85. <旅のあとさき>
早く番外も校正しないとなあ。
1.
ユウさんは、私に心情を告げた次の日から、少しですが変わっていました。
目元が格段に穏やかになり、私の隙を狙うような――おそらくは無意識の――行動も減りました。
多分、彼女は分厚く着込んでいた『ユウ』という鎧を、少しですが脱いだのだと思います。
そうなった彼女は、口さがなくいえば、子供の頃に私を構ってくれた、伯父に似ていました。
そんな中、私達はいつものとおりに、昼は素材の収集、午後は調合、夜は口述筆記の毎日を続けていました。
ですが、そうした日々が終わりを迎えつつあることを、残り少なくなる素材から私は感じていました。
◇
ユウさんの話は続きます。
ムナカタで出会ったバイカルさんの話。
ユフ=インへ向かう道中で戦った、山賊になった<冒険者>の話。
特に後者は、私にも嫌な思い出を蘇らせるものでしたが、ユウさんは淡々と語りました。
「状況が違えば、みんながああなったかもしれないし、実際になっている連中も多いから」
こと不死身である以上、そうした<冒険者>を根絶するには戦って倒すだけではダメなんだ、とユウさんは言いました。
秩序を作り、ルールを強制し、法のもとへ戻さなければ彼らはいなくならない。
それはまさしく、私達アキバの<冒険者>がやってきたことです。
アキバだけでなく、ミナミも、ススキノも、華国もそれぞれ別の手段でしてきたことでした。
そして、ユフ=インでの話を改めて語り始めた時、ユウさんの声はこれ以上なく哀切に満ちたものになっていました。
◇
ユフ=インで、私達は幻を見せる木と戦った。
戦った、というのは語弊があるね。あれはモンスターじゃなく、ただのユニークオブジェクトだったから。
ユニークオブジェクト。
それ自体は単なるクエストの起点や、イベントのトリガーになるだけの、ただのアイテムさ。
だけど、<大災害>を経てそれは奇妙な形に変形していた。
もともとの能力、『決まった時期に咲いて変な幻を見せる』、そういうただのアイテムだったんだが、
それが<大災害>後、どこをどうしたのか、狂い咲きしていた。
幻というのが、『ログアウトボタンを光らせる』というものだ。
そもそも、その木は『血を掛けた相手の望んだ幻を見せる』という機能を持たされていた。
最初に誰がやったのかは知らないが、どこかの<冒険者>が現実に戻りたさのあまり血をかけたんだろう。
その木は、やってきた<冒険者>に帰還の夢を見せるようになったんだ。
多くの<冒険者>が、夢の中でその木の操り人形になった。
クニヒコすら、そうだったんだ。
木を切り倒しに行った<大地人>の騎士団は全滅した。
そして、私自身もまた、幻に囚われかけた。
引き戻してくれたのはレディ・イースタルの声だった。
『偽りの現実に逃げるな』という、ね。
だけど、私の戦いは不甲斐なかったよ。
結局、領主のメハベル男爵すら、救えなかったんだから。
◇
アキバへ帰還したクニヒコさんたちから、この戦いの詳細は聞いています。
クニヒコさんが、何を見たのかも。
多分、私もその場にいたなら、何も考えず操られる道を選んだでしょう。
『現実への帰還』、それは偽りとわかっていても、現実に戻れば苦労が待っているとわかっていてもなお、すがらざるをえないほどの魅力に満ちていました。
ユウさんもまた、輝くログアウトボタンを前に一瞬呆然としたそうです。
奥さん、子どもたち、ユウさんにとって何より大事だった彼女たちに会うことができるかもしれない。
その誘惑に耐えぬくのは、きっと至難の業だったのでしょう。
もちろん、全ては幻に過ぎません。
だけど、今ヤマトで勢いを増しつつある<望郷派>、あれを盲信する人たちの何人かは、ユウさんが戦ったその狂い桜の元で、一時の幸福な夢を見たんじゃないかと、思ってしまうのです。
◇
クニヒコを正気に戻し、私はアキバへと帰った。
クニヒコはムナカタで、殺した<大地人>の菩提を弔う生活に入り、タルは男爵の遺言で、次の男爵の後見をすることになった。
なんかいろいろあって、アキバへ戻ったそうだね?
