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ある毒使いの死  作者: いちぼなんてもういい。
第6章 <傷ある女の修道院>
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78. <交易>

1.


 アルヴァ・セルンド島に峻険な山はない。

なだらかな丘と平地が、いくつかの小川によって分けられている。

泳いで行ける距離の隣の島、セルンド島との行き来も盛んではなく、まさに世界の片隅にあるような場所だった。


それまでいたところが峻険な山岳地帯であったことをかすかに覚えているゲフィオンは、雨に打たれながら隣を歩くミリアムにふと尋ねた。


「そういえば、ここはどういう地域なんだ? どこかの国の領土なのか?」

「それはね」


返事をしたのはミリアムではなく、その後ろをちょこちょこと歩いていた小柄な女<冒険者>だった。

ステータス画面にはレベル42、<施療神官(テンプラー)>、イドリースとある。

貴重な癒し手の一人ではあるが、今回は交易の役割を任されて嬉しいらしく、歩調もどこかうきうきとしていた。

面識がある、程度の相手を振り向いたゲフィオンに、イドリースは笑いかけた。

邪気のない、明るい笑みがフードの奥からゲフィオンを見る。


「ここは現実世界だとデンマークのコペンハーゲンの近くなのよ。

といっても北欧サーバじゃどこかの領土ってわけじゃないの。

一応、南のリドルーツや七女王国が領有権を主張してるけど、周辺の蛮族掃討が面倒で放置された地域、ってことになってるよ」

「じゃあ国王とかはいないのか?」

「一応、勝手に貴族を名乗ってる人たちはいるけどね。

今から行く村の村長さんも、騎士を名乗ってるみたい。

でもまあ、別に兵隊がいるわけじゃないし、モンスターもいないし、静かなものよ」

「へえ」


ゲフィオンの隙間だらけの記憶の中にも、いくつかそういう村や街の記憶があった。

いわゆる独立村というものだ。


「そういえば、何を交易しにいくんだ?」

「それはね、これよ」


雨は徐々にやみ、今ではぽつぽつとフードに水滴がかかるだけだ。

それをいいことに、イドリースがじゃん、と取り出したのは分厚い書物だった。


「……本?」

「ええ。辞典、絵本、なんでもありよ。こういうものはもともと村にはなかったから」

「それに、彼女ね」


ミリアムが話に割り込み、黙って後ろをついてきていたドワーフの女性を指し示す。

彼女はほかの3人の会話にも入ろうともせず、黙って黙々と歩いていた。

その腰には、がちゃがちゃと金属の鳴る音――鍛冶道具だ。


「彼女、コンコルディアは<鍛冶師(ブラックスミス)>なの。今日は物を売りに行くけど、それだけじゃなくて。

村からの依頼で農具を修理に行くのよ」

「なるほどなあ」


ゲフィオンは感心した。

確かに、商品ではなくサービスを売りに行くとなれば、需要が途絶えることはない。

<冒険者>の生産職の腕は、<大地人>を遥かにしのぐからだ。

しきりに感心するゲフィオンに、3人は微笑んだ。

腕前を披瀝されたコンコルディアも、はにかむように顔を綻ばせる。

どうやら彼女は無愛想なのではなく、単に人と話すのに緊張する性質であるだけのようだった。


「そろそろね」


ミリアムが、ようやく雲の隙間から顔を出した陽光にまぶしげに目を細めた。

彼女の視線の向こうには、丘を越えたところにいくつもの民家がある。

村に到着したようだった。



 ◇


 アルヴァ・セルンド島の唯一の村の村長は、丘からゆっくりと姿を見せたローブ姿の女たちを見て、われ知らずほっと息をついた。

自分たちの平穏な生活のすぐ隣に住み着いた<冒険者>。

それは、村の平安を大きく乱す事態ではあったが、今では別に隔意があるわけではない。

味のある料理を伝え、重病の乳児でも一度で回復させる魔法や薬を惜しげもなく分け与え、

丈夫で使いやすい農具を与えてくれる、それも女ばかりの隣人であれば当たり前のことだ。

彼らは噂に聞く<冒険者>のように暴虐を振るうこともなく、距離を置いて<大地人>たる自分たちと接してくれている。

村長のため息は、今回も穏健に交易ができそうだという、安堵のため息だった。

その気持ちには理由がある。


「ユルグンドやアルドルフどもは、しっかり見張っておるじゃろうな」


村の中でも特に血の気と欲望が多い若者たちの頭目の名前を隣の老人に告げると、その老人も苦笑して頷いた。


「うむ。ユルグンドは親父がしっかり見ておるし、アルドルフは漁に出てもう7日じゃ。

