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紅葉不理解

作者: ナベノヂ
掲載日:2025/11/16

紅葉の季節ですね、綺麗ですね。

やっぱり、絵を描いているときの君が一番可愛い。

だから、俺も頑張って紅葉を撮りたくなる。


11月、紅葉の時期。

俺と2つ下の後輩は、紅葉で有名な神社にいる。戦国大名が自害したことでも有名な神社、県外から来た人も結構いる。駐車場もいっぱいで、人も多い。

これを作品にするなら、と、つい考えてしまう。


後輩は、ベンチに座り、紅葉を描いている。


俺が惹かれた理由。

描いているときのこの子は、いきいきとしている。いつもは大人しいけど。




邪魔にならないようにしつつ、カメラで写真を撮る。

そして、俺は周りを見渡す。


木の前に笑顔で立つ親、それをスマホで撮る子。

「綺麗だね」と言い、紅葉を楽しむカップル。


楽しそうだ。

だから、心が暗くなる。

紅葉のよさが、俺にはわからないから。


なぜ、紅葉が良いとされている?

ただ赤いだけじゃないか。

葉っぱが赤くなっているだけなのに、何がいい?


わからない。

まるで、俺だけ異星人のような感覚になる。

周りに知られたらいけない、知られたら追い出されてしまう。

でも、わからないものはわからないんだ。


小説家でもあるから、余計焦ってしまう。

理解しないと、理解しないと。

できないのに。




無意識に、後輩の方に顔を向ける。


目をキラキラして、いきいきと描いている。

相変わらず。

「か、可愛い」

つい、口に出てしまう。

こう、タヌキみたいな可愛さじゃなくて、貝を必死に叩くラッコみたいな可愛さで、ああ、可愛い。


締め付けられていた心の縄が緩む。




「ま、いっか」

紅葉は理解できないけど。

高一の後輩が可愛い、それだけで全てを許せる。絵の良さもわからないけど、それも許せる。


こっそりと、スマホで後輩を撮る。

そして、再びカメラで紅葉を撮りはじめる。

読んで頂き、ありがとうございました!


心のない小説家の少年×いつもは大人しいけど絵を描くときはいきいきとする後輩の少女


ありがとうございました。


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