でもまあ、連中はユフ=インのことを忘れはしないだろうね、多分、ずっと。
私はアキバに戻った。
理由は簡単だ。装備が壊れたのさ。
だましだまし使ってはいたけど、クニヒコの<黒翼竜の大段平>をまともに受けたんだ。
粉々にならなかったのが不思議なほどだったよ。
ともあれ、アキバに戻った私は、装備を修理に出して、その間何もせずにぶらぶらしていた。
あの殺人鬼と対峙したのもその頃のことだ。
エンバートとかいったかな、あの化け物には殺される寸前までいった。
毒を叩き込んで何とか逃げられたけど、本格的に殺しにかかってたら終わってたな。
正直、私はその時大規模戦闘プレイヤーを心の何処かで馬鹿にしていたよ。
レイドボス相手の集団戦闘ならともかく、人間相手の一対一で私が劣ることはない、
装備や特技レベルで劣っていても、こと人相手の駆け引きなら自分が上だ、ってね。
その自信も吹き飛んだ。
その頃のことかな。
アイザックにこの<疾刀・風切丸>を貰ったのは。
それから、私はひょんなことで<大地人>の騎士の依頼を受けて中部地方まで遠征した。
テイルザーンたちと一緒にね。
<カシガリの洞穴>という、もうとっくに枯れたダンジョンだ。
ところが、そこにはとんでもない連中がいたのさ。
◇
<鏡像>、プレイヤーの姿を写しとる能力を持ったモンスターのことだ、と私は黙ってメモ帳に黒鉛を走らせながら内心で呟きました。
<大災害>以来、外見だけでなく内面までも写しとるようになったモンスターのことです。
戦い方を説明しているユウさんに耳を傾けながら、私はそこにいた3人の<鏡像>について、ヤマトの人たちから聞いた話を思い返していました。
子供を捨てようとした貴族の女性に残されていた母性を持っていた<大地人>の<鏡像>。
押し殺していた恋心を遮二無二叶えようとした<竜使い>の<冒険者>の<鏡像>。
そして、心に秘められていた破壊衝動を具現化した、ユウさんの<鏡像>。
話を聞くたびに、モンスター、とひとくくりにするにはあまりに人間臭い彼らに、私は妙な感覚を抱くようになりました。
だから、私は尋ねたのです。
「ユウさん、モンスターと人の違いってなんでしょうか」
◇
それは、私が何度も考えてきた問いだった。
モンスターと、人の違いとは何か。
モンスターはどこからか現れる。人は親の胎内から生まれる。
端的に言えば<大地人>とモンスターの違いはそれだけだ。
思考能力や趣味性向、能力の違いは様々にあるが、結局はそこに行き着く。
だが、それを言うならば。
<冒険者>とモンスターの違いとは、なんだ?