どうせどこかの酒場で若衆どもと飲んだくれておるんじゃろうて」

「うむ。目を離すなよ、頼むぞ」


その妙に切実な言葉は、修道院ができてしばらく経ってからのある事件に端を発する。


 ◇


 村人の誰もが存在すら忘れ去っていた、古代の神殿に住み着いた<冒険者>。

一般の<大地人>には脅威そのもののその不気味さは、彼女たちが味のあるスープの作り方を携え、種籾を求めてきたことで解消された。

だが、暴君でなくて一安心、と安堵の息を吐いた老人たちとは逆の感想を抱いたのが若者たちだ。


遥か異国から来たという女たち。

しかも彼女たちは戦う気がなく、しかも全員がそれぞれタイプの違う美女だ。

狭い島と変わり映えのしない毎日に、鬱憤がたまっていた若者たちに、まさしく<冒険者>とは天から降りてきた天女だった。

村長たちが気づいた時には、すでに先ほど名前が挙がったユルグンドやアルドルフ、つまりは特に血気盛んな若者たちのリーダー格を中心に、若い男たちは修道院に日参するようになっていた。


黙々と作業をする<冒険者>たちを眺めてにやつくのはまだ軽いほうで、遠慮なく卑猥な言葉を投げかけ、花束や、強さを誇示するためか剣や狩の獲物を手に女<冒険者>たちを誘い。

中にはあけすけに求婚や、より直接的な親交を深めるための言葉までかける始末だ。

もちろん即座に修道院は村に抗議し、村長たちも懇々と諭したが、老人たちの言葉で止まるような年齢の者達ではない。

そしてついに事件は起きる。

素材の採集に出ていたある20レベルの女<冒険者>を、若者たちは無理やり連れ去ろうとしたのだ。

いくら<冒険者>といっても、20レベルでは<大地人>の屈強な男たちに囲まれたら成すすべもない。


おそらく自分たちをあくまで無視する、『可愛げのない女たち』への反感もあったのだろう。

この北の地では、男はまずもって強くあり、女はそんな男に従うのが美徳とされるからだ。


だが、相手は<冒険者>。いくらなんでも若者たちはやり過ぎた。


その<冒険者>の念話によって急を知ったロージナたちにより、男たちは完膚なきまでに叩きのめされた上、修道院は村との断交を通達してきたのだ。

襤褸切れのような姿で村の入り口に放り出されたユルグンドたちに、村長以下村の大人たちは、あまりの情けなさに顔から火が出る思いだった。


老人たちも昔は若者だったのだ。美女の集団を前に舞い上がった彼らの気持ちも分かるが、<大地人>と<冒険者>ではそもそも考え方も常識も違う。

さすがにしおらしい若者たちを追放しようという声も上がったが、それでは村は早晩滅びる。

結局、村長自らが修道院で頭を下げることで、ようやく<冒険者>の怒りも収まった。

いくつかの条件付でだ。


若い未婚の男を修道院のそばに近づけないこと。見たときには殺しても文句は言わないこと。

そして、交易の際には彼らを決して修道院の女性の目に付く場所に出さないこと。

不貞腐れる若者たちを棒まで使って殴り飛ばし、ようやく村は交易を再開することができたのだった。


 村長の安堵は、こうした一連の騒動があったためのものだった。

いくら自給自足の村とはいえ、<冒険者>がもたらした文物に依存する率はいまや高い。

かといって、情熱と無鉄砲さが若者の若者たるゆえんだ。

数週間ごとの交易のたびに、村長たちは逃げ出そうとする若者を取り押さえ、長い漁に出かけさせ、おとなしい者にはさっさと嫁を娶わせて、何とか交易を続けているのだった。


「ユルグンドの阿呆にも、今度アダルベルトのところのグンヒルデが嫁に来るし、これで落ち着くはずじゃて」

「そうかのう……」


楽観的な老人―村の長老に、心配そうな声を投げかけて村長が顔をしかめたとき、村の入り口にローブ姿の女たちが立った。


「こんにちは、村長さん」

「おお、今度はミリアム殿か。久方ぶりですの」


明るく声をかけてフードをはずし、鮮やかな金髪を日にさらした女<癒し手(メディウム)>に、村長は嬉しげに返事をした。

そのまま、同じくフードをはずした後ろの3人を見る。


「これはコンコルディア殿、今日はすみませぬが頼みますぞ。イドリース殿も変わりなく。

前にこられたのはまだスノウフェル(ユール)の頃でしたかの」


顔見知りの娘たちに笑顔を向ける村長に、コンコルディアは軽く、イドリースは大きく頷いて笑顔を返す。

周囲の大地すら明るくするような笑みだ。

雨上がりの肌寒さが消えるような、年甲斐もない喜びに村長の気分も高まる。


(こりゃあ、相変わらずじゃな。若い連中が血迷うのも分かるのう)


