


『俺あっち向いてるから、濡れてるやつ全部脱いでこのTシャツとスウェット着ていいよ。』


「ありがとう。」


下着も少し濡れていたが、さすがにそれは着ないと寒いのでその上にTシャツとスウェットを着た。あったかかった。とてもいい匂いがして、包まれてる感が心地良かった。


「こっち向いて良いよ。制服はどうすれば良い?」


『俺の部屋に干しておこう。親が帰ってきたらバレちゃうしね。』


「うん、わかった。」


彼の部屋で、ベッドに腰掛けた。彼はてきぱきと私の濡れた制服を干してくれた。

干し終わると、私の隣に座ってくれた。ベッドが軋んだ。


『ごめんね、俺の後輩が。ほんとにごめん。こんな目に合うなら、俺ら仲良くしないほうが良かったのかな…。』


「何言ってるの?私、貴方と仲良く出来てすごく嬉しいよ。」


『そっか。それなら嬉しいんだ。』


「だけど私、貴方のこと何も知らないのに仲良くしちゃって…。貴方の後輩に申し訳ないよ。」


『でも、…俺はお前と仲良くできただけですごく嬉しいんだよ。』


「私も同じ。」


『でもお前に辛い思いさせるのは嫌だ。』


「辛くないよ。私、全然平気。」


『そんなの俺が許せない。』


「あの後輩達のことは、気にしなくて良いよ。」


『だめだ、そんなの絶対だめだ。』


「どうし…っ、」


彼の顔がすぐ近くに来た。いきなりのことでつい顔が赤くなった。


「ちっ、ちか…。」


『俺、お前が好きなんだよ!』


「へっ…?」


今まで気付かないふりをしていた気持ちが、どっと溢れ出した。

最後までありがとうございました!


第17部もよろしくお願いします!

次から数字にします(^-^)

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