出会い
俺の初恋は中学1年の二学期初日に散った。それからは部活に没頭し、中学3年の秋。部活も引退し、行きたい高校も決まり、勉強を頑張っている大事な時期に俺はまた恋をしてしまった。
初めてクラス一緒になった。女の子高橋美波。成績優秀で学年1位は当たり前。そんな高嶺の花な高橋さんと知り合ったのは中学3年の秋席替えで隣になった時だ。
最初は何ともなかった。ただ、頭のいい人、俺とは住む世界が違う人という印象。
席替えして少し経った時、自習の時間があり、課題も終わっていたので話しかけてみた。
「高橋さんって勉強好きなの?」
「そんな事ないよ。ただ自分がやりたいことのために勉強してるって感じ」
俺には無さすぎる感性で新人類を見ているような感覚だった。そのまま雑談を続ける。俺は自分で言うものあれだが、結構笑いを取るのが得意だ。いつもみたいにふざけて高橋さんを笑わせていた時にふと思った。笑顔がかわいいと。
そう、そういう目で見たこともなかったから自分でも驚いた。その日から高橋さんを笑顔にさせるというのが1日の楽しみになっていた。
友達にその話をすると、
「それ普通に好きなんじゃね?お前」
と言われる。好きとはまた違うと、何故が維持を張っている俺もいるが、薄々気づいていた。自分の気持ちに。
ある日俺は夢を見た。
高橋さんと一緒に遊ぶ夢。一緒に登校する夢。お揃いのマフラーを巻いて他愛のない話をして2人で笑う夢。
ハッと目を覚ます。もう言い訳できない。好きになってしまったのだ高橋さんを。