そんな村長の目が、見たことのない黒髪の女に向けられた。

自分たちやミリアムとはどこか違う民族であることを示す黒髪に、やや色のついた白い肌。

目の覚めるような美しい顔の下には、体の線を隠すローブを着ていてなお、豊かな肢体が自らを主張している。

長年生きた村長も、一度として見たことがない異国の美女だ。


「……あなたさまは?」

「ゲフィオン」


しかし、その美女は肢体とは裏腹にそっけなくそう答えると、油断のない目つきで周囲を軽く見回した。

ミリアムが草原の柔らかな花とするならば、ゲフィオンと名乗ったその女性は滝つぼの野草だ。

思わず、村長はそうした印象を抱いた。

姿かたちは美しいが、どんな棘を持っているか分からない。

隣の長老も似たような感想を持ったようだ。

どこか阿るように、やさしげな声をゲフィオンにかける。


「まあ、見てのとおりの小さい村じゃ。何があるわけでもない。

初めての場所で緊張されるのは分かるから、少しのんびりされるとよいじゃろう」

「ああ。厄介になるよ、村長さん、ご老人」

「ええ。よろしくお願いします。……ゲフィオン。あまりあからさまな態度はよくないわ」


ミリアムも助け舟を出したことで、ようやく場の空気が和らいだ。

それを感じ取った村長もぱん、と両手を打ち合わせる。


「さあ、こちらへどうぞ。<冒険者>どのとは申せ、娘の足で歩き詰めは疲れましょうぞ。

わが家にいつものように食事を用意してあります。

まずはそこでゆっくりなされよ」

「毎回、ご厄介になりますわ」


慇懃にミリアムが礼をし、「食事って何かな!」とイドリースが歓声を上げる。

村長の後ろで顔を見せていた村人たち――ほとんどが女子供で、男は数えるほどだ――も、<冒険者>たちを見てにこやかに笑った。


「そうね、ゲフィオン。あなたが今までどういう形で<大地人>と接してきたのか知らないし、覚えてもいないかもしれないけど、こういう付き合い方もあるってこと、覚えておいてね」


背を向けて案内を始めた二人の老人の後ろについて歩き出しながらミリアムが微笑んだ。


いかなる名前の花なのか、見たこともない水色の花を見下ろして、ゲフィオンもこくりと頷いた。



2.



「こちらでよいのだろうな?」

「はい」


(クソ、何度会ってもえらそうな連中だ)


アルドルフは内心の反感を押し殺し、自らの船の帆を細かく動かした。

風向きが頻々と変わるアルヴァ・セルンド島近辺は、海棲のモンスターこそいないものの、海流と風が複雑に絡み合い、あちこちに岩礁が顔を出す海の難所のひとつだ。

アルヴァ・セルンドの船乗りしか、この海を無事に渡れる船乗りはいない。

アルドルフは、魚の代わりに自らの船に腰を降ろした男たちをちらりと横目で眺め、内心で唾を吐きたい衝動に駆られる。

古い昔に海賊働き用の戦船として作られ、成人の祝いに父から贈られた一族伝統の船だが、今日は目に見えて舵の利きが悪い。


(それもこれも、こんな金属野郎どもを乗せているからだ)


単なる同乗者のはずが、船主面をしてアルドルフの部屋さえ当たり前のように奪い取った男たちに、反感がますます募る。

だが、彼の不満はある意味で自業自得だ。

海風に鎧を晒す男たち、ヴァイマル地方のクリューグ辺境伯領の騎士たちを乗せて、故郷(アルヴァ・セルンド)に向かうことを決断したのは自分たちなのだから。


「あっ」


むしゃくしゃした気分のままに帆を動かしたアルドルフの手からロープが離れた。

運が悪いことに、ちょうど風向きが変わったところだ。

瞬く間に裏帆を打ち、アルドルフの船足が目に見えて遅くなる。


「おい!何をしておる!!」


騎士隊長の怒声に「すみません」とへこへこ頭を下げたところで、別の声が彼にかかった。


「おいおい、どうした<大地人>。船乗りってのも底が知れるぜ」

「そうだな、おい。暗礁に乗り上げたりしてみろ。その場で殺してやるぜ」

「すみません、クラレンス様、リルドア様」


へへ、と仲間たちには見せたことのない卑屈な笑みでアルドルフは頭を下げてみせる。

もちろん、内心は沸騰しかけていた。


(蛮族め。ちょっと強いからって調子に乗りやがって)


そんなアルドルフの内心を気にもせず、男たち――<冒険者>はははは、とどこか下品な笑い声を上げた。


「本当に女<冒険者>どもの隠れ家があるんだろうな」

「へえ、間違いありません。トラック様」


(こいつらまで来るとは予想外だったけどな)