「違わない……と、思う」
かろうじて答えたのは、ここ数ヶ月ずっと頭によぎっていた答えだった。
そう、モンスターと人を区別する境界など、結局のところありはしない。
DNA検査でもすれば別かもしれないが、例えばそれは『類人猿と原人の違いってなんですか』という問いにも似て、どこか決定的にナンセンスだ。
そもそも、華国のダークエルフを見れば、一目瞭然だ。
彼らは例えば猫人族や狐尾族に比べれば、ずいぶんと外見は人間に近い。
だが彼らに人権はなく、猫人族たちには――場合によりけりだが――ある。
ゲームの<エルダー・テイル>では区別されていたから、という主張もまたナンセンスだ。
それはゲームの都合であって、このセルデシアという奇妙な世界で生きて呼吸するという点では、モンスターも人も区別はない。
生まれ方が異なるだけの、同じ対話のできる相手。
それは、例えば人間がチンパンジーを見るよりも、もっと近い存在なのではないだろうか、と。
人間とモンスターに違いはない。
その答えは、奇妙な納得感をミレルにもたらしたようだった。
もちろん、モンスターは人を襲う。 そうした彼らを保護する、なんていう主張がどれほど無意味かは自明だ。
私達の社会を守るために、モンスターは討伐されねばならない。
今さら、殺すことに躊躇いを覚えることもないし、博愛主義者に転向する気も毛頭ない。
だが、私は少なくとも、心するべきなのだ。
生きるため、金を稼ぐため、経験値を得るために、別の生き物を無作為に殺している。
その行為そのものは、紛れも無く殺人か、それに極めて近似した行為なのだと。
話の腰を折ったミレルが済まなさそうに続きを促すのを見て、私は静かに話を続けた。
<鏡像>を倒し、アキバに戻った私は、いろいろあって再びアキバを出た。
一番の理由はこの世界のどこかにあるであろう、現実への帰還の道標を探すことだ。
セルデシアは広く、この奇妙な世界の成り立ちに関わるオブジェクトやイベントも各地にある。
それらを回ってみようとしたのさ。
だけど、今なら別の理由があるとはっきり言える。
私は、怖かったんだ。
アキバに残ることが。
アキバで、せっかく得た仲間と一緒に戦うことが。
どういう意味かって? 文字通りの意味さ。
私は『ユウ』で有り過ぎた。
生きるために、生活するために、衝動的に自殺しないために、『ユウ』であり続けようとした。
ユウというキャラに、いつも一緒に遊ぶような仲間はいない。
一人で戦い、一人であちこちを旅し、一人で死ぬ。
プレイヤータウンは、時々武器の修理や素材の補充に立ち寄るだけの場所だった。
端的に言えば、ユウであった私には、街に居着いて仲間と何かをする。
その方法を知らなかったんだよ。
だから、逃げ出した。
仲間と離れたくない、一緒に同じ目標に向かいたい、そういう心の声も無視してね。
結局は、それだけさ。
それと、もうひとつ。
私の本当の目的は、誰とも共有できなかったんだ。
というより、共有してはいけないと思った。
だから一人になりたかった。
その目的とはね。
死ぬことさ。
2.
ミレルは黙って、静かにつぶやいたユウの顔を見ていた。
ミレルの顔には、それこそ死顔のようになんの表情も浮かんでいない。
言われた言葉を咀嚼しきれていないのではない。
そうした感情すら浮かばない、という顔だ。
海底のような沈黙の後、ミレルはようやく声を絞り出した。
「死にたい……んですか、ユウさんは」
「ああ」
はっきりと言い切ったユウの顔にもまた、なんの表情も浮かんでいなかった。
「なぜ」
「なぜなんだろうね。 ……もちろん、いつかは帰りたいよ、我が家へ。
でも、私はもう『ユウ』でありすぎてしまった。
人もモンスターも殺しすぎてしまった。
それに躊躇いどころか、快感すら覚えるようになってしまった。
そんな手で、妻は抱きしめられない。 ……子供を抱き上げることはできない」
「でも…そんな」
それは逃げじゃないのか、ミレルの顔がそう主張する。
逃げではない、とユウも無言で答える。
再び訪れた沈黙は、先程よりはるかに長い時間を経て、ようやく破られた。
「……この世界がゲームの続きだと、思っていられればよかった。
今までの自分とは全く違う異世界だと、ずっと考えていられればよかった。
でも、そうじゃない。
どういう言葉で言い繕っても、私のこれまでしたことは殺人で、私は大量殺人者だ。
たとえその幾ばくかが、<大神殿>に転送するだけの行為だったとしても。
私は人を殺そうと思い、殺すために刀を振るい、そして殺した。
華国でもそうだ。私の命令で多くの<大地人>が死んだ。 直接的に殺されたのか、
