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第16話 均衡の刃

王都、北区。


夜。


静かな路地。


一人の男が壁に打ち付けられている。


商会理事。


息はある。


だが動けない。


胸元の紙。


「均衡は乱れを許さない」


血は少ない。


殺していない。


“排除”ではない。


“是正”。


通報。


騎士団が駆けつける。


団長が紙を見る。


眉が動く。


「……これは」


王城。


報告が上がる。


王子は立ち上がる。


「怪物の名を使った私刑だと?」


騎士団長が答える。


「断定はできません」


一拍。


「だが“均衡”を名乗っている」


王子の拳が震える。


「怪物は動いたのか」


「いいえ」


沈黙。


つまり。


誰かが勝手に動いた。


神殿。


聖女が報告を聞く。


「均衡を名乗る者……」


目を閉じる。


祈る。


だが。


光は静かだ。


神は何も言わない。


ルクレール邸。


執事が告げる。


「北区で私刑未遂」


「犯人は逃走」


私は首を傾げる。


「私刑?」


「“均衡の刃”と名乗ったとの証言が」


沈黙。


胸の奥。


初めて。


はっきりと。


重い。


だが怒りではない。


理解。


「……単純ですわね」


均衡は。


崩壊に反応する。


だが。


狂信は崩壊ではない。


思想の過剰。


私は立ち上がる。


圧は出ない。


だが空気は張る。


「放っておけば増えますわ」


執事が問う。


「止めますか」


一拍。


私は初めて迷う。


均衡は。


狂信に反応するのか?


これは“崩壊”ではない。


だが放置すれば、


崩壊に変わる。


私は小さく笑う。


「……試されておりますわね」

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