清らかなランチタイム
二作品目になります。
初の連載小説なので間が空かないように心掛けます。
私は勘違いしていた。誰にでも明日は約束されると。
もし今日で全てが最後ならば、私は何ができるだろう?
これは、そんな私の後悔の物語である______________
『知ったような事ばっかり言うなよ!!!』
全て私が悪かった
彼の事を考えてあげられなかった
いつも私は、ふと出た言葉で人を傷付けてしまう
そしてそれは、いつも言葉にしてしまった後に気付く
その度に私は_________
・・・・・・・
やり直してきた
謎に思う人が大半であろう
きっと私は頭がおかしいのだ
だが、そんな頭のおかしい私がこれから綴る文章に、嘘偽りはない
疑っていても、最後には必ず嘘ではないと分かるはずだから
『それ、美味いの?』
「…美味くない」
これが最初の会話だった。
購買で買った大好物のパン。
『じゃあなんで食ってんの!?』
「別に。いつもこれしか残ってないから」
いつも売れ残ってる焼きそばクリームパン。
何故売れ残っているのか、意味がわからないが…。
私はそれが大好きで、他の人に取られたくなかった。
『う、嘘だろ…』
うざかった。
私の清らかなランチタイムを邪魔するなんて…。
『お前…』
「なによ」
『面白い奴だな』
「はあ?」
そんな会話を済ますと、彼は仲の良いクラスメートとバスケットボールを持って教室を出て行った。
私の無垢なランチタイムが汚されてしまった。
嫌いなヤツの事など、純白なランチタイムに考えてはならない。
焼きそばクリームパン焼きそばクリームパン…。
次の日も同じだった。
『また食ってる!』
「うざい」
早く私の清らかなランチタイムから出て行ってくれ。
自慢のガンを飛ばしてやる。
『不味くても美味そうに食えって!
』
「…うん」
『…やっぱ美味そうだな、それ。まだ残ってるかな?』
「あ…あるんじゃない」
『じゃ買ってくる!!』
しまった。やってしまった。
このパンは最高に美味しいのだ。
あいつのような人気者が食べて美味いなんて言い出したら広まって売り切れてしまう。
あと二口…大切に食べねば。
『めっちゃ残ってたよ!!!』
来た。ヤツが来た。速やかに駆除だ。
『いただきます。』
私は思わずその姿を凝視してしまった。
『うめぇ!!なんだこれ!!!』
私の純白なランチタイムは今日で幕を閉じたようだ…。
『このクリームと焼きそばとの濃厚なマッチ!!舌に絡みつく美味さ!!!』
無駄に食レポが上手い…憎い。
『明日もこれ食べよっと。イイもん知ったよ、ありがとな!』
「おう…」
人気パン戦争に巻き込まれるのも面倒だし、明日からお昼はココアで済ますしかない…。泣きそうだ。
人気パン戦争は過ぎた。絶対焼きそばクリームパンも残っていないだろう…。ヤツのことだ、まわりに言いふらしたに違いない。
…と思いつつ、おばさんがいないときを見計らい…ちょっとだけ期待して購買を覗いてみた。
「ある…。」
『まだ残ってる!?』
「あ、ああ…12個…。」
『っしゃ!おばちゃーん!これください!二個!』
「二個も食べるの…胃もたれる…。」
『はい、あげる!』
「はい…?」
『昨日、イイもん教えてくれたお礼!』
「…このパン美味しいって、まわりに言いふらさなかったの…?」
『いってねぇよ!』
「なんで…?」
そのとき、彼はクラスメートに名前を呼ばれた
『おーう!今行く!』
振り返り、満面の笑みで彼は言う
『みんなに広まって人気になっちまったら、お前が食べられなくなるだろ!じゃあな!』
…私の事を、考えていた?
謎が深まった。ヤツは一体なんなんだ?
そのときから彼を気になり始めたことは、言うまでもない…。
最後まで観覧していただきありがとうございました。
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