あるいは家を奪われ、家族を奪われ、悲嘆と飢餓の果てに死んだか。
私は、私自身がそう決めて、殺してきたんだ。
そんなの異世界だから関係ない、と、もし私が『ユウ』そのものだったなら答えただろう。
だけど『ユウ』の中にあって、彼女の望むままに決断したのは、私だ。
この鈴木雄一という男なんだ。
だから、私は最後は帰還しない」
華国でもね、とユウは続ける。
「華国では、最初は通り過ぎるだけのつもりだった。
<日月侠>――レンインは知っているね?彼女の元のギルドだ――でレンインが復権する手伝いだけして、
さっさと出て行くつもりだったんだ。
だけど、レンインは私と同じ決断をした。
無数の殺人の罪をかぶっても、同胞である華国の<冒険者>をまとめようとしたんだ。
巨大な敵を華国に引き入れるという、とんでもない罪を犯すことで。
私は、いろいろあって華国の現状――深刻な民族対立や人種差別を顕在化しないために、敢えて<冒険者>同士二つに分かれて争う――を知った。
そして、私は華国で一人の騎士と誓っていた。
『レンインを守ろう』という誓いだ。
彼女の肉体を守るだけじゃ足りない。
彼女が現実に帰還するために、彼女に罪を犯させたくなかった。
だったら私が背負えばいい。
そう、思ったんだよ」
「レンイン教主に翻意させればすむことだったのでは!?」
ミレルの声は悲痛だった。
言外にあるのは、ユウとレンインへの非難だ。
当たり前だ、とユウも思う。彼女が心変わりすれば、多くの<大地人>たちは死ななくても良かった。
だから、彼女は静かに答える。
「無理だったろう。
一人の人間を翻意させる言葉を、私は持たなかった。
代案があったかといえば、今から思えばベイシアやらメイファといった人々に直訴すれば、とも思うが、その時点ではなかった。
アキバを思い出してくれ。
もし<ゴブリン王の帰還>イベントがなかったら、<冒険者>同士、そして<冒険者>と生き残った<大地人>は手を取り合えていたか?」
「……」
「無理だ。人が『ヨソ』と『ウチ』を分けるのは、明確な『ヨソ』が出てきた時だけだ。
話し合いで平和になるほど人間というのは高尚な生き物じゃない。
私とあなたは運命共同体だ、と言い切れるのは、運命共同体じゃない相手が周囲にいる時だけだ。
だから、私は『ヨソ』になった。
レンインをそうさせるわけにはいかなかったから」
カリカリと、黒鉛を走らせる音がゆっくりと響いた。
◇
結果的に、ユウさんの目論見は当たりました。
彼女率いるモンスターたちは華国へ乱入し、<正派>の大隊すら押しつぶしたことで、
華国はようやくまとまり始めたのです。
嵩山の戦いでモンスターたちが討伐され、ユウさんが首を斬られて、<冒険者>たちはひとつの秩序を作りました。
それは今も、華国でゆっくりとではありますが着実に成長し続けています。
<邪派>の本拠地、<黒木崖>からユウさんがフーチュン副教主たちと脱出し、嵩山へ向かって追い返され、彼女ははるか西域へたどり着きました。
そこで民族対立の深刻さを目にしたレンインさんの策に乗ったふりをして、ユウさんは最後の最後で彼女を裏切り、自らがモンスターやダークエルフたちの主将となりました。
そして、華国への乱入。今度は明確な敵として。
ユウさんの率いる軍勢は<正派>の軍団をその数で文字通り踏み潰し、<五岳>の一つ、恒山すら攻め落とし、<冒険者>が篭もる嵩山に向かいます。
迎え撃ったのは<正派>と<邪派>の連合軍。
それに『予定通りに』完膚なきまでにユウさんたちは叩き潰されました。
そして、彼女は何度かの処刑の後、彼女は追放されたのです。
その後のことは、私も知りませんでした。
旅の途中で会ったティトゥス軍団長――はるばる<七丘都市>から旅をしてきた人々に聞いたことが全てです。
ティトゥス軍団長の話によれば、ユウさんはそのまま、現実で言えばチベットの南端をかすめて
ヒマラヤ山脈――このセルデシアでも屈指の高難易度ダンジョンである<サンガニカ・クァラ>に挑んだそうです。
その時の話を、ユウさんはしようとしていました。
◇
いくら死にたいと言ってもね。
元の世界に魂だけでも帰る方法だけはなんとか見つけたかった。
だから<サンガニカ・クァラ>に挑んだんだ。
結果としては、なんの成果もなかった。
確かに、ダンジョンの中でも最も危険なデヴギリの頂上まで辿り着いたけど、
結局、そこには神も精霊も、もちろん運営会社だっていやしなかった。
変なところに放り込まれて、変な夢を見せられただけさ。
え? どんな場所なのかって?
