表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

しるし(詩集)

静か

作者: さゆみ

工場の煙が斜めに静止し明るくない暗くない空に同化してゆく



高く電波塔が微かに煌めきながら煙の中に息を吐き続ける



家並は昼間と何一つ変わらずに斑に浮かび上がる窓明かり道しるべ



春はまだ夜を暖めたくないからと冷やされてゆく癒やされてゆく



もう窓を閉めないと空気は混ざりあって気持ちが揺らいでしまう



今ならきっと飛び出して行けるのにこの皮を矧いで脱け出せるのに



浮動する心は何を求めるのだろうか こんなにも此所は静かなのに



夜に溶けてゆく 記憶の枠をゆるめ綺麗で優しい愛しき欠片たち



そのまま夜に溶かし続けたい 溢れるほどに素直な無垢な欠片たち



いつか溶かしきった夜をきっとそろり抱きしめにゆく だから今夜を許して



いつか溶かしきった夜をずっとほろり抱きしめにゆく だから私を許して





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 奇麗な言葉、奇麗な文体ですね。 声にだして読みたくなります。 [一言] 透明感のある美しい詩。すごく好きです。
2013/04/18 03:10 退会済み
管理
[一言] 工場の煙が斜めに静止し明るくない暗くない空に同化してゆく この言葉が絵のように感じられます。静止した時間・・・ 溢れるほどに素直な無垢な欠片たち の言葉を引き立てています。 心に残る作品…
[一言] こんばんは。読ませて頂きました。 静かで、切ない情景が浮かび上がるとても良い作品だな、と思いました。 素敵な時間をありがとうございました。
2013/04/16 21:07 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