表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸魂師の忌憚なき奇譚  作者: しの しのぐ
一章
10/10

第10話 歓迎会

 この世界の人間は一人ひとり天使と魔が守護霊として存在している。ほとんどは名を持たない下級の天使や魔であるのだが、稀に高位の天使や魔を守護霊として従えている者がいた。そういった者は守護霊の性質を特殊能力として使うことができた。そういった現象を学問として体系化するにあたって、天使による守護が優勢だと考える「天使学派」と、人間は魔によって支配されていると考える「魔学派」に分かれていた。聖オリヴィア学園では入学時に適性検査を行い、1年生はそれぞれの派閥に分けられるのが慣習である。

「1年生の皆さん、入学おめでとうございます。今日からは聖オリヴィア学園の生徒として規律を守り、心身共に健やかに学びを深めていきましょう。それでは歓迎会を始めたいと思います……が、その前に今年から新たに学園に赴任された教師の紹介をさせていただきたいと思います。……ではどうぞ」

その合図があると、ありすと何人かの教師が大講堂のステージに登壇した。一人ずつ挨拶を済ませていき、ありすの番が来た。

「初めまして。今学期から「悪霊学」の教鞭をとらせていただきます、響ありすと言います。どうぞよろしくお願いします」

パチパチ……と拍手が起きた。全員の挨拶が終わるとステージから降りていく。

「それでは歓迎会、もとい歓迎パーティーを行います。お手元にグラスは用意しましたか? それでは、1年生の入学を祝して乾杯!」

「「「乾杯ー!」」」

 そうして宴が始まった。生徒たちは学年ごとに座っており各々が談笑している。教師陣は壁際の席で座って生徒たちの様子を気にかけながらも交流を深めていた。

「響ありすといったかね? 悪霊学とはまたニッチな専攻だな」

「響さんはもちろん魔学派ですよね!?」

「私の専攻は守護霊学と言って、守護霊の様々な働きについて教えているんだ」

「あの……女の子同士仲良くしてくれたら……嬉しいです……」

ありすは様々な教職員たちと交流を深めていくのであった。

「挨拶だけでもひと騒ぎだな」

俺はありすの共有された視覚を見ながらそう呟いた。

『悪霊のにおいがするわ』

ありすは脳内だけで会話する。

「そうなのか?」

こんだけの人数の人間がいるんだ、悪霊だって引き寄せられているだろう。

「というか悪霊ってどういうものなんなんだ?」

『まず、人間には天使と魔が守護霊としてとり憑いている。ここは分かるわね?』

あぁ、そんなのは常識だ。小学校でも習うことだ。

『人間を守護していた天使と魔は宿主が死ぬと、天使はその魂を持って天界へと還る。魔は主人を失った後この世にとどまって新しい宿主を見つける』

なるほど、理解できない話ではないな。

天使は唯一神の御使いだ。魔とは天使が人間をいつでも守るために姿を変えたものである。

「それで?」

『悪に染まった心を持つ人間に憑いていた魔がその悪性に影響されると、宿主を失った後、悪い魔として現世を彷徨う』

『そうして生まれた悪い魔を、人に宿らず現世を彷徨っている霊性のものだから悪霊(レムレス)と呼ぶ』

なるほど。流石に教師だ。

悪魔(ディアボロス)って呼ばないんだな」

すると、ありすは周りに聞こえていないか確認するようにキョロキョロしたあと、聞こえているわけないと判断すると俺に強い口調で言う。

悪魔(ディアボロス)、それはとても縁起が悪い言葉だって知ってるわよね? 70年前の大戦で悪魔(ディアボロス)によってたくさんの人間が死んだわ。それは悪霊(レムレス)より強力な存在で、その悪性ゆえに天界から堕とされた堕天使だとも言われている。口は禍の元! あまりその言葉を使わないで、いいわね?』

「はい。ごめん、ちょっと聞いてみたかっただけなんだ」

 とまぁ、そういうわけでこの学園には悪霊が潜んでいて、それを後日特定しようという話になった。今夜のところは宴を終えると自室に戻ってきた。




うまく設定を披露できているでしょうか……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