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濃い花  作者: 恋下
初恋
4/5

初恋の終わり

早く田中さんに会いたい。そう思って家で夏休みを過ごしていると、俺のスマホに1件の通知が来た。

「渡辺〜8月のお祭り行かない?田中ちゃんも来るんだけど」

加藤からのメッセージだった。

いきなりの展開に焦ったが、こんなビッグチャンス逃す訳にはいかない。俺はすぐに

「行く!!絶対行くから!」

と、返事をし、スマホを閉じた。


祭り当日

俺は気合いをめいっぱい入れていた。服装、髪型、匂い、、など気を使えるとこは全部使った。いつもはスマホをいじっていたらいつの間にか目的地についている電車、今日は緊張しているせいか、とても長く感じる。浴衣を着ている人、イチャイチャしているカップル、はぐれないように手を繋いでる親子。落ち着けない俺は周りをキョロキョロしている変な人になってしまっていた。

目的地につき、田中さん加藤を含む友達5人を待つ。改札前で待っていると加藤からメッセージが届いた。

「渡辺〜もう着いてる?」

「うん着いてるよ。そっちはもうそろ着きs.....」

?!

いきなり後ろから肩を叩かれた。

「え?」

振り返ると天使がいた。

「渡辺くん!お待たせ!他の人はまだ来てないのかな?」

初めて見る田中さんの私服。新鮮だ。可愛すぎる。

「そ、そ、そ、そうだね、まだ来てないみたい。」

そして俺の加藤とのメッセージを除く、田中さん

「え!加藤ちゃんじゃん!もしかして渡辺くんの好きな人ってさ!加藤ちゃ」

「違うよ!笑」

俺は田中さんが言い終える前に遮るように否定した。

勘違いされてしまっては今日のお祭りで、俺のことをみて貰えなくなってしまう。だが、俺の反応は田中さんにとって逆効果だったみたいだ。

「ふーん笑そうなんだー笑」

何かを察したような笑み、これはまずい、俺はそう思った。

その後全員集合し、計4人でお祭りの会場に向かった。

向かっている時、あーーーやっぱりか、と俺は思った。田中さんが俺と加藤を2人にしようとしているのが丸わかりだったからだ。しかも、田中さんはもう1人一緒に来た男の子と話している。嫉妬と不安でお祭りどころじゃなくなっていた。

あそこで食い気味ではなく、余裕のある返しをしていれば、、、、一人で反省会をしていたが、せっかくの田中さんとのお祭り!楽しまないと!と切り替えそのまま楽しみお祭りが終わった。


家に着き、今日のことを振り返る。田中さんの私服可愛かったなー、田中さん楽しそうだったな〜、などと、幸せな光景が浮かんでくる。加藤に感謝のメッセージをし、その日は就寝した。


夏休み明け

長かったような短かったような夏休みが終わり、学校に登校した。朝から体育館集合で夏休みより長い校長の話を聞き終え、教室に戻る。

「久しぶり、おはよ」

「おはよ」

久しぶりの田中さんだ。でも少し様子が違った。

何故か、いつものような元気がない。

「なんか今日元気ない?まぁ、夏休み明けだからしょうがないよね笑」

「そう?いつも通りだよ」

夏休み前、お祭りの時では想像できない田中さんがそこにはいた。俺は焦った。お祭りで嫌われるようなことしてしまったのだろうか、なんでこんなに冷たいんだろう、そんなことを思いつつ二学期初日が終了した。


放課後

授業が終わり、トイレを済ませてから部活に向かおうと、荷物を置いてトイレに行った。用を済ませ、教室に戻ると、田中さんだけまだ教室にいた。俺はチャンスだと思った。前は藤田に邪魔されてしまった。でも今回は、大丈夫だろうと、

「田中さ.....」

勇気をだして、話しかけようとした瞬間

「優香!おまたせ!部活行こ!」

俺もまだ呼べていない、田中さんの下の名前。その名前を呼ぶ聞き覚えのある声。俺は心臓を握られているくらい辛くなった。目の前には手を繋いでいる田中さんと藤田の姿がそこにあった。絶望だ。付き合う気はなかったんじゃないのか。

そのまま2人は俺に気付かずに部活に向かった。


その後、2人が付き合ったという噂が学校中に広がった。隣の席でも話すこともなくなった。彼氏以外の男子と話すのは良くないと思ってるらしいと加藤から聞いた。そのまま席替えの時期が来て、離れた席になった。そのまま俺の初恋は、後悔を残し、終わったのである。




初恋編が終了です!

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