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第27話 均衡信者

王都。


朝。


壁。


紙。


一行。


「均衡は保たれた」


通り。


人。


立ち止まる。


読む。


沈黙。


誰かが言う。


「均衡だ」


中央市場。


昼。


ざわめき。


仮面。


一人。


立っている。


誰も追い払わない。


男が言う。


「均衡は正しい」


沈黙。


別の男。


頷く。


「均衡は裁いた」


群衆。


揺れる。


一人。


仮面をつける。


また一人。


また。


沈黙。


仮面が増える。


北区。


路地。


三人。


仮面。


壁に紙を貼る。


「均衡は保たれた」


足音。


騎士団。


槍。


「動くな」


沈黙。


仮面の男。


笑う。


「均衡だ」


兵士。


「均衡ではない」


仮面。


「均衡は人だ」


沈黙。


別の仮面が言う。


「我らだ」


神殿前。


階段。


神官。


騒ぎを見ている。


神官が言う。


「仮面が増えています」


沈黙。


「均衡信者です」


別の神官。


「思想です」


一拍。


「止まりません」


王都。


夕方。


広場。


人。


多い。


仮面。


十人。


二十人。


三十人。


声。


「均衡」


「均衡」


「均衡」


低い。


だが揃う。


群衆が揺れる。


子供が聞く。


「均衡ってなに?」


大人が言う。


「正しいものだ」


ルクレール邸。


夜。


応接室。


執事が言う。


「仮面の者が増えています」


私は紅茶を持つ。


「そう」


執事。


「均衡信者と呼ばれています」


沈黙。


私は窓を見る。


王都。


遠く。


仮面。


小さく動いている。


私は言う。


「信じるのは自由ですわ」


執事。


「止めませんか」


私は首を傾げる。


「なぜ?」


沈黙。


執事。


「均衡ではない」


私は笑う。


小さく。


「ええ」


一拍。


「均衡ではありませんわ」


カップを置く。


音。


静か。


「ですが」


窓の外。


仮面。


また一人。


増える。


私は言う。


「人は」


一拍。


「信じたいものを信じますもの」


夜。


王都。


壁。


紙。


「均衡は保たれた」


その前。


仮面の人間。


膝をつく。


小さく言う。


「均衡よ」


沈黙。


「我らを導け」

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