別の<冒険者>の声にこたえつつ、内心でアルドルフは叫ぶ。


 元々は、あの生意気な女(ぼうけんしゃ)どもをちょっと怖がらせ、ついでに腑抜けた村の年寄りどもにちょっと意趣返しするために、近隣の騎士を連れて行こう、というくらいの気持ちだったのだ。

だが、抜け目なく魚や装身具―<傷ある女の修道院>が作ったものだ―を渡していたクリューグ辺境伯領に、<冒険者>の傭兵隊がいるとは予想外だった。


噂でならアルドルフも聞いたことがある。

各地の貴族や、神殿を中心とした教会が積極的に<冒険者>を囲い込んでいると。

並みの<大地人>騎士ならば10人いてもかなわない彼らを雇うことが、貴族の実益を兼ねたステータスになっていると。

だが、ヴァイマル地方でも最も北辺にあるクリューグ伯すら雇っているとは計算違いだった。


(どうせロマルネスやガリアンから落ち延びた連中だろうけどな)


だが、その落ち延びた連中にさえ、へこへこと頭を下げなければならないのが自分だ。

再び怒りが湧き上がり、思わずアルドルフは乱暴に足元の床を蹴った。

だが、同時に思う。

<大地人>の、それも離れた土地の騎士を連れて行っても、村の年寄りどもはともかく、<冒険者>は気にもしないかもしれない。

だが、それが同じ<冒険者>だったら。


暗い喜びに、思わずアルドルフは顔をにやつかせた。


村でもユルグンドと並んで若者の盟主格だった自分。

最も漁がうまく、腕っ節でも負けなかった自分。

それをそんな力などどうでもいいとばかりに殴りつけ、半死半生の目にあわせた女ども。

強い男に従うノルド地方にいながら、その男を殴った上村長に土下座までさせた生意気な連中。

連中の泣き叫ぶ顔が見られるなら、この程度の屈辱、なんでもない。


アルドルフの腕が再び風を捉え、船は快調に速度を上げていく。

周囲の二隻の船――一緒に漁に行くと言って連れ出した手下の若者たちの船――と合わせて、小さな船団は一路アルヴァ・セルンド島に向かっていた。


もうそろそろ、目印代わりの岬を越える。

到着は夕方になるだろう。



 ◇


 ミリアムたちはゆっくりとした時間を過ごしていた。

ドワーフの<鍛冶師>、コンコルディアは村で唯一の鍛冶場でとんかんと農具を打ち直している。

山のように積まれた壊れた農具の横には、補修された農具がほとんど同じだけの山を形作っていた。

彼女の周りにいるのは村の二人の<大地人>鍛冶師だ。

コンコルディアは相変わらずぶっきらぼうだが、丁寧に彼らにも鍛冶を教えている。


村長の居間で子供たちに囲まれているのはイドリースだ。

生来の明るい気質からか、単に子供好きなのか、彼女は売り物の本を引っ張り出し、子供たちに読み聞かせていた。


「そうして魔女は言いました。お前に足を上げよう。人と同じような。だけどその代わりにお前の最も美しいもの、声をもらうよ」


彼女の語る物語に、子供たちはある時は叫び、ある時は歓声を上げて聞いている。

その後ろには大人たちも座っていた。彼らにとっても物語とは新鮮なものなのだ。


ミリアムの姿はない。<癒し手>である彼女は、あちこちの家を回っては体調を崩した人々を看ているのだった。

<大地人>にとって死とは身近なものだ。成すすべもなく死んでいく彼らを救うために、ミリアムもまた走り回っている。


暇なのはゲフィオンだけだった。


彼女に、修道院から持ってきた本の文字は読めない。

かといって記憶をほとんどなくした彼女に語るほどの物語もない。

さらには、どこかほかの3人とも異質な、戦士としての物腰が、知らず壁を作っているのだろう。

椅子に座ってすることもなく茶を飲む彼女に、近寄る<大地人>はいなかった。


(早く終わらないものかな)


何度目か分からない茶のお代わりを注いだ彼女の耳に、どこか聞きなれた音が聞こえたのは、そう内心で彼女がため息をついた時だった。


穏やかな村には似合わない、人々の息せき切った走る足音。

緊張をはらんだざわめきの声。

それらをゲフィオンは知っている。

記憶になくとも、彼女の経験が無意識に異変を察知する。


ごく自然に彼女が陶器のカップを置き、椅子に深くおろしていた腰をゆっくりと浮かせた時。

異変は、農夫の男の姿を借りて、ゲフィオンの前に姿を現した。


「お、おい!大変だ!! ヴァイマルの騎士とかいう奴らを、アルドルフが連れてきやがった!」


男の叫びと同時に、ひゅう、と風が村長の家に吹き込む。

それは、妙に生臭く、暖かいようにゲフィオンには思えた。

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