説明は難しいな。なんというか、この世界のバグみたいな場所だったよ。
どれだけいたのかはわからないけど、多分実際の時間ではほとんど経っていなかったんだろう。
気づけばショックで記憶をなくし、デンマークまで放り出されてこのままだ。
頂上までの道にはいろいろあったけど、まあそのへんは割愛するよ。
どうせ、モンスターと戦っただけだし。
ともかく、私は名前も、日本語の読み方すら忘れてここに辿り着いた。
<傷ある女の修道院>、まさにこの場所さ。
そこにいたのは、女ばかり50人くらいの<冒険者>だった。
彼女たちは逃げてきたんだ、男と戦いからね。
……どういう意味かわかるだろう。
私は元男だったが、それでも女性に対して最もひどい暴力とはどういうものかはわかる。
そこで、私はゲフィオンという仮の名前を貰って、暫くの間暮らしたんだ。
だが、結局その日々も少しだけで終わってしまった。
向こうにある村、あそこが妙に空き家が多いと気づいたか?
あそこにはもともときちんと多くの人がいたんだ。
だけど、彼らは段階的ではあるが、村を捨てざるを得なくなった。
やってきた<冒険者>と、私のおかげでね。
◇
この場所――<傷ある女の修道院>で何があったのかを聞きながら、私は長い物語が終わろうとするのを実感していました。
西欧サーバの状況は、断片的ではありますがヤマトにも入ってきています。
セブンヒルのようないくつかの都市を除けば、中世のような都市国家や貴族領が乱立しているこの場所では、ギルド単位、あるいはパーティ単位で<大地人>貴族に雇われる<冒険者>が多いこと。
彼らは、あたかも中世の傭兵のように、雇い主のために戦うと同時に、略奪や暴行に手を染めていること。
アキバやミナミのように、中心的な都市がなかったこともあるのでしょう。
<冒険者>の全員が非道をしているわけではなく、状況を改善しようとしているギルドもありますが、数が少なく、うまくいっていないとも聞きました。
そして、修道院を襲ったのは、そうした中でもさらに非道な連中だったようでした。
淡々と語るユウさんの口調には、彼らへの憎しみはあまり感じられません。
同じ男だから共感するものがあるのか、とは口が裂けても言えないことです。
ですが、失礼にもそう思っていた私は、ふと気づきました。
憎しみがないわけではない。
ですが、同時にやるせなさのようなものがユウさんから漂っているのを。
「彼らも誰かの息子で、父親で、同僚だったかもしれない」
怖気をふるうような惨たらしい最期を迎えさせた相手へ、彼女はそう呟きました。
思わず鉛筆を握る手が緩むのを、私は抑えられませんでした。
客観的に見れば正義で、賞賛されるかもしれないその行動は、ユウさんにとっては十字架でしかないのでしょうから。
見れば、再び夜は明けていました。
もう、素材は残り少なくなっています。
多分、今日が別れだろうな。
そう、思いました。




